秋元康が企画・原案を手掛けるよるおびドラマ『差出人は、誰ですか?』(TBSほか 毎週月曜~木曜 深夜0時40分~0時55分 ※一部地域を除く)。「SNS社会に生きる若者たち」をテーマに描く“青春ヒューマンミステリー”で、「手紙ゲーム」をきっかけにクラスメートの意外な素顔が明らかになっていく。幸澤沙良さん演じる桑鶴美月の幼なじみで、一ノ瀬斗也(藤原大祐)に思いを寄せる御手洗健を演じる駒木根葵汰さんに、共演者とのエピソードや見どころを聞きました。
◆台本を読んだ感想を教えてください。
オーディションでグランプリを取った女の子が、主演を演じるっていうことで、キラキラした作品なのかなと勝手に思っていたんですが、手紙ゲームっていうものを主軸において物語が進んでいくのがすごく新しいなと思いました。このデジタル化した現代だからこそ、皆さんに見てほしいなって思える作品だなと素直に感じました。
◆学園ものに出演願望があったそうですが、実際に出演されていかがですか?
ガッツリと学園ものをやるのが初めてで。僕が小さい頃に見ていた学園ものは、すごくキラキラしたものという印象があったんです。今回、こういう高校生のリアルを題材にしている本作は、演じる上でキャラクターとしても、物語としても、すごくやりがいを感じられているので、この作品でよかったと感じています。
◆人間関係がちゃんと見える作品ですよね。
そうですね。演じていても、楽しいことももちろんありますが、生きていく上で、高校生っていう年頃は何かを思ってもなかなか言えない時期だったりするじゃないですか。そういうことをリアルに感じて、それこそ出演者の中には現役の高校生もいるので、みんなに刺激を受けながら、等身大の高校生姿というものを見て、学びながら演じています。
◆共演の方たちとのエピソードを教えてください。
現場の中でヤングチームとアダルトチームがいるのですが、僕は櫻井海音君と三浦獠太君と一緒にアダルトチームの方に属しています(笑)。座るときに「あー」と声が出てしまったり、ふとした気を抜いた瞬間におじさん感が出てしまうみたいで、アダルトチームのみんなで気づいた人が「出ているよ」って言い合って。あとは何人かでスマホゲームで対戦したりして、撮影外の時も、皆さんと積極的に、コミュニケーションを取っていますね。
◆ヤングチームから受けた影響や、それが芝居の方に生きてきたことなどはありますか?
みんなTikTokをやっていて、今はやっていることを教えてもらって、ちょっとずつ理解していっています。僕はTikTokを入れていないですし、何がはやっているのか、アンテナを張らずに生きてきたので…。みんなから教わって、アドリブや台本に書かれていない空白の部分で結構役に立っています。
◆例えばどんなことでしょう?
メークについてですね。第2話(10月12日放送)にファミレスで女の子たちの化粧品で遊ぶシーンがあったんですけど、「これ、何?」というものばかりで、全然分からなくて。撮影の合間に女の子たちに、メークを教えてもらうっていう謎の時間がありました(笑)。
◆演じる健との共通点と、ここはあまり自分では理解できないなっていう部分があったら教えてください。
自分で言うのもなんですが、高校の時の人気者っていう部分は、少し似たようなところがあるのかなとは思います(笑)。それと部活でバスケをやっているのも、中学の時にバスケをやっていたので、そこは共通点ですね。ただ、僕には美月のような幼なじみっていう存在もいないですし、健は物事を俯瞰的に見ているのかなと思うんですが、僕が健と同じ高校生の頃は自分中心というか、自分が楽しければそれでいいというような感覚で生きてきたので、健は大人だなと思います。
◆健は大人っぽい?
自分自身は最近になって少しずつテンションが落ち着いてきて、 わりと周りを見られるようになってきたなと思っているので。演じる上で、すごく難しい部分が多かったですね。大きい秘密を抱えているという部分は、その秘密を自分自身がきちんと理解するまでに結構時間かかりましたし、今でも演じながら分からない部分もたくさんあります。そこは監督やキャストの皆さんといろいろお話しながら丁寧に作っています。普段は1か月ぐらい撮影していると、大体役柄のことがつかめてくるんですが、御手洗健はなかなかつかめたなという感触がなくて。ずっと向き合いながら生きています。
◆演じる上で、意識されていることはありますか?
特別意識はしていないです。台本を見て、「こうした方がいいかな」「ああした方がいいかな」と監督さんたちとお話しして作っています。美月との関係性に関しては、役作りというよりも、距離感を大事にしていて。幼なじみに見えるように、撮影の合間でも積極的に話しかけています。ただ、自分が人見知りだということを最近知って。沙良ちゃんに話しかけるまで結構時間かかりました(苦笑)。ただ沙良ちゃんが1回話せば、話しかけてくれるタイプだったので、すごく助けられました。
◆今回、幼なじみを演じられるということで幸澤さんとのシーンが多いと思いますが、幸澤さんの第一印象はいかがでしたか?
第一印象はめちゃくちゃ真面目で、生徒会長みたいな子だなと思いました。結構大変なスケジュールなんですが、沙良ちゃんは合間にスマホを見て、何かを書いているんですよ。何をしているのかなと見てみたら、オンライン授業をやっていたんです。主演ということでせりふ量も多いし、初めての現場だから、いろいろアタフタしちゃったり、大変なこともたくさんあると思うのですが、その中でもちゃんと自分の時間を見つけて勉強していて、すごく尊敬します。ただ最近は、僕のことを、落ち着いていて、首が長くて、顔が小さいからという理由で「亀に似ている」って言ってきたり(笑)。ツッコんだり、ボケたりして、そういったコミュニケーションが取れてきたので歳の差をちょっと感じなくなってきました。なので、2人のシーンのときは、本当の幼なじみのように変に気を遣わないでいられるようになりました。一緒のシーンはすごく安心します。空気感でお芝居ができるようになってきたので、やりやすくなってきましたね。だから、クラスのシーンは、ふと美月を見た時に、「ちゃんと美月になってる!」って感じますし、美月のことはよく見てしまいますね。
◆お芝居の面での成長とかはいかがでしょう?
