「映画デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ!」が、2022年9月23日(金・祝)に全国公開される。放送中のテレビアニメ『デリシャスパーティ♡プリキュア』(ABCテレビ・テレビ朝日系 毎週日曜 午前8時30分)の映画で、舞台は“お子さまランチ”のテーマパーク<ドリーミア>。何でもあそび放題&たべ放題の<ドリーミア>を和実ゆいたちが思い切り楽しんでいると、園内で異変が発生。キュアプレシャスに変身して立ち向かうゆいと、ペアのエナジー妖精、コメコメが起こす奇跡を描く。ゆいを演じる菱川花菜さんと、コメコメを演じる高森奈津美さんに、映画の見どころやお子さまランチの思い出などを聞きました。
◆映画のシナリオを読んだときのお気持ちをお聞かせください。
菱川:切ないけれど、すてきな物語だと思いました。『デリシャスパーティ♡プリキュア』(以下、『デパプリ』)って、笑顔を守りたい、笑顔をシェアしたいということを伝える作品だと思うんです。私も毎週見る度に、おなかいっぱいになったような気分で幸せな気持ちになります。ただ、今回の映画でシェアするのは笑顔だけじゃない。それが衝撃的でしたが、分かり合うために共有するのは笑顔だけじゃないんだなと、テレビアニメとは違う気づきがありました。『デパプリ』からまた大事なことを教えてもらった気がします。
高森:映画でコメコメにこんなにもスポットが当たるなんて思ってもいなかったので、演じる身としてまずは驚きました。テレビアニメの1話でゆいちゃんと出会ったとき、コメコメが抱いた感情は「憧れ」だったんです。それをピックアップしてもらえたのが何だかうれしかったですね。コメコメはゆいちゃんみたいなヒーローになりたいと思っています。その感情は、「物理的に強くなりたい」という面が大きかったのですが、映画では初めてくらいに、感情面での支えができる人がヒーローなのかもしれないという気付きを得るんです。なので、コメコメの「憧れ」の気持ちに1つの整理がつく物語という気もしました。
◆アフレコはいかがでしたか?
菱川:コメコメと同じく、ゆいちゃんもテレビアニメとは異なる表情を見せるので、そこを表現するのが難しかったです。ゆいちゃんって、悲しんでいても自分一人で前を向ける逆境を乗り越える力を持っていると思うんです。だから、悲しい場面でもゆいちゃんはそんなに寂しそうな声は出さないだろうと思っていたのですが、座古明史監督からは「もっと悲しんでください」というディレクションを受けました。ゆいちゃんだって、一人ではどうしようもないときがあるんです。そうは分かっていてもどう演じればいいのか悩んでしまい、何度も録り直しました。テレビアニメのゆいちゃんからは想像できないような感情を出したので、驚く方もいらっしゃるかもしれません。
高森:私は「テレビアニメよりもコミカルに演じてください」と最初に言われました。妖精陣はテレビアニメではやらない度合いのリアクションやアドリブを取り入れているので、それが映画ならではのお祭り感、非日常感の演出につながっていればいいなと思っています。演じる身としても楽しかったですね。また、コメコメのせりふの中で、ここは母性を出しているんじゃないかと思う部分があったんです。その感じたままを表現したら、OKをいただけました。『デパプリ』が持っているヒーロー性には「母性」も含まれていると私は思っているので、コメコメの気持ちがこもったあの言葉が印象的でした。
◆菱川さんにとって、『デパプリ』は初主演作品。現場で学ぶことも多いと思いますが、ここまで演じてきて成長できたと感じる部分はありますか?
菱川:自分自身の成長ってなかなか気付けないのですが、1話のころと比べるとリラックスして演じられるようになったと思います。最初はガチガチに緊張してしまって、どうしたらいいか分からずちょこんと座って、出番がきたら演じるという感じでしたが、最近は「こうしてみたら面白いんじゃないか」と考えられるようになりました。ただ、「これができるようになった」と思っても、また新しい壁にぶつかるんです。次々に課題が出てくるので、芝居の道に終わりは見えないですね。
◆声優の先輩である高森さんは、菱川さんの声優としての魅力がどこにあると感じていますか?
高森:まず、もう緊張していないメンタルがすごいと今思いました。強者です(笑)。
菱川:メンタルは鍛えられていると思います!
高森:すごいね(笑)。ご時世柄もあって普段のアフレコで花菜ちゃんと一緒になることが少ないのですが、最初に声を聞いたときは素晴らしい主役声だなと感動しました。
菱川:ありがとうございます!
高森:花菜ちゃんのまだ技術が備わっていない、真っ白な状態だからこそ出せる声は、瑞々しくて唯一無二だと思います。
◆今だからこそできる芝居もあると?
高森:そうだと思います。今の花菜ちゃんだから表現できるゆいちゃんがあると思います。だからこそ、10年後のゆいちゃんを花菜ちゃんがどう演じるのかも楽しみ。「あらあら、すっかり玄人になっちゃって。すごいじゃん」と言いたいですね(笑)。
菱川:その言葉を心に刻んで、これからも声優として頑張っていきます!
