【インタビュー】映画「夏ノ日、君ノ声」で映画初主演!葉山奨之インタビュー

特集・インタビュー
2015年10月22日

連続テレビ小説『まれ』(NHK総合)ではヒロインの弟・一徹役を好演し、10月スタートのドラマ『釣りバカ日誌~新入社員 浜崎伝助~』(テレビ東京系)にも出演するなど現在人気急上昇中の葉山奨之さん。そんな葉山さんの初主演映画となる切ない純愛物語「夏ノ日、君ノ声」が10月24日(土)に公開される。難病によって耳が聞こえない少女と恋に落ちる高校生・哲夫を演じた葉山さんに、本作の撮影エピソードなどを語ってもらいました。

18歳の自分にしかできない演技ができました

――映画初主演、おめでとうございます! 主演が決まったときはどんな心境でしたか?

「まさか!」って感じでしたね。台本の1ページ目に自分の名前が挙がっているのを見て、「主演なんだ」と思い、頑張ろうって気持ちが強かったです。プレッシャーが大きかったので、そのプレッシャーを作品にぶつけようと思いました。

――役作りで意識した点はありますか?

ラブストーリーでもあるんですが、不良っぽい少年が普通の少年に変わるっていう物語でもあるので、役の切り替えをうまく見せられたらと思っていて。そのあたりを意識しました。

――役を切り替えるに当たって意識した点はなんですか?

表情をすごく大切にしていました。相手の表情を見て自分もそれに応える表情を、普段よりも素直にやってみようかなって。だから、この作品では18歳の自分にしかできない表現ができたのかなと思います。今同じ役を演じてもこういう芝居はできなかったと思います。感じたことを素直に表現するって本当に難しいですね。

――哲夫のシーンで気に入ってるところはどこですか?

けんかに巻き込まれて体がボロボロになりながら舞子(荒川ちか)の病室に向かうところは、カッコよく撮ってもらえたので、「ありがとうございます」って感じです(笑)。今までなかなかこういうシーンはなかったので…。ボロボロになりながらも会いに行くってカッコいいじゃないですか。

2人でキャッキャするシーンはニヤけちゃいました(笑)

(C)「夏ノ日、君ノ声」製作委員会

――ヒロイン・舞子を演じた荒川ちかさんの印象を教えてください。

最初は大人しいのかなって思っていたんですけど、実際は明るくてかわいらしい女の子だったので一緒にやっていて楽しかったですね。ちかちゃんは難病によって耳が聞こえない女の子を演じているんですが、難しそうな役でしたね。せりふがない分、感情を伝えるのが難しいので、僕もそれにどう芝居を合わせていくかを考えていました。撮影以外だと、ちかちゃんは僕よりもよくしゃべるんですよ。だから現場はすごく面白かったですね。ちかちゃんとはたわいもない話をしていました(笑)。

――本作では、お2人が純愛ラブストーリーに挑戦していますね。

やっぱ照れちゃいますね。現場でちょっと恥ずかしくなっちゃうときもあるんですけど、それを芝居に変えられたらいいなって思っていました。でも、海辺のシーンや2人でキャッキャしてるシーンはニヤけちゃいましたね(笑)。自転車の2人乗りなんかは普段やらないことだったので、恥ずかしかったです。でも、2人とも劇中でポイントとなる“あるシーン”の撮影になるといきなりしゃべらなくなるみたいで、それが面白いって周りのスタッフの方たちが言っていました(笑)。

――海辺のシーンはとても素敵でした。

あそこはほとんどアドリブなんですよ。カメラもすごく遠いところにありましたし。「自分たちの時間を大切にして“よーいスタート!”でカメラのほうに向かう」っていう演出で。5分ぐらいの長回しで撮ったんですけど、いいところを使っていただいたのかな、と。アドリブが長いので「次どうしよう」とは思いましたが、2人の空気感を大切にしようと思っていたので、そのときはかなり集中してやりました。

最近は友達とスーパー銭湯に行くことが多いです(笑)

(C)「夏ノ日、君ノ声」製作委員会

――葉山さんと哲夫の共通点や異なる部分を教えてください。

共通点は元気なところ! 哲夫も純粋なんですけど、僕も友達から「純粋だね」って言われるので、そこも似てるのかなって思っちゃったり(笑)。違う部分は哲夫のほうがしっかりしてるところ。哲夫のほうがちょっと大人な感じがしますね。哲夫は高校生にしてはすごく大人びてるので、そのあたりは自分と違うのかなって。高校時代の僕は今とあんまり変わらないですけど、僕は高校時代わりとわんぱくで元気だったと思います。男友達とわいわいしたり、バカやって騒いだり…。今よりもパワーがあった気がします。何でもできる気がしていて、「俺は無敵だ!」みたいなエネルギーがあり余っていました(笑)。でも最近は、友達の家に泊まりに行って朝まで騒ぐことは、なかなかできなくなりましたね。とりあえず「眠くなったら寝よう」って感じです(笑)。友達と会ってもスーパー銭湯みたいなリラックスするところしか行かないですし。まわりがもう成人しているので「ちゃんとしなきゃ」とか「頑張ろうぜ」って言いながら。

――高校時代の友人と今でも仲がいいっていいですね。

そうですね。その友達とは本当になんでも話せるので。

――お仕事の話もされるんですか?

