小池栄子インタビュー「まだまだ政子でいたかった」『鎌倉殿の13人』

特集・インタビュー
2022年12月07日
『鎌倉殿の13人』左から)北条義時(小栗旬)、政子(小池栄子) ©NHK

◆ところで、現場での感触と完成した作品とで印象が違うことはあるのでしょうか?

ありますあります! 例えば、私が泰時(坂口健太郎)の首をもんでいるシーンでボキボキ音が鳴っていて…このチームは時折、“うそだろ!?”っていう効果音をつけるんです(笑)。でも、編集する方も楽しんで作業されているんだなというのを感じられてうれしかったですね。いち視聴者として楽しかったですし。
あとは、クラシック音楽との融合もたくさん楽しめたので、これを機に私もそういった音楽を聴いてみたいなと思ったり、その音楽の意味みたいなものを考えてみたり。大河、そしてドラマはいろんな部署のみんなで力を合わせて作っている作品なんだなとあらためて感じました。

◆撮影に取り組んでいく中で、喜びを感じた瞬間はありましたか?

見てくださる皆さんに“政子”って呼んでいただいたときですね。もちろん好きも嫌いも含めてということにはなりますが、いずれにせよ自分の役がちゃんと世の中の皆さんの心に届いているんだというのがやっぱりうれしくて。ドラマにしてもバラエティにしても、実際にどういった方が見てくださっているのか、どういうふうに楽しんでくれているのかというのは私たちに伝わりづらいものでもあるので、それを感じることができるのは貴重でしたし、「政子様」「見てますよ」と直接顔を見て言われると、本当にその一言で“あの人が見てくれているんだから、来週も過酷なシーンだけど頑張ろう”と顔を思い出すんです。大きな反響を感じることができてありがたかったですし、1年半すごく楽しかったなと思いました。

◆本作を経て今、女優としてどんな展望がありますか?

大河ドラマのいいところの一つに、いろんな世代の役者さんと接することができるということがあると思うんですけど、先輩方と触れ合っていく中でやっぱり“気持ちの芝居”だけでは残れない仕事なんだろうなと思いました。残るためには努力であったり、その役を掘り下げていく中で生まれたしぐさやしゃべり方が必要で。もっと勉強しなければ10年後に役者として残っていられないなというのをすごく痛感しましたね。撮影を通して課題がたくさん見つかりましたし、演出の方からダメ出しもたくさん受けましたので、来年以降はどこかで見たような芝居じゃない“ニュー小池栄子”をお見せできたらと思います。

◆最後に、1218日(日)放送の最終回について教えてください。

台本を読んだときは衝撃でした。放心状態みたいになって何も言葉が出てこなくなり…怖くなってきちゃって。しかも、政子はどういう気持ちなんだろうと考えたときに、私とマネージャーさんで違う意見が出てきてしまって。ひとまず撮影までにはまとめたいなと思っていたんですけど、演出する監督に「“どうやろう”とかはあまり決めずに揺れ動いたままで、そのときに感じたことを演じてください」と言われて気が楽になったんです。それにしても、三谷さんはとんでもないものを書いてくれたなと。とにかく予想もしないような最終回だったので、いまだに撮影を思い出すと興奮します。早く視聴者の皆さんにも見ていただきたいですけど、その日は私も登壇するパブリックビューイングもあるので恐ろしいなとも思います(笑)。
そして、この『鎌倉殿の13人』は時を経ても色あせずに残っていく作品になったと思いますので、見逃した方にもぜひ機会があれば見ていただいて、どんどん広がっていったらいいなと思います。海外でも放送してほしいですね。

『鎌倉殿の13人』政子(小池栄子)©NHK

番組情報

大河ドラマ『鎌倉殿の13人』
NHK総合:毎週日曜 午後8時~8時45分
BSプレミアム/BS4K:毎週日曜 午後6時~6時45分

最終回:12月18日(日)※15分拡大

この記事の写真

©NHK

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