赤楚衛二インタビュー「大庭は演じていて楽しくてしょうがない」『石子と羽男-そんなコトで訴えます?-』

特集・インタビュー
2022年09月09日
『石子と羽男-そんなコトで訴えます?-』©TBS

◆共演者から刺激を受けたことなどありますか?

全部が刺激です。例えば、全部台本通りやっているわけではなく、プラスアルファで有村さんの出す色、中村さんの色、そういうものが化学反応して、会話のテンポ感だったり、面白いものが広がっているような感じがするんです。また、(おいでやす)小田さんもさだ(まさし)さんも2人ともとてもユニーク。台本に書いてある言葉が自分の中から出てきたような、言葉一つひとつにリアリティがあって、染み込んでくるみたいな。勉強になります。

◆有村さんや中村さんのお芝居で、具体的にハッとさせられた部分や、アドリブで覚えていることはありますか?

有村さんも普通にしゃべっているだけで、石子先輩が目の前にいるような感覚になります。そして、何よりせりふがある時もそうなんですが、せりふがない時にハッとさせられるんです。今、こういうことで石子さんは悩んでるんだな、苦しんでいるんだなっていうのが、肌に直接感じます。依頼者さんが相談しに行った時に、毎回バシっと決めるところで、中村さんがちょっとギャグを入れるとこは、緩急のすごさを感じますね。シーンで言うと、「僕、告白しました」というシーンがあるんですが、その後に「うん」っていうひと言があったんです。そのひと言でも中村さんは毎テイク、ふって笑って「うん」、普通に「うん」、「うん」って言わないといった、「うん」っていうひと言だけで、いろいろな表現をされていました。やっていて、僕は正解を求めがちなんですが、中村さんのアプローチの多さに、感化されました。

◆有村さん、中村さんのそういった変化があるお芝居を受けて、ご自身のお芝居も変わった場面もありましたか?

変わりっぱなしですね。やっぱり、自分が持っていったものだけでは成立できないですし。1回こうやってみようと思っても、現場に入ってみたら違うよなっていうのもあったりするので、あまり固めずにいきたいなと思っています。

◆休憩時間にはどんなことを話されていますか?

主に中村さんが大庭の真似をして、笑わせてくれます。例えば、次のシーンの前に読み合わせをする時間があって、僕が見ていると、中村さんが大庭のところもやってくれるんです。その大庭がすごく、「俺、こんなキャラだっけ?」っていうぐらいキャラを変えて演じてくれたり(笑)。有村さんとは、健康、本、漫画、映画の話だったり、中村さんとはスポーツの話をすることもあります。

◆中村さんの大庭はどんな感じなのでしょうか?

めちゃくちゃデフォルメしてると思いたいです(笑)。「僕、こんな感じですか?」と、中村さんに尋ねると「もう、やっちゃってるよ」って言われるんです。でも、有村さんは、「いやいや、デフォルメしてるよ」って言ってくれるので、ぶっ飛んだ大庭をやってくれています。

◆大庭は羽男に対して、恋のライバルのような意識は持っているのでしょうか?

恋愛が絡んだライバルというよりは、 1話で僕は助けてもらっているので、羽男さんは恩人。少し変わっているところもあるけれど、尊敬する先生だなっていう認識は変わらず持っています。なので、石子先輩を取られるんじゃないかって言うよりも、仲間に入れてない、自分の力不足みたいなところが表現できたらと。2人はちゃんと仕事できているのに、自分は何もできてないっていうところのコンプレックスを考えました。

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