2021年4月にアーティスト活動を再始動させた声優の愛美さんが、7月13日(水)にニューアルバム「AIMI SOUND」をリリース。歌を愛し、真摯に音楽に取り組む愛美さんに、今回のアルバム制作でこだわったポイントや、10月から開催される初のソロライブツアーに向けた現在の心境を語ってもらいました。
◆7月13日にニューアルバム「AIMI SOUND」がリリースされます。制作を始める際、どんなアルバムにしたいと考えていたのでしょうか?
私自身エンターテインメントが大好きということもあって、ファンの方に楽しんでもらえるものにできたらいいなという気持ちが一番にありました。あと、これまで声優の仕事を通じて出会ったアーティストの方々に楽曲提供をお願いしたいと提案しました。そうそうたるアーティストの方々だったんですが、オファーを受けていただけて本当によかったです!
◆音楽的にはどういうものにしたいと思っていたんですか?
バラエティに富んだアルバムにしたいと思いました。アーティストの皆さんに曲をお願いするときも、“この方にどういう楽曲を作ってもらったら楽しいものになるか”ということを考えるのも楽しかったです。1曲1曲、「こういうサウンドでお願いします」とか「歌詞はこういう感じでお願いします」とある程度方向性をお伝えして。その後は、アーティストの皆さんが最高の音楽にしてくださいました。
◆曲はバラエティに富んでいながら、全体的にはバンドサウンドで統一されている印象があります。
バンドサウンドは、アーティストとして再始動した「ReSTARTING!!」というシングルからずっとこだわっているところです。というのも、私の原点はBUMP OF CHICKENさんで、もともとバンドサウンドが大好きなんです。昨年7月にリリースした「カザニア」というシングルのカップリング曲になっていた「瞬間SummerDay!」という曲が、今回のアルバムでは“AIMI SOUND Ver.”で収録されています。なにが違うかというと、もともとは打ち込みだったドラムが生のドラムになっていたり、コーラスのバランスやミックスを変えてみたり、よりサウンドにこだわったバージョンで収録しているので、ぜひ原曲と聴き比べてみてください!
◆先ほども話に出たように、愛美さんはしばらくソロでの音楽活動をお休みして、昨年活動を再開させました。お休みしている間に音楽に対する考え方に変化はありましたか?
めちゃめちゃ変わりました! デビュー当時は“アニソンが歌えるだけで幸せ!!”という感じだったんですけど、今の愛美はやりたい音楽が見つかったような気がしています。声優としていろいろな活動をさせていただく中でギターを弾くようになって、ギターが相棒のような存在になって…なので、ギターを大事にしたい気持ちがありましたし、幼いころから憧れていたバンドサウンドでギター&ボーカルとして挑戦したいというこだわりも芽生えました。あとは、いろんな作品でキャラソンやアニソンを歌わせていただいたことで、作詞の無限大の可能性に気づいたんです。言葉が持つパワーや面白さに惹かれて、ソロに再挑戦することが決まったときに、“絶対に作詞は力を込めてやりたい!”と思ったので、音楽を作る上での心構えからしてすごく変わったと思います。
◆作詞は以前からされていましたが、作詞に対する考え方も変わった?
変わりました。浮かんでくる言葉も違いますし、メロディーとフレーズの相性、母音のことなど、細部まで考えられるようになったかなと思います。
◆今回のアルバムに収録されている「不完全ドリーマー」も愛美さんが作詞されていますが、声優アーティストでここまで自分のことをリアルに歌詞にする人は珍しいと思います。
私は新しく出会った人には笑顔の印象が強いみたいなんですが、ずっと応援してくれているファンの方には泣いている姿を見せてしまったこともあったんです。一時期“闇ポエム”を書くのにハマっていて、ある番組の中の“そのとき感じたことをポエムにする”というコーナーで2年間ぐらい闇ポエムを創作し続けたこともよかったかもしれないです。YouTubeで自分は短所だと思っていることを打ち明けても、ファンの皆さんは喜んでくれる。そこで“ファンの方たちは受け入れてくれるんだ”という安心感が生まれて、それがどんどん蓄積されていったことで、私もここまで自分をさらけ出した歌詞が書けるようになったんだと思います。
◆しかも、その「不完全ドリーマー」がアルバムのリード曲というのも面白いです。
声優として10年以上やってきて、30歳にもなったし、もうすべてを見せてしまってもいいかなって(笑)。これまでの活動で“全部がうまくいくわけじゃない”という部分もファンの方は見てくれていたと思いますし。ただ、この歌詞を10代のときに書いたとしても、聴いた人にあまり刺さらなかったんじゃないかなと。今の愛美が書いたからこそ、より皆さんに受け取ってもらえるんじゃないかと思っています。
◆実際、この曲の歌詞にはどういった思いが込められているんですか?
