【M-1ファイナリストカウントダウン(5)】キュウ/M-1史上、20年ぶりの快挙「タイタンから今年は2組で行けると思っていた」「社長を泣かせたい」

特集・インタビュー
2022年12月13日
キュウ(左からぴろ、清水誠)©M-1グランプリ事務局

漫才日本一を決める「M-1グランプリ」が今年も開催される。昨年は“2人合わせて93歳”のコンビ・錦鯉が優勝という驚きをもたらし、その後のテレビ出演も激増。この1年で大きく躍進し、日本中に大きな笑いと希望を振りまいた。また、昨年のファイナリストからはランジャタイやモグライダーなど、何組もの芸人が飛躍を遂げた。

今年のファイナリスト9組はいわゆる“常連組”がおらず、決勝初進出が5組、2度目の決勝進出が4組のフレッシュな顔ぶれ。TV LIFE webでは、毎日1組ずつファイナリストのインタビューをお届けしていく。

5組目は、初めての決勝となるキュウ。独特のテンポと佇まいの漫才で、ここ2年は準決勝まで進出。先輩芸人たちから好きな芸人として名前が上がることも多く、「めっちゃええやん」の耳に残るフレーズもあいまって、各所でじわじわと注目度を高めてきたコンビだ。

爆笑問題を筆頭とする事務所・タイタンに所属しており、今年はウエストランドとともに決勝へ。吉本興業以外の事務所から2組同時での決勝進出は、2002年以来となる。


◆決勝進出、おめでとうございます。まずは今のお気持ちを聞かせてください。

ぴろ:でらうれしいです……愛知県出身なので。M-1を見て漫才をやりたいと思ってお笑いを始めたので、その舞台に自分が選ばれる日がいよいよ来たな。こういう日って来るんだな、という感覚です。決勝進出者発表で呼ばれた時は「よし!」と声が出ましたが、先に発表された組が静かで「なんで? 音を出しちゃいけないの?」という雰囲気だったので、呼ばれたらちゃんと声を出して喜ぼうと思っていました。

清水:これまで何年も足踏みしたので、ようやくだなと。発表直後、同じ事務所のウエストランドとすぐに握手をしました。仲間で一緒に決勝に上がれたのが、本当にうれしいです。生きてきた中で一番のうれしさでした。

ぴろ:ネタが仕上がっていたので、今年は人生で最高の年にしたいと思っていました。「3回戦はこれ、準々決勝はこっちで準決勝はこのネタで行けば絶対に決勝に上がれる」と経験上確信していたんですが、まさにその通りに来られて「こんなに上手くいくことがあるのか」と。

清水:全部その通りで行ける自信もありましたし、これまで足踏みした分、対策も練れていたので。

ぴろ:とはいえ、M-1は予定通りになるはずのない戦いだと思って挑んでもいたので、決勝に行けるときはこんなにスルっと行けるものなんだなという驚きもありました。

◆タイタンからウエストランドと2組での決勝進出ですね。

清水:吉本興業以外の事務所から2組は、2002年の松竹芸能さん以来だと聞きました。

ぴろ:これは快挙です。

清水:こんな少人数の事務所から。でも、今年は2組で行ける気がしていました。それくらいウエストランドも仕上がっているのを見てきたので。

ぴろ:やっていることは全然違うんですが、それぞれが自分たちを磨いた結果。(太田光代)社長は泣いているんじゃないかな。泣かせたいわ〜!

清水:エゴサーチがはかどりますね!

キュウ(左からぴろ、清水誠)©M-1グランプリ事務局

◆今年の準決勝までを振り返ってみると、いかがでしたか?

清水:波乱はありましたが、僕らは僕らのやるべきことをやるだけという思いでずっと来たので、動揺はなかったです。

ぴろ:受かった人はたまたま受かっただけだし、落ちた人はたまたま落ちただけ。M-1って、どこか「しょうがないじゃん」という面がある大会だと思っているんです。それぞれの戦い、お客さんの前でただただ自分たちのネタがちゃんとできるかどうかの戦いなので。それができた上で落ちたのなら、それは選ばれなかっただけ。M-1に関しては受かる/落ちるではなくて、自分との戦いに勝った人が、選ばれるかどうかの大会。自分との戦いに負けないように、納得がいくようにできるかという意味でドキドキ、緊張していました。

清水:M-1だからって特別視せず、普段のライブの通りにやることを心がけていました。

◆優勝すると賞金1000万円です。どう使いますか?