すごく繊細だなと思ったのが、第24話(11月24日放送)の成田(櫻井)と馬場(窪塚愛流)のシーン。カメラが抜いているのは成田と馬場だけなのですが、沙良ちゃんは毎回泣いていたんです。そんな沙良ちゃんに「すごく繊細な子なんだな」「感情が豊かなんだな」と思いました。
◆印象に残っているシーンを教えてください。
第6話(10月18日放送)などで、美月に頭ポンポンするシーンですね。頭ポンポンはやってみて難しかったですし、海音君とか、(藤原)大祐たちが終わった後に毎回「葵汰君、またやったの?」と言ってくるんです。多分、焼きもちを焼いているんでしょうね(笑)、「俺もそういうことやりたかったな」っていう。なので、僕はもっともっともっと頭ポンポンして、みんなに焼きもちを焼いてほしいなって思います(笑)。あとは桃子(大平くるみ)との牧場でのキスシーンですね。すごく緊張感がありましたし、感情的な部分で難しかったですし、印象に残っています。
◆美月は健と同じ人に好意を持つというところで、健からすると、幼なじみであり、昔いじめから救ってくれた美月にどういう感情を抱いていたと思いますか?
すごくすてきな関係性ではありますよね。高校性で同じクラスになって、学校では幼なじみっていう関係じゃなく、ただのクラスメートとして接する関係性は、思春期っぽくてすごくリアル。好きな人に「あいつと仲いいんだな」って思われたくないからっていう美月が健に壁を作る理由にモヤモヤする感覚もあったんじゃないかな。ただ、なんでも言い合えた仲だったからこそ、同じ人を好きになったことを打ち明けるのはだいぶ勇気がいることだったんじゃないかなと。幼なじみっていう関係性であっても、きっと言えない人もたくさんいると思うし、そういった関係性を、自分としても役としても初めてだったので…。でも、健としては美月と一ノ瀬の恋を幼なじみとして応援したい気持ちもあって、いろいろ自分の気持ちを抱え込んでしまう部分があったのかなと思いますね。
◆本作の見どころを教えてください。
手紙ゲームによって、楽しかった高校生活がいろいろ動いていきます。高校生活の中で1人1人が抱えている問題というか、誰かに言いだせない自分の悩みというものが、手紙ゲームでどんどん明らかになっていって、物語が進んでいきます。キャラクターによっては、まだまだ表に出ていない部分もあると思うので、そういうものを見ていただき、何かを感じながら、ちゃんと言葉で伝える文化だったり、携帯を通してでは伝えられない気持ちっていうものを感じてもらえたらいいなと思います。
PROFILE
駒木根葵汰
●こまぎね・きいた…2000年1月30日生まれ。茨城県出身。O型。主な出演作は『機界戦隊ゼンカイジャー』『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(テレビ朝日系)など。
第8週(11月28日(月)~12月1日(木))あらすじ
桃子(大平くるみ)は、健(駒木根葵汰)とのこれまでの日々を思い出していた。男性不信の自分が唯一心を許せたのが健だったこと、自分から告白して付き合ったこと、そして健に「好きな人ができた」と言われてフラれたこと…。
その頃、彩花(大嵩愛花)に避けられているような気がして悩む美月(幸澤沙良)。成田(櫻井海音)から壁ドンされてあわやキスをされそうになったことを彩花に見られて、誤解されてしまったのかも…と、美月は不安を募らせていた。
一方、一ノ瀬(藤原大祐)は美月のことを思いながらも、なかなか気持ちを伝えられずにいた。
そんな中、文化祭のアフターパーティーで盛り上がる一同の元に、祐太郎(三浦獠太)宛てに新たな「手紙」が届き…。
番組情報
よるおびドラマ『差出人は、誰ですか?』
TBSほか ※一部地域を除く
毎週月曜~木曜 深夜0時40分~0時55分
毎週金曜 TBS公式YouTubeにて全話配信
<出演者>
桑鶴美月…幸澤沙良
成田育…櫻井海音
一ノ瀬斗也…藤原大祐
御手洗健…駒木根葵汰
馬場浩人…窪塚愛流
佐伯彩花…大嵩愛花
柊ひかり…馬越友梨
難波桃子…大平くるみ
諸祐太郎…三浦獠太
氏田誠二…野村康太
野木静香…那須ほほみ
原田…サイプレス上野
カズタ…さなり
小畑きみ…薄幸(納言)
桑鶴雅巳…金子昇
桑鶴夏樹…島田珠代(吉本新喜劇)
立花純太…柄本時生
企画・原案:秋元康
脚本:藤平久子、濱田真和、灯敦生
音楽:G.B.’s Band Produced by GeG(変態紳士クラブ)
プロデュース:橋本梓、佐久間晃嗣
演出:加藤亜季子、宮崎萌加、熊坂出、宮本秀光
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/sashidare_tbs/
公式Twitter:@sashidare_tbs
公式Instagram:sashidare_tbs
公式TikTok:sashidare_tbs
この記事の写真
©TBS/撮影:加藤春日