これはElements Gardenの上松(範康)さんが曲を作ってくださったんですが、上松さんと愛美というと『BanG Dream!』という作品を思い浮かべる人が多いんじゃないかと思って。そこからヒントを得て、“BanG Dream!”→“Dream”→“夢”ときて、“そうだ、夢追い人をテーマにしよう!”と思ったんです。
◆そこまではすごくポジティブな印象を受けますが…。
夢を追いかけるって大変なこともあるし、頑張ったからといって必ずしも報われるわけではないんですよね。いろいろな活動をする中で、そうした現実を目の当たりにしてきて。そんな中、精一杯やってきたらこうして再スタートできたし、いろいろな舞台にも立たせてもらっている。性格的に「努力は必ず報われる」と言い切ることはできないけど、続けてきたからこそ今があるのは間違いないので、それがみんなに伝わって、少しでも勇気を出してもらえたらいいなと思っています。これまで、めちゃくちゃ悔しいことも、“もうダメかも…”と思ったこともたくさんありましたけど、それでも私は今ここにいて、自分をさらけ出しても受け止めてくれるファンの方がいるのはすごく幸せなことだし、やってきてよかったなと心から思っています。
◆3曲目に収録されている、大石昌良さん作詞・作曲の「かかった魔法はアマノジャク」は、大石さんらしいキャッチーなナンバーです。
私の性格があまのじゃくなところも素敵な歌詞にしていただいて、“どこまで見透かされてるんだろう!?”と思いました(笑)。この曲は、自分で聞き返しても“なんでこんなに不貞腐れて歌ってるんだろう!?”と思うような歌い方をしていて、歌い方にも私のあまのじゃくが表れているようで面白いです(笑)。
◆5曲目、uno blaqloさん作曲の「フリクホリカ」もカッコいい曲ですね。
実は、この曲は「ReSTARTING!!」のころにデモを聞かせてもらって“いつか歌いたい!”と思って温めていた曲なんです。最初にメロディーを聞いたときから言葉遊びをしたら楽しそうな曲だなと思っていたので、作詞ではたくさん言葉遊びをしました。歌い方もほかの曲とかなり違うので、これまで見たことのない愛美を見てもらえるんじゃないかと思います。
◆この曲はブラックミュージックのようなグルーブが魅力的です。
今回のアルバムはいろいろなタイプの曲を歌ったので、すごく勉強になりました。「フリクホリカ」は、まさにグルーブやリズムを強く意識した曲。バックの音数が少ない分、より繊細なニュアンスを聞き取っていただけそうだなと思って。今回、大石さんの「かかった魔法はアマノジャク」と、DECO*27さんに作っていただいた「ドレス」のレコーディングでは、それぞれご本人がディレクションしてくださったんです。いろいろな引き出しにチャレンジさせてもらったので、めちゃめちゃ勉強になりました。お2人に「いいテイクが録れました!」と言っていただくと、安心できたし、うれしかったです。全部の曲が印象深いですが、直接ディレクションしていただいたこともあって、大石さんとDECO*27さんのレコーディングは特に思い出に残っています。
◆ラストの「愛世界」のあとに、ボーナストラックとして愛美さんが作詞・作曲した「※おこめぞん」が収録されています。
「愛世界」は、早くライブで声が出せるようになって、みんなと一緒に歌いたい曲。かなりライブを意識して作った曲で、実はこの中に大好きなBUMP OF CHICKENさんへのリスペクトが入っているんです。気づいてくれた人がいたらうれしいです。そして今回、ボーナストラックの「※おこめぞん」で初めて自分で作曲にも挑戦しました! これまでも作詞はたくさんさせていただいていたんですが、ファンの方から「作曲はしないんですか?」という声をたくさんいただいて。自分では曲はプロの方に作っていただくほうがいいだろうなと思っていたんですが、「AIMI SOUND」というアルバムタイトルだし、素敵なアーティストの皆さんにお力を貸していただいたからこそ、愛美も新しい何かを生み出したいと思って。ただ、これだけのラインナップの中に入るような曲を作る自信はなかったので、ボーナストラックという形にさせてもらいました(笑)。あと、ボーナストラックにしたのはリスペクトしているBUMP OF CHICKENさんがやられている隠しトラックみたいにしたかったのもあるんです。なので、最初は曲名リストに表記するかどうかですごく迷ったんですけど、初の作曲ということもあり、ファンの方に事前に知っていただいたほうがいいんじゃないかということで、今回はボーナストラックとして明記させてもらいました。
◆初めての作曲作業はいかがでしたか?
