愛美インタビュー「もうすべてを見せてしまってもいいかなって(笑)。それでも受け止めてくれるファンの方がいるのはすごく幸せなこと」ニューアルバム「AIMI SOUND」

特集・インタビュー
2022年07月12日

ニューアルバム「AIMI SOUND」愛美インタビュー

◆今回のアルバムに収録されている「不完全ドリーマー」も愛美さんが作詞されていますが、声優アーティストでここまで自分のことをリアルに歌詞にする人は珍しいと思います。

私は新しく出会った人には笑顔の印象が強いみたいなんですが、ずっと応援してくれているファンの方には泣いている姿を見せてしまったこともあったんです。一時期“闇ポエム”を書くのにハマっていて、ある番組の中の“そのとき感じたことをポエムにする”というコーナーで2年間ぐらい闇ポエムを創作し続けたこともよかったかもしれないです。YouTubeで自分は短所だと思っていることを打ち明けても、ファンの皆さんは喜んでくれる。そこで“ファンの方たちは受け入れてくれるんだ”という安心感が生まれて、それがどんどん蓄積されていったことで、私もここまで自分をさらけ出した歌詞が書けるようになったんだと思います。

◆しかも、その「不完全ドリーマー」がアルバムのリード曲というのも面白いです。

声優として10年以上やってきて、30歳にもなったし、もうすべてを見せてしまってもいいかなって(笑)。これまでの活動で“全部がうまくいくわけじゃない”という部分もファンの方は見てくれていたと思いますし。ただ、この歌詞を10代のときに書いたとしても、聴いた人にあまり刺さらなかったんじゃないかなと。今の愛美が書いたからこそ、より皆さんに受け取ってもらえるんじゃないかと思っています。

◆実際、この曲の歌詞にはどういった思いが込められているんですか?

これはElements Gardenの上松(範康)さんが曲を作ってくださったんですが、上松さんと愛美というと『BanG Dream!』という作品を思い浮かべる人が多いんじゃないかと思って。そこからヒントを得て、“BanG Dream!”→“Dream”→“夢”ときて、“そうだ、夢追い人をテーマにしよう!”と思ったんです。

◆そこまではすごくポジティブな印象を受けますが…。

夢を追いかけるって大変なこともあるし、頑張ったからといって必ずしも報われるわけではないんですよね。いろいろな活動をする中で、そうした現実を目の当たりにしてきて。そんな中、精一杯やってきたらこうして再スタートできたし、いろいろな舞台にも立たせてもらっている。性格的に「努力は必ず報われる」と言い切ることはできないけど、続けてきたからこそ今があるのは間違いないので、それがみんなに伝わって、少しでも勇気を出してもらえたらいいなと思っています。これまで、めちゃくちゃ悔しいことも、“もうダメかも…”と思ったこともたくさんありましたけど、それでも私は今ここにいて、自分をさらけ出しても受け止めてくれるファンの方がいるのはすごく幸せなことだし、やってきてよかったなと心から思っています。

ニューアルバム「AIMI SOUND」愛美インタビュー

◆3曲目に収録されている、大石昌良さん作詞・作曲の「かかった魔法はアマノジャク」は、大石さんらしいキャッチーなナンバーです。

私の性格があまのじゃくなところも素敵な歌詞にしていただいて、“どこまで見透かされてるんだろう!?”と思いました(笑)。この曲は、自分で聞き返しても“なんでこんなに不貞腐れて歌ってるんだろう!?”と思うような歌い方をしていて、歌い方にも私のあまのじゃくが表れているようで面白いです(笑)。

◆5曲目、uno blaqloさん作曲の「フリクホリカ」もカッコいい曲ですね。

実は、この曲は「ReSTARTING!!」のころにデモを聞かせてもらって“いつか歌いたい!”と思って温めていた曲なんです。最初にメロディーを聞いたときから言葉遊びをしたら楽しそうな曲だなと思っていたので、作詞ではたくさん言葉遊びをしました。歌い方もほかの曲とかなり違うので、これまで見たことのない愛美を見てもらえるんじゃないかと思います。

◆この曲はブラックミュージックのようなグルーブが魅力的です。

今回のアルバムはいろいろなタイプの曲を歌ったので、すごく勉強になりました。「フリクホリカ」は、まさにグルーブやリズムを強く意識した曲。バックの音数が少ない分、より繊細なニュアンスを聞き取っていただけそうだなと思って。今回、大石さんの「かかった魔法はアマノジャク」と、DECO*27さんに作っていただいた「ドレス」のレコーディングでは、それぞれご本人がディレクションしてくださったんです。いろいろな引き出しにチャレンジさせてもらったので、めちゃめちゃ勉強になりました。お2人に「いいテイクが録れました!」と言っていただくと、安心できたし、うれしかったです。全部の曲が印象深いですが、直接ディレクションしていただいたこともあって、大石さんとDECO*27さんのレコーディングは特に思い出に残っています。

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