いよいよ12月12日(月)から最終週を迎える、よるおびドラマ『差出人は、誰ですか?』(TBSほか 毎週月曜~木曜 深夜0時40分~0時55分 ※一部地域を除く)。12月8日放送の第36話で、立花先生(柄本時生)が亡くなったことが分かり、2年D組が絶句するという衝撃の展開に。これまでも多くの注目を集めてきた本作で、初のドラマ出演にして主演を務めた幸澤沙良さんに、クランクアップ時の心境や最終週の見どころを聞きました。
◆クランクアップを迎えられたということですが、その時のお気持ちを教えてください。
すごく楽しかったですし、達成感があります。ですが、もっとこうすれば良かったなって思うところもあったので、悔しい気持ちもあって。そして、3か月一緒にやってきた共演者の方や、スタッフさんと離れることも寂しいなと思ってクランクアップ時は号泣しました。
◆どんなシーンで、クランクアップを迎えられたのでしょうか?
みんな違うシーンでクランクアップだったんですが、私は小畑先生(薄幸)との2人のシーンでした。その時、オーディションで一緒にやってきた3人(大嵩愛花、馬越友梨、大平くるみ)が駆け付けて来てくれましたし、藤原(大祐)さんはスタッフさんとテレビ電話をつないでくださって「お疲れ様」と言っていただきました。
◆大嵩さんたちとは何かお話をされましたか?
「ここのシーン、もっとこうしたらよかったね」と反省会をしました。スタッフさんたちからは「ここが良かったよ」と声をかけてもらいました。
◆本作を振り返って、一番印象に残っているシーンはどこでしょう?
第10週(12月12日から放送)で立花先生が手紙ゲームを始めた理由や目的が分かるのですが、台本を読む際、こういう理由だったんだっていうことを美月の視点で読みました。理由や目的が分かった時には感動して思わず号泣しました。
◆実際にそのシーンを撮影されていかがでしたか?
一番印象に残っているシーンでもあり、一番大変だったと思うシーンでした。作品の中でも大切なシーンなので、その分、泣くお芝居や、泣くのをこらえるお芝居があって大変でした。
◆そのシーンを乗り越えるために、意識されたことはありますか?
その撮影のときに泣く芝居について悩んでいたのですが、スタッフの方にいろいろ質問して、アドバイスをもらって。櫻井(海音)さんからもアドバイスをくださいました。
◆どんなアドバイスだったのでしょうか?
泣きの芝居のときに、カメラが向いてないときは、素直に相手の言葉や、その場の状況を受け入れて涙が出るのですが、カメラが自分のほうを向くと、どうしても緊張してしまって、集中できずに泣けませんでした。それを櫻井さんに相談したら、「自分にカメラが向いているときを1番正当な気持ちでお芝居ができるように、いろんな角度から撮るために何回も同じシーンは撮影するけど、それを毎回全部受け取ろうとしなくていいんだよ。自分の大切なシーンのときにちゃんと真正面から役とぶつかって、力を抜いていいところは抜いていいんだよ」と言っていただきました。
◆一番好きなシーンはどこでしょう?
彩花(大嵩)と仲直りするシーン。彩花とは全体を通して何回かけんかをしていて、その中で美月の成長も感じられるし、彩花とちゃんと親友になれたなと感じるところなので好きです。そして「美月、良かったね」と思いながら読んでいたので、撮影中も彩花が全部受け入れてくれるところは自分もうれしくなりました。
◆YouTubeで公開されているメイキングでも、和気あいあいとした現場だったことが伝わってきますが、皆さんと過ごした期間はいかがでしたか?
本当に楽しくて、実際に学校へ行っているような感覚でした。私が通っている学校の行事もコロナの影響でなくなってしまったんですが、このドラマの撮影を通して青春を取り戻しているなって思うぐらいすごく楽しかったです。
◆文化祭シーンでは、成田(櫻井)が美月に壁ドンするなど印象的なシーンもありましたね。
私自身、学校の文化祭がなくなってしまったのでやったことがなかったので、文化祭のシーンの撮影はとても楽しみでした。その壁ドンも人生初だったので、すごく緊張しました(笑)。この撮影を通して、いろんなことを経験できたのですごく楽しかったです。
◆今回、初のドラマ出演で初主演を務められましたが、よかったと思えた瞬間は?
