西島秀俊インタビュー「永野さんがいると現場がぱっと明るくなる」『ユニコーンに乗って』

特集・インタビュー
2022年07月12日
『ユニコーンに乗って』©TBS/撮影:加藤春日

『ユニコーンに乗って』(TBS系 毎週火曜 午後10時~10時57分)に出演中の西島秀俊さんにインタビュー。7月12日(火)放送の第2話で、主人公・佐奈(永野芽郁)がCEOを務める「ドリームポニー」で働きだす“おじさんサラリーマン”小鳥を演じる西島さんに、実際に若い世代が集まっている現場の様子や、共演者の印象を聞きました。

◆小鳥智志はどんなキャラクターでしょう?

すごく真面目で、保守的というか、堅苦しいところがありそうなんですが、バードウォッチングが趣味で、どこか風通しの良い性格。夢に向かってもう1回転職するような情熱を持っていたりと、キャラクター性を両面で持っている不思議な人。どこか相反するような2つの性格をうまくひとつのキャラクターとして演じることができたらなと思って演じています。

◆永野さんのインタビューで、スタートアップ企業の方と勉強会をした時に、西島さんが「ずっと作業をしている時に何か食べるものはあるんですか?」と質問していたことが印象的だったとお話しされていました。実際に西島さんが役へのアプローチをされる時、日頃から心掛けていることや、決めていることがあったら教えてください。

もちろん考え方や大事にしていることも聞くんですが、意外と「何を食べていますか?」という質問から見えてくるものがあります。僕は甘いものが好きで現場でよく食べているんですけど(笑)。好きなものについて聞くことに興味があって。「このお菓子が好きです」「なんでこのお菓子なんですか?」「なるほど地方によく行くからお土産で買ってくるんですね」とか、「フレキシブルな環境で働いているから、この食べ物になるんですね」と、いろいろなものが見えてきて。細部を聞くことを大事にしているという感じでもないです(笑)。

◆スタートアップ企業の方との勉強会で、どんなことが見えてきましたか?

机周りを見せていただきたいとお願いしたら、フリーアドレス(デスクの位置が固定されないこと)で仕事をする場所が皆さん変わるということだったんです。なので、その中でもフリーアドレスなはずなのに動かないでいる人だったり、周りとはちょっと違う机の人を教えてくださいとお願いして、何人かの机周りを見せていただいて、写真を撮らせてもらいました。その中ですごく面白いものを飾っている人がいて、飾っている理由を聞いてみると、すごくすてきなエピソードだったので、その場で監督たちと共有して、ストーリーに取り入れることになりました。発見していただきたいので言えないんですが、小鳥にぴったりなITっていう最先端のことと、教育が不思議な混ざり方をしていたんです。今回取材をさせていただいて、僕の役もそうですし、ストーリーにも大きな影響をたくさんいただきました。

◆撮影が始まって1か月半ほどたちましたが、現場の雰囲気はいかがでしょうか?

すごく距離が縮まって、和気あいあいというか、本当にワイワイと撮っていますし、現場は若いスタッフが多いのでとにかくエネルギーがあるんです。最初の顔合わせの時に、監督が怒ったりしない現場にしましょうとみんなに言って。みんなが健康に自分の才能を出せる現場にしようという空気にあふれていて、スタッフも人数が多いのでシフト制というか、ちゃんとみんなが休める環境になっているし、風通しがいい気持ちのいい現場です。

『ユニコーンに乗って』©TBS/撮影:加藤春日

◆思い出深かった、印象的だった現場のエピソードはありますか?

ドリームポニーのメンバー全員がいるシーンはどのシーンもすごく印象深いです。(青山)テルマさんがアドリブをどんどんかましていって、それに前原(滉)君が巻き込まれつつも一生懸命うまくまとめてくれて、特殊なキャラを演じる坂東(龍汰)君は思い切り投げるという、それがうまいバランスでできていて、どのシーンも楽しいです。

◆一緒に演技をするのは久しぶりになる永野さんの座長ぶりはいかがでしょうか?

永野さんがいると現場がぱっと明るくなりますね。監督といろいろなことを話し合いながら、もっといいシーンにしていこうという意思をすごく感じています。本当に若くてすごくプレッシャーもあるでしょうけど、それを明るい力で撥ねのけていく、そういう才能を持っている方。これからどんどんスターになっていくだろうなと。

『ユニコーンに乗って』©TBS/撮影:加藤春日

◆杉野さんはいかがでしょうか?

杉野君は結構なクールな役が多いですが、本人の天然さが混ざってちょうどいい具合に冷たくなくなるんですよね。ちょっと不思議な言い方ですけど、なんかどこかかわいげがあるクールさ。今回の役もぴったりで、みんなハマり役なんですけど、その中でもすごくすてきに演じてらっしゃいますね。

◆坂東さんはいかがでしょうか?

坂東君はこの1年ぐらいよく共演していますね。毎回役のタイプが違っていて、でも坂東君が役に入り込んでいくタイプなので、今回も「また全然違う役だね」と驚きました。

◆前原さんは?

直接的な絡みはなかったんですけど、同じ作品に出演したことがあります。とにかく演技がうまいですし、それにプラスして、作品全体のために演技をする人なので、たぶんみんな頼りにしているんじゃないかな。全力でみんながキャラクターを演じられるのは前原君が全部受け止めてうまく回しているからだと思います。

◆青山さんはいかがですか?

