鈴木伸之が現在放送中の主演ドラマ『自転車屋さんの高橋くん』(テレビ東京系 毎週木曜 深夜0時30分~1時ほか)のエンディングテーマ「フタリノリ」を配信リリースし、歌手デビュー。音楽活動への思いを語ったオフィシャルインタビューが到着した。
◆2010年の「VOCAL BATTLE AUDITION 2」への挑戦から12年、満を持しての歌手デビューとなります。とはいえ俳優業の一環として、これまでも歌唱する機会がありましたよね?
そうですね。2018年に劇団EXILE総出演の映画「jam」を撮らせていただいて、昨年には続編となるドラマ『JAM -the drama-』(ABEMA)が配信されたんですが、その作中で挿入歌の「君のすべてに僕はなる」をギター弾き語りで披露したのが初でした。あとは今年の頭まで上演していた舞台「JAM-ザ・リサイタル-」でも、何曲かカバー曲を歌わせていただいて。その流れで「ドラマ『自転車屋さんの高橋くん』のエンディングを歌いませんか?」というお話をいただきましたね。唐突に決まったアーティストデビューだったので、お話をうかがったときは驚きもありましたけど、自分の主演作でのデビューという素晴らしいタイミングですし、新しいことに挑戦する良い機会をいただけて本当に感謝しています。
◆いつかは本格的に歌の仕事もやっていきたいという想いもあったのでしょうか。
お芝居はもちろん好きですが、音楽もすごく好きなので、いずれチャレンジしたいなとは思っていました。ただ、なかなかそういう機会もなかったですし、「果たして自分に音楽ができるのかな?」っていう気持ちもあって、今までは俳優業をメインに活動してきました。それが今回、僕が主演を務める『自転車屋さんの高橋くん』の世界観に寄り添って、Tani Yuukiさんがすごくすてきな楽曲を書いてくださったことで、自信をもらえたというか。この曲だったら気持ちを込めて歌えるだろうなと、アーティストとして歌う勇気をもらいました。
◆「フタリノリ」のデモを受け取ったときの第一印象は?
ドラマの撮影中にロケ先のホテルでデモを聴かせてもらったんですけど、実際にドラマの脚本や原作漫画を読んでから曲を作ってくださったそうで、まるで漫画の世界に入り込んだような歌詞だな、というのが第一印象でした。すごく丁寧に作ってくださったことが伝わってきて、うれしくなりましたね。なおかつ、縦のグルーヴと細かく韻を踏んだ歌詞にTaniさんの楽曲ならではの魅力も感じて。Taniさんが歌ってくださったデモや最近出された楽曲をたくさん聴き込んでいたので、なおさら「自分はどう歌おうかな?」と考えました。でも、エンジニアさんといろいろな表現を試しながら録っていった結果、自分らしい「フタリノリ」になったんじゃないかなと思います。レコーディングで特に苦戦したところは、後半部分かな。Dメロからは一気に言葉数が増えますし、落ちサビもあり、またすぐ転調してラストサビへと向かうので、歌うのが結構大変でした。
◆人生の起伏が明確に表れているのが、Dメロ以降の展開ですよね。
そうですね。ドラマも自転車屋さんの話ということで、Taniさんは「フタリノリ」というタイトルをつけてくださったと思うんですが、歌詞の内容は大切な人と歩む人生を描いていて。人生はうまくいったり、うまくいかなかったり、うれしいことがあったり、悲しいことがあったりするけど、そんなおぼつかない日々を一緒に過ごしていこうよ、という意味での“フタリノリ”なんだなと捉えて歌いました。サビもすごく良い歌詞ですよね。人生は遠回りや大回り、ときにはスタート地点に戻ることの連続ですけど、うまくいかない日々さえも包み込んでくれる感じがいいなって。
◆ドラマで演じている“自転車屋さんの高橋くん”に成り切って歌っている部分はあるんですか?
歌に関しては“高橋くんとして歌った”という感覚は一切なくて、あくまでも鈴木伸之として歌わせてもらいました。ただ、ドラマの本編では高橋くんとして存在しているので、この曲と役がリンクして聴こえる方もいると思いますし、そこは自由に受け取っていただけたら。ちょうどこの間、『自転車屋さんの高橋くん』のアフレコを行って、ドラマの映像を初めて見させていただいたんですけど、「フタリノリ」が流れてくるエンディングもすごく良いシーンになっているので、映像と共に歌が心にしみてくれたらいいなって思います。
◆配信に先駆け、YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」でも鈴木さんが歌う「フタリノリ」が公開になりました。撮影してみていかがでしたか?