多くの人と演技ができたことですね。私は成田、一ノ瀬君(藤原)、健(駒木根葵汰)、彩花といったクラスメートや多くの人と関わるシーンが多いので、お芝居のことなど学ぶことがありました。刺激にもなりました。
◆では、難しかったこと、大変だったことは?
1人のシーンも多くて。部屋で1人LINEや手紙を読むシーンでは、最初は自分1人でその周りにカメラマンさんや音声さんといった大人の方がたくさんいる中で芝居をするということにすごく緊張して難しかったです。そして、主役だから自分がちゃんとしないと、というのも考えていたんですが、「最初だからそんなに気負わなくていいんだよ」と共演者の方々に言っていただきました。でも、どうしても自分の中では主役だから、自分がちゃんとしないといけない、共演者さんを自分がサポートしなきゃといったことを考えて焦ってしまうことが多かったです。今振り返ってみると、もっとみんなに頼ればよかったなと思います。
◆このドラマを通して、成長したなと思う部分はどこでしょう?
自分ではあんまり自覚ないんですけど、「堂々とできるようになったね」と周りの方に言っていただくことが増えました。たしかに、最初は緊張して縮こまっていたのですが、カメラの前に立って演技をすることに慣れたのか、自信がついたのか分からないのですが、日がたつにつれて、自然とちゃんと声が出せるようになったとは自分でも感じているので、堂々と人前に立てるようになったのかなって思います。
◆最初のインタビューの時と比べて、とても表情豊かに受け答えしてくださっていますが、気持ちの部分で成長したなと思うところはどこでしょうか?
自分では緊張しますし、どうしようとずっと思っているんですけど。ただ、最初は緊張や「うわ、どうしよう」という不安やマイナスの気持ちがたくさんありました。最近は撮影の中でも楽しいなって思うことが増えてきて、もちろん緊張とか不安もあるのですが、その場を楽しめるようになって、そこは変わったなって思います。
◆幸澤さんにとって本作はどんな作品になりましたか?
いろんなことを学んで吸収して、たくさん刺激を受けた作品です。お話の中でも、美月の成長する姿や、美月や他の共演者の方から学ぶこともたくさんありました。最初に出演したドラマがこの作品でよかったなって思いますし、本当にすごく大切な作品です。
◆本作に出演されて、家族や友達といった周りの反響はいかがでしょうか?
最初のころ、友達から「幸澤沙良が話しているように感じて、桑鶴美月として見るのが難しい」と言われました。ただ、どんどん物語が進んでいくにつれて、「ちゃんと美月として見られるようになった」と言われました。それがとてもうれしくて、ちゃんと成長できているのかな、ちゃんと美月になれているのだなと、それがうれしかったです。
◆駒木根さんのインタビューで成田と馬場(窪塚愛流)の仲直りのシーンで、「幸澤さんが泣いていて、すごく感情豊かで繊細な方なのだなと思った」と言われていたのですが、いかがでしょうか?
そのシーンは私自身も台本を読みながらボロボロ泣きましたし、美月としてその2人の掛け合いを見ていてもすごく感動するところでした。そして、櫻井さんと窪塚さんの芝居に引き込まれたのもあると思います。泣きの芝居は相手や自分が見ている方の演技に助けられることが多いんだなって実感したときでもあるので、そうやって繊細って言ってくださったのはうれしいです。
◆駒木根さんが「撮影の合間に幸澤さんがオンラインで授業を受けているのを見て驚いた」とも言われていたのですが、学業との両立はいかがでしたか?
1回授業に出なかっただけで、どんどん置いていかれちゃうのですごく大変でした。みんなも合間にやっていたので、台本も覚えなきゃいけないし、英単語も覚えなきゃいけないしという状況でしたが、頭がパンクしそうになりながらやっていました(笑)。
◆この3か月ほど、学業と俳優業を両立してきて、救われたなと思う言葉や存在は?