思い浮かんだメロディーを打ち込んで、歌詞と一緒に送ったんですが、アレンジで素敵な曲に仕上げていただいてすごくうれしいです。まず最初にサビの歌詞とメロディーがひらめいて、それにつながるようにBメロ、Aメロ、イントロと考えていって。ほんとに手探りな感じでしたけど、思っていたよりはスムーズにできたかなと思います。
◆曲を作る段階で歌詞のテーマは決まっていたんですか?
決まっていました。やっぱり最初なので、自分が好きなものを歌詞にしたほうが曲も作りやすいかなということで、私は白米が好きなのでお米について書こうと(笑)。
◆お米に対する愛が伝わってくる曲ですが、ちなみに愛美さんが白米に一番合うと思うおかずは?
豚汁です! しょうが焼きと迷いますけど、最終的に豚汁に落ち着きました(笑)。
◆豚汁をおかずにご飯を食べる?
“豚汁はおかずなのか?”と思う部分がなくはないんですが、白米を食べるときに私はおかずと汁物が絶対に欲しくて。豚汁はおかずの要素も満たしているし、汁物の要素も満たしているハイブリッドな存在なんですよね(笑)。なので、私は豚汁最強説を推してます!
◆そして今回、初回限定盤TYPE-Lと初回限定盤TYPE-Sには、それぞれPhotoBook(写真集)が付いてきます。
ついに写真集を撮っちゃいました(笑)。実はこれまでひとりでビジュアルメインの作品を作ったことがなかったんです。
◆写真を撮られるのが苦手とか?
苦手というか、基本的に自分の見た目に自信がなくて、それにお金を出していただくのが申し訳ない気がしちゃって…。ただ、作曲と同じぐらい「写真集を出してください」というファンの方の声が多かったんですよ。今回はリスタート後初のアルバムということもありますし、“愛美のファンの方が見るんだったらいいかな”と思って、勇気を出して写真集を付けさせていただくことにしました。水着とまではいかないですけど、ファンのためならひと肌脱ごうと(笑)。
◆しかも、TYPE-LとTYPE-Sで写真集の内容が違うんですね。
TYPE-LのLはロングのLで、ロングヘアの写真。TYPE-SのSはショートのSで、こちらはショートヘアの写真になっています。ジャケット写真もロングヘアとショートヘアに分かれているんですけど、これ実は同じ日に撮ったんです。まずはスタジオに作ったセットでロングヘアの写真を撮って、髪を切ってもらっている間にスタッフさんがセットチェンジをしてくれて、そのままショートヘアで撮るということをして(笑)。ファンの方の中にもロング派の人とショート派の人がいるみたいなので、ぜひ自分の好きなほうをお求めていただければと思います♪
◆そして、10月から12月にかけて全国4か所を回るライブツアーも開催されます。ライブに向けた今の気持ちを聞かせてください。
ライブはすごくやりたいんですけど、私かなりの心配症なんです…(笑)。そこもあまのじゃくな感じで、皆さんにお会いしたい気持ちはすごくありながらも、“ちゃんとできるかな…?”という不安も拭えなくて。でも、昨年12月のライブは皆さんのおかげで大好評だったので、今回も大丈夫だと信じて準備していきます! 今回はこの「AIMI SOUND」を引っ提げてのツアーですからね。アルバムを、時間をかけてじっくり作った分、その間に成長した部分もあると思いますし、いろんなアイデアや引き出しも増えたので、それをうまくライブに生かせたらいいなと思ってます。
◆やはりギターは弾くわけですよね?