いろんな方の「THE FIRST TAKE」を見て、心構えをしてから撮影に臨んだんですけど、正真正銘の一発録りで、めちゃくちゃ緊張しましたね。ご一緒したバンドの方々とはそこで初めて合わせたんですが、生演奏のパワーに圧倒されて、思わず泣きそうになりました。音源に収録されているオケのアレンジと「THE FIRST TAKE」のときのアレンジも違うし、一緒に演奏していて鳥肌が立ちました。
◆音源のレコーディングと「THE FIRST TAKE」の収録では、歌う際に意識するポイントも変わってくるんでしょうか?
全然違いました。そもそも1曲を頭から終わりまで一気に歌うのも、レコーディングではなかったことですからね。レコーディングでは1~2小節ずつ決め打ちするので、「ここはエッジボイスを入れる」とか「ビブラートをかける」といった細部まで意識して歌えるし、自分でも素直に「いいな」って思えるんですけど、「THE FIRST TAKE」は一発でツルッと歌うので、良さもあらも出やすいと思うんです。歌い手の生き様が出るというか。だから、歌い終わったときはホッとしたものの、後から「大丈夫だったかな?」「もっとこうすればよかったかも」って思い始めて(笑)。1回しかない本番で自分の良さを全て出し切ることの難しさを感じましたし、この緊張感や達成感はお芝居の現場では味わえないものだなと思いました。それと、この曲は同じ母音で韻を踏んで、縦のリズムをずっと保っている楽曲なので、歌がちょっとでも速くなったり遅くなったりすると聴こえ方が変わってきちゃうなと思って。「THE FIRST TAKE」では、レコーディング以上に正確なテンポで歌うことを心がけていました。
◆2016年の「HiGH&LOW THE LIVE」を開催したとき、デビューしたての青柳翔さんがドームの中心で「Maria」を歌われていましたよね。そういった大きいステージでのライブを想像することもありますか?
EXILE HIROさんとは、既に「曲がたまったらアリーナツアーもできたらうれしいです」という話もさせていただいていますけど…僕は一歩一歩やっていけたらいいかな(笑)。もちろんドームに立てたら最高ですし、それだけ多くの方の心を動かせるようなアーティストになりたいと思いますが、まずは『自転車屋さんの高橋くん』を見てくださる皆さんに、「この楽曲いいな」とか「この人の演技をもっと見たいな」って思ってもらえるように日々努力していきます。
◆最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。
30歳になり、新たな表現の場を与えていただいたので、この機会に僕の歌を聴いてくださった方や僕のお芝居を見てくださった方を、ちょっとでも励ませたり、勇気づけられる存在になりたいですし、今後はそういった楽曲をたくさんお届けできたらと思っています。そしてどこかのタイミングで、皆さんの前で直接歌を披露できたら幸せですね。『自転車屋さんの高橋くん』と合わせて、“アーティスト・鈴木伸之”の応援もよろしくお願いします。
リリース情報
鈴木伸之「フタリノリ」
配信中
作詞/作曲:Tani Yuuki
編曲:Tani Yuuki、Carlos K.
STREAMING & DOWNLOAD:https://smar.lnk.to/eR9e2v
鈴木伸之「フタリノリ」/THE FIRST TAKE:https://youtu.be/a5Rnm6E23fA
番組情報
『自転車屋さんの高橋くん』
テレビ東京系
毎週木曜 深夜0時30分~1時
BSテレ東/BSテレ東4K
毎週火曜 深夜0時~0時30分
出演:鈴木伸之 、内田理央、柾木玲弥、長井短、瀬口黎弥(FANTASTICS from EXILE TRIBE)、寺本莉緒、木村文哉、濱田マリ、斉木しげる
原作:松虫あられ「自転車屋さんの高橋くん」(リイド社刊)
脚本:北川亜矢子
監督:太田勇(テレビ東京)、八重樫風雅、山下久義
プロデューサー:太田勇(テレビ東京)、森永恭平(レプロエンタテインメント)、後藤和弘(isai)
企画協力:LDH JAPAN
制作:テレビ東京 / レプロエンタテインメント
制作協力:isai
©「自転車屋さんの高橋くん」製作委員会
Twitter:https://twitter.com/tx_takahashikun(@tx_takahashikun)
Instagram:https://www.instagram.com/tx_takahashikun/(@tx_takahashikun)
公式HP:https://www.tv-tokyo.co.jp/takahashikun/