テルマさんは本当に初めての連続ドラマ出演とは思えないぐらい、魅力の塊みたいな人。記者会見でもそうだし、現場にいてもそうだし、本番が始まってもそうだし、どこに行っても魅力にあふれていて、これからすごいオファーが来るだろうなというふうに思います。

『ユニコーンに乗って』©TBS/撮影:加藤春日

◆広末涼子さんと寺嶋眞秀君と一緒に山に行かれるシーンもありますが、お2人の印象はいかがでしょうか?

眞秀君は子供らしい子供で、すごく真っすぐ。演技にも、虫取りにも真っすぐ向かうっていう。山で撮影した時に、水切りをやっていたら、川の石がなくなるからやめなって思うぐらいズボンのポケットにいっぱいいい形の石を集めて、「こんなに見つけた」と言ってきたり。その石を使って空き時間に投げていたんですけど、どんどんうまくなっていくんですよ。そういったところが子供らしくてすごく好きですね。広末さんは何度かご一緒しているんですが、会うたびに女優としてもそうですし、1人の人間として、経験を重ねて、いろんなことを感じて生きて、それを表現されているんだなと。なので毎回会うたびに経験を経たすてきな魅力みたいなものを感じています。

『ユニコーンに乗って』©TBS/撮影:加藤春日

◆劇中でもスタートアップ企業と大手企業とのギャップや、ジェネレーションギャップがありますが、最近西島さんが感じたジェネレーションギャップだったり、新しい発見はありますか?

僕は単純にSNSを一切やらないので、「もうやってくださいよ」って言われるし、なんなら「そのまんまやらないでもらいたい」とも言われるし、そういうギャップはありますね。皆さんには連絡しにくいなと迷惑は掛けていると思います。

◆自分が若かったころと、若い世代の俳優さんたちの印象はどうでしょうか?

みんな若いと言ってもベテランなんです。演技に対する考え方や表現したいことをすごくしっかり持っていて、それを監督やスタッフとディスカッションをしながら作り上げているという感じなので、ジェネレーションっていうよりは単純に僕はデビューが遅かったので、僕のキャリアとは全く違います。そして、何よりも皆さんすてき。現場で見ていてもそうですけが、出来上がった映像を見ても、若いキャストが役の中で悩んだり、楽しく過ごしたり、居酒屋の飲むシーンでわーって盛り上がってたり。2話でも居酒屋のシーンが出てくるんですが、「このまま飲みたいな」というくらい、みんな楽しくなっていましたね。

◆大人の青春がこのドラマのテーマですが、最近大人になってから青春を感じた瞬間はありますか?

クワガタや虫が好きな人たちの集まりに呼んでいただいて行ったんですけど、20歳の人がリーダーだったんです。その集まりには僕より年上の人もいて、でも好きなもののグループだから別にその人の年齢とかも関係ないし、ただ好きだからこうやってみんなで網とライトを持って虫を見に行くっていうのが、青春とまでは言わないけど、好きなものには年齢はあまり関係ないんだなって思いました。ちょっと話はずれるかもしれないですが、年齢問わず好きなもので集まったり、みんなでその好きなことに向かっていくというのは楽しいものですね。

◆最後に本作の見どころを教えてください。

ドリームポニーという会社がちょっと伸び悩んでいるところから、佐奈が自分は何がやりたかったかっていうことだったり、なんでこの仕事を始めたのかってことを思い出して、新しいアイデアでもう一回大きな夢に向かって進んでいくっていうのが2話からスタートします。これから起こってくるいろいろな困難をどうやってみんなが乗り越えていくのか見ていただきたいです。

『ユニコーンに乗って』©TBS/撮影:加藤春日

PROFILE

西島秀俊
●にしじま・ひでとし…1971年3月29日生まれ。東京都出身。A型。

番組情報

火曜ドラマ『ユニコーンに乗って』
TBS系
毎週火曜 午後10時~10時57分

第2話あらすじ

元銀行員の小鳥(西島秀俊)と、天才エンジニアの現役大学生・海斗(坂東龍汰)を仲間に加えた新生「ドリームポニー」。CEOの佐奈(永野芽郁)は早速ネットの仮想空間に誰もが無料で通えるバーチャルスクール「スタディーポニーキャンパス」を作るという新たな目標を設定! 実現に向けて、まずは現在のアプリを大幅リニューアルすることに。

佐奈は開発のための資金獲得に奔走するが、ベンチャーキャピタルの担当・白金(山口貴也)から、追加投資の条件として20万人の新規ユーザー獲得を提示されてしまう。てんやわんやな状況で焦りも募る中、IT用語に疎く、社内チャットも使いこなせないアナログ人間の小鳥は、小さなトラブルを連発! そんな小鳥に佐奈はついイライラ……

そんな中、須崎(杉野遥亮)は、短期間でユーザーを増やすべく、元カノのインフルエンサー・凛花(石川恋)の協力を仰ぐことに。一方の小鳥は、一人ひとりのユーザーに向けて商業施設でのアプリの体験会を提案。そのアナログな施策に疑問を抱く佐奈だったが…。

この記事の写真

©TBS/撮影:加藤春日

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