弾きます! あと、「フリクホリカ」はスタンドマイクでオシャレなダンスを踊ったらカッコいいんじゃないかとか、「愛世界」はアコースティックギターが合いそうだなとか、いろいろ考えているだけで楽しいですね。とにかく、できることは全部やって、みんなに楽しんでもらいたいという気持ちが一番にあります。でも、たぶんどの公演もめちゃめちゃ緊張していると思うので、会場に応援しに来てくれたらうれしいです!!
◆今回、TV LIFE webのインタビューに初登場ということで、テレビはよく見るほうですか?
バラエティ番組をよく見ます。『有吉の壁』とか『相席食堂』とか。お笑い芸人では、千鳥さんとジャルジャルさんが好きですね。
◆出身が関西(兵庫県)ということで、やはりお笑い好きなのでしょうか?
お笑いは大好きですね。子供のころから吉本新喜劇を見ていましたし。でも声優の仕事を始めてから、トークにおけるボケとツッコミの重要性に気づいて、改めて芸人さんってすごいなと思うようになったんです。
◆やっぱり関西の人と話すと、自然と関西弁になるもの?
自然に出るようになりました。上京してから何年かは、声優として標準語でしっかり話せないといけないということで、なるべく標準語でしゃべろうと頑張っていたんです。でも、あるときラジオで話すときはナチュラルであればあるほど面白いということに気づいて、最近はかなり素の関西弁でしゃべったりしています(笑)。
◆関西弁の印象があまりないので、ちょっと意外です。
そうですよね。声優のスクールに通っていたときに、友達に「関西弁でしゃべられるとイントネーションがうつるから、標準語でしゃべって!」と言われたのがすごく印象的で。それもあって、当時は標準語でしゃべろうと頑張っていたんです。
◆ところで、愛美さんはボケ、ツッコミのどちらなんですか?
自分ではかなりボケボケだと思うんですけど(笑)、まわりからは「ボケもツッコミも、どっちもいけるよね」と言われたりします。ボケたがりなところはあるんですけれど、ボケにもテクニックが必要なんだなと気づいて、日々学んでいるところです(笑)。ちょうど7月から放送が始まった『てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!』というお笑いを題材にしたアニメでツッコミ役を担当させていただいているんですが、それがなかなか難しくて…。アニメの『銀魂』を見てツッコミの勉強をしています(笑)。
PROFILE
愛美
●あいみ…12月25日生まれ。兵庫県出身。2010年、TVアニメ『探偵オペラ ミルキィホームズ』で声優デビュー。2011年にはアーティストデビューも果たし、2013年までにシングル5枚とアルバム1枚をリリース。2021年4月に、シングル「ReSTARTING!!」で再始動。2021年12月26日は東京・Zepp DiverCityでライブ「愛美 ONEMAN LIVE“AI Mean It!!”」を開催した。今年8月26日には「Animelo Summer Live 2022 -Sparkle-」にソロとして初参加、さいたまスーパーアリーナのステージに立つ。
リリース情報
ニューアルバム「AIMI SOUND」
2022年7月13日(水)発売
初回限定盤TYPE-L(CD+Blu-ray+PhotoBook):6800円(税込)
初回限定盤TYPE-S(CD+Blu-ray+PhotoBook):6800円(税込)
通常盤(CD ONLY):3300円(税込)
ライブ情報
「愛美 LIVE TOUR 2022 “AIMI SOUND”」
2022年10月22日(土)福岡・ももちパレス 大ホール
開場 午後5時/開演 午後6時
2022年11月3日(木・祝)愛知・刈谷市総合文化センター 大ホール
開場 午後5時/開演 午後6時
2022年12月10日(土)兵庫・神戸国際会館こくさいホール
開場 午後4時30分/開演 午後5時30分
2022年12月25日(日)東京・TOKYO DOME CITY HALL
開場 午後4時/開演 午後5時30分
料金:全席指定8800円(税込)
公式サイト:https://aimi.info/
公式Twitter: @aimi_sound
公式Instagram:@aimin_official
photo/TOMO(tweety) text/水上じろう(ファッシネイション)hair&make/小林麗子(do:t) styling/渕上カン
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