「かぐや様は告らせたい」古川慎インタビュー!念願の劇場上映に「気合と同時にプレッシャーを感じた」理由とは?

特集・インタビュー
2022年12月15日
「かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-」
「かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-」©赤坂アカ/集英社・かぐや様は告らせたい製作委員会

赤坂アカさんの人気漫画が原作のアニメ「かぐや様は告らせたい」。その最新作「かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-」が、テレビ放送に先駆けて12月17日(土)より劇場で特別上映される。秀才が集まる秀知院学園の生徒会副会長を務める四宮かぐやと会長を務める白銀御行が、相手に告白させるべく頭脳戦を繰り広げる本シリーズ。「ファーストキッスは終わらない」では、今年放送されたテレビアニメ第3期「ウルトラロマンティック」のラストでついにかぐやと白銀がキスをしたその後、クリスマスを舞台にした物語が描かれる。TV LIFE webでは、かぐや役の古賀葵さんと白銀役の古川慎さんをそれぞれ直撃。今回は前編として、古川さんのインタビューをお届けします!

◆まず、第3期のお話からお伺いします。やはり最終回が印象的でしたが、前進したかぐやと白銀の関係についてどう感じていらっしゃいますか?

まずは、おめでとうございます、ですね。多分、みんながそう思ったのではないでしょうか。僕は原作を読んでいるので、その先どういう展開になるかも分かった上でお芝居をしましたが、放送を見たときはやっぱりよかったねと思いました。ただ、白銀とかぐやにとっては(キスの)事実が先行しすぎて気持ちが追いついていないというところが実情だと思うんです。白銀は白銀で“あのキスって何だったんだろう?”と戸惑いがあるでしょうし、かぐやはかぐやで“キスは告白ではないから絶対に告らせてやる!”という形で終わったので。めでたいのと同時に、“さぁこれからどう動くのか、という部分がものすごく大事になってくるぞ”とも思いました。

◆最終回のアフレコで印象に残っていることはありますか?

あのときは白銀にとって一世一代の大舞台なので、やってやるぞという気持ちで臨みました。いつもより気合が入っていたのか、後から「あのときの古川さん、様子がおかしかったです」と言われました(笑)。

◆それはどなたから言われたのですか?

かぐや役の古賀ちゃんです(笑)。気合を感じました、と。そのとおりなのですが、気合が漏れてるのって恥ずかしいなと話しました(笑)。

◆本シリーズのファンの方からも反響があったのでは?

「『ウルトラロマンティック』、感動しました!」というお手紙をたくさん頂きました。ほかのお仕事をしているときにスタッフさんからも「『かぐや様』面白かったです」と言っていただけて、誇らしかったです。あれだけ力を入れて制作されたアニメーションの大きな花火の一つを自分たちで締められたというのは、ありがたいなと感じます。

◆そんな第3期を経て、満を持しての新作が特別上映されます。

最初にお話を聞いたときは“「かぐや様」もいよいよか”と非常にうれしかった記憶があります。キャスト間でも「劇場公開もいつかはやりたいよね」「やるならどのエピソードになるんだろうか?」という話はしていたんです。新作が本当に劇場で上映されるかもしれない、という話が出たのは第2期が終わった後くらいでした。なので、“『ウルトラロマンティック』の文化祭が描かれるのではないか?”みたいな妄想もしていたのですが、結果そちらは第3期に入って。でも、映画と言っても過言ではないくらいのクオリティで仕上げてくださって、本当に幸せなものになりました。「ファーストキッスは終わらない」は「ウルトラロマンティック」と地続きのお話で、ここもまた1つの決着みたいなものが描かれています。なので、気合が入ると同時にプレッシャーを感じました。

◆それはどういったプレッシャーだったんでしょう?

四宮と白銀の関係性を結論付けるというか、お互いの気持ちを整理するような意味でのぶつかり合いがあるので、古賀ちゃんはどういうお芝居をしてくるんだろうかと。ひたすら怖くて仕方なかったです(笑)。ものすごく芯を食ってくるんだろうなと予想はしていましたが、実際にそういうお芝居をされていました(笑)。

◆あらためて感じた古賀さんのすごさは?

毎クール、毎話、本当にすごいお芝居をされるんです。心ときめく乙女のときもあれば、今作で出てくる“氷かぐや”のようなドSのときもある。“その声はどこから出てくるの?”と思いました(笑)。多彩であり、それでいて芯があるところは今作でもさく裂していますので、楽しみにしていてください。

◆今作ではかぐやと白銀の関係がより深まっていきますが、お芝居に影響はありましたか?