ぴろ:大きく使いたいですね。高い家具が買いたいです。いいなと思った家具って、だいたい高いじゃないですか。それを惜しみなく買いたい。部屋の改造をしたいです。

清水:そうか、オレもソファ買おう。あと、上じゃなくて前面に扉が付いていて前に開くタイプの洗濯機も。テレビ台も買い換えたいし、テレビも買いたい。家電を一気に買い換えます。

◆優勝後にM-1チャンピオンとして冠番組を持てるとしたら、どんな番組にしたいですか?

ぴろ:深夜で新商品を紹介する番組をやりたいです。

清水:それはもう少し先でいいんじゃない? でも、僕はとにかくぴろが楽しければいいです。

ぴろ:「半分お笑い」くらいの番組。ゲーム半分、お笑い半分とか。

清水:ゲーム、いいね。遊ぶようにテレビに出たいというのが芸人を目指すきっかけでもあったので、楽しいことをしていたいという思いはあります。

ぴろ:科学実験とかもいいな。驚いたり、たまにふざけたり。

清水:『タモリ倶楽部』みたいな番組も最高ですね。いろいろなことをやって、自分たちも勉強させてもらいながら笑いも交えて。

ぴろ:ああいう温度感の番組がいいですね。

キュウ(左からぴろ、清水誠)©M-1グランプリ事務局

◆お2人の強み、「ファイナリストの中で自分たちが一番○○だ!」と言えるものは何でしょうか?

清水:一番、という言い方とは違うかもしれませんが、僕らにしかできない「唯一無二」のネタをしているとは思います。みんなそれぞれ唯一無二だと思いますが、僕らは僕らで「これがキュウです」と自信をもって言えます。

ぴろ:「キュウ-1グランプリ」だったら、僕らが優勝です。

清水:そうだな。歴代のキュウの中で、今が一番だしな。

◆ほかのM-1ファイナリストの中で意識しているコンビはいますか?

ぴろ:意識しないようにしています。結果としてファイナリスト全員でM-1グランプリ2022を作るわけですが、「それぞれが自分たちのために自分たちの力を使う」ことの集合体だと思うので。

清水:意識とはちょっと違いますが、ウエストランドやダイヤモンドといった普段一緒にやってきた仲間と最高の大会にできればと。その中で自分たちが一番楽しみたいと思っています。

◆敗者復活で勝ち上がってきたら脅威になると感じるコンビは?

ぴろ:脅威か……あくまで自分との戦いですが、強いていうならオズワルドです。

清水:オズワルドは強敵ですね。敗者復活からの優勝もありえますから。

ぴろ:もう1組、コウテイで。大会になると、静かなタイプとコウテイのようなうるさいタイプのどちらかかがハマると思うんです。オズワルドは僕らと同じゾーンですが、逆にもしコウテイが来てめちゃくちゃハマったとしたら、その次のネタ順では出たくないです。温度差でコントラストが出て、むしろいいのかもしれませんが、そういう勢いを求める空気になると僕らはやりづらいと思います。

清水:コウテイは100かゼロかみたいなところがあって、100が出た時の勢いはエグいので。ほかにも仲間がたくさんいるのですが、特に来てくれたらうれしいのは同期のヤーレンズ。一緒にネタをやりたいです。

◆最後に決勝へ向けた意気込みを!

清水:絶対に優勝します。

ぴろ:僕ら、キュウをみなさんに教えます。見る人を新しい世界にいざないたい。そうできるようにがんばります。

●text/松田優子

キュウ(左からぴろ、清水誠)©M-1グランプリ事務局

番組情報

『M-1グランプリ2022』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット ※生放送
2022年12月18日(日)午後6時34分 〜10時10分

『M-1グランプリ2022 敗者復活戦』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット
2022年12月18日(日)午後2時55分〜5時25分 ※一部地域を除く

『M-1グランプリ2022 アナザーストーリー』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット
2022年12月26日(月)午後11時15分〜深夜0時15分

番組公式HP:https://www.m-1gp.com/

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