一緒にオーディションからやってきたメンバーには支えてもらったなと感じています。同じように初めてのドラマ出演でしたし、演技も始めてから少ししかたっていないという同じ境遇の人がいたというのはすごく大きかったなと。そして、言葉で救われたのは三浦(獠太)さん。私が「演技が納得いかなくて…」と相談をした時に、「頑張ってやっても、きっとどこかで『ここはもっとできたな』とか、 自分が納得することのない職業だから」と言っていただいたんです。そこから、できなくて落ち込みそうになったときに、この言葉を思い出して、次につなげられるように努力しようと思うことができました。
◆どんなシーンで相談されたんでしょうか?
第32話(12月1日放送)の美月が健に「私はずっと健の味方だよ」と言うシーン。美月と健にとって大切なシーンなのでうまくやろうと思って焦ったり、カメラを向けられて緊張してしまったり、いろいろとうまくいかないところがあって相談しました。
◆手紙がキーアイテムとなっているドラマですが、撮影中やクランクアップの時に手紙を交換したなどのエピソードはありますか?
実はオーディションからやってきたメンバー3人に今書いています。あとはクランクアップのときに内海誠子さんからお手紙をいただきましたし、三浦さんからはマスクの包装にメッセージを書いたものを頂きましたし、たくさんの方にメッセージをもらいました。
◆最終週の見どころを教えてください。
ひとつは立花先生がなぜ手紙ゲームを始めたのか、その目的です。あとは美月と一ノ瀬君の恋模様にも注目して見てもらいたいです。
PROFILE
幸澤沙良
●こうざわ・さら…2005年9月27日生まれ。神奈川県出身。O型。オーディション番組『私が女優になる日_』season2でグランプリを獲得し、本作で主演デビュー。
第10週(12月12日(月)~12月15日(木))あらすじ
クラスでただ一人、手紙を書かなかった代わりにと、立花(柄本時生)から「2年D組」宛の手紙を預かった美月(幸澤沙良)。「時期が来たら読んでくれ」という立花の言葉が気にかかる美月だったが、その言葉の意味が分からないまま年が暮れ、お正月が訪れる。一ノ瀬(藤原大祐)との初詣に心躍らせ、楽しい冬休みを過ごす美月。
そしていよいよ明日から三学期という時、美月宛に一本の電話がかかってきて——。
立花が突然始めた「手紙ゲーム」によって、クラスメイトの知られざる悩みや想いを知り、本音でぶつかり励まし合ううちに少しずつ絆が深まっていった2年D組の生徒たち。
果たして、立花はなぜ「手紙ゲーム」を始めたのか…。
今を生きる生徒たちに、立花が伝えたかった想いとは…。
番組情報
よるおびドラマ『差出人は、誰ですか?』
TBSほか ※一部地域を除く
毎週月曜~木曜 深夜0時40分~0時55分
毎週金曜 TBS公式YouTubeにて全話配信
<出演者>
桑鶴美月…幸澤沙良
成田育…櫻井海音
一ノ瀬斗也…藤原大祐
御手洗健…駒木根葵汰
馬場浩人…窪塚愛流
佐伯彩花…大嵩愛花
柊ひかり…馬越友梨
難波桃子…大平くるみ
諸祐太郎…三浦獠太
氏田誠二…野村康太
野木静香…那須ほほみ
原田…サイプレス上野
カズタ…さなり
小畑きみ…薄幸(納言)
桑鶴雅巳…金子昇
桑鶴夏樹…島田珠代(吉本新喜劇)
立花純太…柄本時生
企画・原案:秋元康
脚本:藤平久子、濱田真和、灯敦生
音楽:G.B.’s Band Produced by GeG(変態紳士クラブ)
プロデュース:橋本梓、佐久間晃嗣
演出:加藤亜季子、宮崎萌加、熊坂出、宮本秀光
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/sashidare_tbs/
公式Twitter:@sashidare_tbs
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この記事の写真
©TBS/撮影:加藤春日