◆映画オリジナルキャラクターとなるドリーミアの園長、ケットシーを演じる花江夏樹さんとも一緒に収録されたとお聞きしました。
菱川:私が何度もリテイクを出したシーンがあったのですが、花江さんは嫌な顔せず付き合ってくださいました。恩を感じています。花江さんのお芝居からはケットシーの感情をひしひしと感じて、私も芝居に熱が入りました。花江さんの迫力に私も負けない! と思いながら、より気持ちを乗せてアフレコができたと思います。
高森:花江君がどういう芝居でくるのか楽しみにしていましたが、第一声を聞いた瞬間、「さすがです」とうなりました。ケットシーはとても繊細なキャラクターですが、その感情の機微を丁寧に表現していて、緩急もすごかったです。
◆今作は「お子さまランチ」がキーワードの1つになっています。お二人は子どものころ、お子さまランチはお好きでしたか?
菱川:大好きでした。デザートやハンバーグ、旗など子どもが「わー!!」と喜ぶ要素がいっぱい詰まっていますよね。それでいて、ちゃんと野菜も取れますし。私、お子さまランチに刺さっている旗を洗わずに持ち帰ろうとして、「それは止めな」と言われたことがあるんです(笑)。でも、そうやって手元にずっと置いておきたいと思うくらい好きでした。
高森:子どものころにあまりお子さまランチを食べた記憶がないのですが、おもちゃが付いている子ども向けのお料理は好きでした。一緒についているおもちゃが欲しくて、よく連れて行ってもらった記憶があります。でも、お子さまランチの、あのワンプレートで仕上がっているかわいさっていいですよね。子どものころはそこまで良さが分かっていなかったかもしれません。今になってお子さまランチの良さがすごく分かってきて、うらやましいなと思うようになりました。
◆最後に、あらためて映画の見どころや推しポイントを教えてください。
高森:もしかすると、お子さんと大人の方々で感情移入するキャラクターや場面が違うかもしれません。それくらい、いろいろな視点から見ることができて、気づきのある映画です。“おいしいものを大好きな人と一緒に食べるのはすてきなこと”という、『デパプリ』の原点もあらためて気づかせてくれる物語でした。コメコメは映画の中で特別な姿になるのですが、それが本当にうれしくって。お子さんたちが喜んでくれるかな、どういう反応をしてくれるかな、とワクワクしています。公開が待ち遠しいです!
菱川:冒頭にも言いましたが、切ないけれどもすてきな映画です。それでいて、とにかくおいしそうなごはんが出てくるのも魅力です! プリキュアを演じる4人もアフレコ中はずっと「おいしそう」と言っていました(笑)。同時上映の短編映画では、他のシリーズのプリキュアも登場します。シリーズファンの方々も楽しめる作品になっていると思うので、ぜひ楽しみにしていてください。映画を見た後はおなかが空くと思うので、お子さまランチなどをいっぱい食べて、幸せになってくださいね!
PROFILE
菱川花菜
●ひしかわ・はな…5月19日生まれ。東京都出身。A型。2020年にデビューし、『デリシャスパーティ♡プリキュア』で初めて主役に抜擢された。その他の出演作は『ソードアート・オンライン アンリーシュ・ブレイディング』(シルヴィー役)など。
高森奈津美
●たかもり・なつみ…2月14日生まれ。山梨県出身。A型。主な出演作は『プリティーリズム・ディアマイフューチャー』(深山れいな役)、『五等分の花嫁』(上杉らいは役)、『終末のハーレム』(黒田・レイン・ちふゆ役)など。
作品情報
「映画デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ!」
2022年9月23日(金・祝)全国公開
配給:東映
(STAFF&CAST)
原作:東堂いづみ
監督:座古明史
脚本:田中 仁
音楽:寺田志保
総作画監督・キャラクターデザイン:松浦仁美
声の出演:菱川花菜、清水理沙、井口裕香、茅野愛衣、高森奈津美、日岡なつみ、半場友恵、前野智昭、内田雄馬、花江夏樹
同時上映「わたしだけのお子さまランチ」
監督・脚本:山元隼一
映画デリシャスパーティ♡プリキュア製作委員会:東映アニメーション 東映 ABCアニメーション バンダイ ADKエモーションズ マーベラス
(STORY)
ある日突然、おいしーなタウンに現れた“お子さまランチ”のテーマパーク<ドリーミア>。このテーマパークは、おむすびのタワーや、パンの観覧車、ラーメンのコースターなど食べ物モチーフにしたアトラクションがあり、あそび放題、たべ放題。和実ゆい(キュアプレシャス)たちもそんな<ドリーミア>で思いっきり楽しむが、園内で異変が起きて……。
●photo/中村 功 text/M.TOKU
©2022 映画デリシャスパーティ♡プリキュア製作委員会