するときもあります。「この作品どうだった?」って聞くと「よくなかった」って言われたりもしますね(笑)。生の意見が聞けるので、「あのシーンよかったよ。すごくグッときた」って言われるとうれしいです。映画とかで泣いたことがない友達に「泣いた」って言われると、「お前普段泣かないのに泣くんだな」ってツッコミを入れたり。その友達は『まれ』で泣いたみたいなんですけど、「まさかああなると思わなかった」って言われたので「だろ?俺も一生懸命やってんだよ」って言いました(笑)。「夏ノ日、君ノ声」も、公開したらとりあえず「観に来い!」って言いますね。

現場で台本は一切開きません!

(C)「夏ノ日、君ノ声」製作委員会

――映画にドラマに舞台と多忙ですが、せりふはどうやって覚えているのですか?

以前はせりふ覚えも大変で1週間ぐらい前から覚えたりしてたんですけど、わりと最近は台本もらって2回目に読むあたりからだんだん覚えられるようになりました。慣れなのかは分からないんですが、すぐ入るようになってきたんです。この前、現場で同年代の俳優とそういう話になったんですけど、「どうやってせりふ覚えてるの?」って聞かれて「僕、2回ぐらい読むと全部覚えちゃうんですよ」って言うと「天才かよ」「出たよ、こういうやつ」って皆から言われて(笑)。

――すごいですね! 現場でせりふを確認することもないのですか?

台本は持っていくんですが、現場では一切開かないんですね。「本当に大丈夫か」って思われたりしますが。台本の覚え方も人それぞれですが、僕は家に帰って「明日こういうシーン撮るのか」って台本をちょっと読んだらカーッと寝て…。せりふが飛ぶこともあるんですけど、そのシーンで感じたことを現場で素直に表現できたらいいなって思っているので、あまり「覚えよう!」って構えたりはしないですね。それがいいのか悪いのか分からないんですが(笑)。

――最後に、これから作品をご覧になる方へメッセージをお願いします!

この作品は本当に映像がキレイです。静岡で撮ったんですが、東京から近いところでこんなにキレイなところがあるのかとびっくりしました。この映画を観て海に行きたくなったら、ぜひ自分の大切な人と一緒に行ってもらいたいですね。この作品は老若男女問わず楽しめる映画なので、家族や恋人、友達などと一緒に観に行ってほしいです。本当にいい映画なので、ぜひご覧ください!

 

PROFILE

葉山奨之●はやま・しょうの…1995年12月19日生まれ。大阪府出身。O型。
朝の連続テレビ小説『まれ』(NHK総合)にヒロインの弟・一徹役として出演するなど、今注目の若手俳優。10月期のドラマ『釣りバカ日誌~新入社員 浜崎伝助~』(テレビ東京系)に出演しているほか、映画「流れ星が消えないうちに」(11月21日(土)公開)、長塚圭史が作・演出を手掛ける舞台『ツインズ』(12月6日(日)上演開始)など、今後も出演作が多数控えている。


作品情報

「夏ノ日、君ノ声」
10月24日(土)より角川シネマ新宿ほか公開

監督・脚本:神村友征
出演:葉山奨之、荒川ちか、古畑星夏、木乃江祐希、影山樹生弥、五十嵐健人、柾木玲弥、 大串有希、小菅雅乃、松本若菜、大口兼悟、永倉大輔、菊池麻衣子 ほか
主題歌:「君ノ風」N.O.B.U!!!
配給・宣伝:ユナイテッド エンタテインメント

【STORY】
高校2年生の哲夫(葉山)は、けんかで傷を負い入院し、偶然同じ病院に入院していた舞子(荒川)に出会う。難病を患っている影響で声が出せず耳に障害のある舞子に最初は戸惑う哲夫だが、筆談などで徐々に心を通わせていき、いつしか互いに恋心を抱くように。退院後も毎日会いに来ると約束した哲夫は、言葉通り毎日病院を訪れる。しかし、哲夫に思いを寄せる幼なじみのユカ(古畑)は2人の関係をよく思っておらず、舞子にひどい言葉を浴びせてしまう。

公式HP(http://natsunohi.united-ent.com/

(C)「夏ノ日、君ノ声」製作委員会

  

●text/金沢優里 hair & make/越智めぐみ(volonte) styling/本田博仁

 

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