影響されていると言えばされていますし、されていないと言えばされていないですかね。あくまで地続きの話なので。白銀的には混乱がすごくあるんです。僕自身も混乱した状態で芝居を始めるみたいな部分はありましたね。

◆冒頭にはちょっともどかしさも感じるようなシーンもありますが、そんな2人を見ていてどう思われましたか?

最初は良かったんですけど、やっぱり“氷かぐや”が目覚めてから白銀は相当振り回されますよね。かぐやがそれまでとは人が変わり、昔のようになってしまって、白銀としてはどうしようもないんだろうなというのは理解できるんですけど。でも、傍から見ていると、“おい、アプローチされてるぞ!”っていう(笑)。

◆結構大胆なアプローチを受けていますよね(笑)。

そうなんです。でも、渦中にいるとなかなか気付けないものですよね。見ている人たちはナレーションもあるので分かるでしょうけど。白銀と同じ立場でそれに気づける人ってそんなにいないと思うんです。そう考えると、白銀が混乱してしまうのもしょうがないのかな、と。

◆今作では、白銀がなぜああいう人間になったのかという背景も描かれています。

気持ちは分かるなと思いました。僕自身、できた人間ではないので。だから、アフレコ前も結構練習してから行きますし。きっと古賀ちゃんも相当練習をしていて、だからあれだけすごい表現をしてくる。そこに追いつくためには、こっちももっと頑張って練習をしないといけない。そういう部分が白銀とリンクして、シンクロ率が高かったんじゃないかなと思うんですけど。でも、みんなそうだと思うんです。自分の好きなものがあって、それに関連する部活だったり会社だったりに入っていたとしても、生き残っていくためには今の時間の使い方や努力では厳しいとか、そういう焦燥感は多くの人が感じたことがあるはずで。だから、いろんな人に共感してもらえるのではないかと思います。白銀の場合は人生で頑張らなくてはいけない瞬間というのをずっと続けているので、そういうところは彼の歪みの1つとして見てもらえたらと(笑)。

◆古川さんが思う見どころはどこでしょうか?

かぐやと白銀が持っている闇というか、歪みというか。ちょっとネガティブな部分が、しっかりと描写されているんです。今まで2人ともいろんな表情を見せてきましたし、その中で断片的に過去が絡むような形はありましたが、2人の根っこにある歪んだ部分をここまでしっかりと描写するのはアニメではこれが初めてなのではないかと思います。そこをしっかりと分かっていただいたくことで2人の終盤の言い合いが成立してくる部分もあるので、見どころの1つだと思います。でもやはり好きなシーンは、その言い合いが終わった後ですね。1つの結末というか、決着というか。これでいいんだと思える部分が描かれています。

◆まさにかぐやと白銀の言い合いのシーンは今作の肝になっていますが、演じてみた感想を教えてください。

どれだけ気持ちを乗っけられるかという部分が大事だと思って演じました。結構テンポの速い言い合いだったので、僕ができる全力でいろいろ球を投げました。アツかったですけど、楽しかったです。傍から見れば非常に幸せなけんかなので、それさえもひとつのシチュエーションコメディにしてしまう(原作の赤坂)先生はやっぱりすごいなと思いました。

◆古川さん自身、クリスマスにはどんな思い出がありますか?

あまりクリスマスに特別なことをした思い出がないんです。でも、小学校のころに英会話教室に通っていて、そこでクリスマスパーティーをしたことがあります。講師の先生が海外の方で、その人がふと消えたと思ったら、しばらくしてドアをガラッと開けて「ハッピークリスマス!」みたいな感じで入ってきて。その先生というのが180センチくらいあって大柄な方で、サンタの格好をして白いヒゲをつけて、まさにサンタのようだったんです。僕、サンタって信じていなかったんですけど、“本当にいるんだ!”と思いました。あれはいい思い出ですね。

PROFILE

古川 慎
●ふるかわ・まこと…9月29日生まれ。熊本県出身。主な出演作は「機動戦士ガンダム 水星の魔女」(シャディク・ゼネリ役)、「吸血鬼すぐ死ぬ」(ロナルド)、「ワンパンマン」(サイタマ役)など。

作品情報

「かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-」
「かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-」©赤坂アカ/集英社・かぐや様は告らせたい製作委員会

「かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-」
2022年12月17日(土)より特別上映

<STAFF&CAST>
原作:赤坂アカ
監督:畠山守
シリーズ構成:中西やすひろ
キャラクターデザイン:八尋裕子
アニメーション制作:A-1 Pictures
声の出演:古賀葵、古川慎、小原好美、鈴木崚汰、富田美憂 ほか

●text/あまのさき ©赤坂アカ/集英社・かぐや様は告らせたい製作委員会

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