現在放送中のドラマ特区『少年のアビス』(MBS 毎週木曜 深夜0時59分/tvk 毎週木曜 午後11時ほか)に出演する松井玲奈さんにインタビュー。役作りについてや、乃木坂46で一緒だった北野日奈子さんら共演者とのエピソードを聞きました。
本作は閉塞感が漂う田舎町という小さな世界の中で、行き場がない少年と、その家族、幼なじみ、教師ら強烈な個性を放つ登場人物たちのスーサイドラブストーリー。
松井さんが演じるのは、荒木飛羽さん演じる令児の担任で、生徒たちから“柴ちゃん先生”と呼ばれている柴沢由里。令児とナギ(北野日奈子)の心中を止めた日を境に感情を爆発させる。
◆原作を読んでみていかがでしたか?
原作を読めば読むほど、こんなに面白いキャラクターはいないと言いますか。この役を今やらずして、いつやるんだ、もう二度と出会えないかもしれないと思わせてくれるくらい柴ちゃん先生はとても魅力的なキャラクターでした。自分自身も学生時代に、この場所から出ていきたいみたいな感覚や、少しダウナーな気持ちになることがあったので、主人公の令児が感じている息苦しさみたいなものに共感できました。
◆柴ちゃん先生を演じるに当たって、意識されたことはありますか?
柴ちゃん先生のことを調べれば、調べるほど、原作ファンの方たちが柴ちゃん先生を好きだっていうのが出てきました。なので、できるだけ漫画に寄せながら、漫画から受け取れる柴ちゃん先生のトリッキーさや良さをちゃんと自分の中に落とし込んで、自分が演じる意味も作っていかなきゃいけないという部分は難しく…。精神をすり減らしながらも柴ちゃん先生を演じることを楽しんでいました。
◆9月8日放送の第2話で、柴ちゃん先生が令児にキスをするシーンがありました。今後、先生と生徒の禁断の愛も描かれていきますが、撮影時のエピソードを教えてください。
このシーンの撮影は結構序盤だったので、令児を演じている荒木君との距離感が難しかったです。距離感を縮めてしまうと、お互いやりづらいのかなと思ったので、荒木君とはあまりコミュニケーションを取らずに、ある意味、本当の先生と生徒のような距離感でお芝居をしました。ふとした瞬間に見せる荒木君演じる令児のまなざしが強いので、私自身、演じている時にドキリとする瞬間もあったり、心を動かされるタイミングが何度もありました。
◆荒木さんと初共演ですが、印象はいかがですか?
最初は本当にお話をしないようにしていたので、 すごく令児っぽい物静かな子だなという印象でした。ただ、日を重ねていくごとに荒木君の無邪気さや明るさが、撮影してない時にたくさん出ていて、役との切り替えができるのがすごいなと思って見ていました。私は、柴ちゃん先生を演じるに当たって、日常から役を引きずりながら生活をしていたので、うらやましいなと。
◆どのような感じで柴ちゃん先生が日常生活でも出ていたのでしょうか?
柴ちゃん先生が出ちゃったというよりも、役のもつ重苦しい空気感をまとっていた感じです。彼女が誰にも言わずに隠していた胸の内を自分の口から出す時には、深くて暗いものを持った精神状態でいないと、すぐにはその雰囲気が出せない気がして。その重苦しい気持ちをずっと引きずっていたなという感覚がありました。