漫才日本一を決める「M-1グランプリ」が今年も開催される。昨年は“2人合わせて93歳”のコンビ・錦鯉が優勝という驚きをもたらし、その後のテレビ出演も激増。この1年で大きく躍進し、日本中に大きな笑いと希望を振りまいた。また、昨年のファイナリストからはランジャタイやモグライダーなど、何組もの芸人が飛躍を遂げた。
今年のファイナリスト9組はいわゆる“常連組”がおらず、決勝初進出が5組、2度目の決勝進出が4組のフレッシュな顔ぶれ。TV LIFE webでは、毎日1組ずつファイナリストのインタビューをお届けしていく。
6組目の男性ブランコは、昨年の「キングオブコント」で準優勝を果たしたコンビ。しかし、次こそ優勝をと月イチペースで単独コントライブをやり込んで挑んだ今年は、不完全燃焼の準々決勝敗退。その結果、力みすぎることなくM-1にベクトルを傾けることとなり、違った形での「2年連続ファイナリスト」となった。
決勝進出者発表の場で、MCを務めたかまいたち・山内も語っていたように、コントと漫才の二刀流芸人が増えつつある今、その先頭に立つことができるか。
◆決勝進出、おめでとうございます。まずは今のお気持ちを聞かせてください。
浦井:めちゃくちゃうれしいです。発表で名前を呼ばれて、足が震えて身体の力が抜けました。呼ばれた瞬間、はっきり気持ちを表に出した「やったー!」という動きはしていませんが、自分たちとしては(喜びが)相当漏れ出ていたほうだと思います。
平井:発表から数時間が経っても、あの瞬間のうれしさが維持されていて。“うれしさ心電図”が上のほうで一定しています。合間合間も、ふとした瞬間に「あーうれしい…!」と声に出ちゃってました。
◆今年の準決勝までを振り返ってみると、いかがでしたか?
浦井:去年の準決勝で、ひとつ前の出番のロングコートダディさんと、その前のゆにばーすがとんでもなくウケていて、「ここまでいかないと決勝には上がれないんだ」とめちゃくちゃ痛感したんです。その時に舞台袖で聞いた大爆笑が記憶に残っていたので、「あの大爆笑を自分たちも取るんだ!」と思いながらやっていました。
平井:これまで「なんでこのウケで落ちんねん」と思ったことはなくて、毎年「これでは全然足りないな」と思って、実際に落ちてきました。今年は今のところ、「自分たちの全力は尽くした。これなら受かるだろう」と思うことができて勝ち上がらせてもらったので、すごく健康的です。健やかでした。ちゃんと手ごたえを感じながら、勝ち進めたのでよかったです。
◆お2人の強み、「ファイナリストの中で自分たちが一番○○だ!」と言えるものは何でしょうか?
平井:一番「ほがらか」です。ネタの内容はグロいこともありますが、コミカルというか。ニコニコ見てもらえるんじゃないかと思います。ベタというか、シンプルな感じはします。
浦井:「健やか」「ほがらか」「ニコニコ」って、ずっと赤ちゃんみたいなことばかり言ってるのよ(笑)。確かに大人になって知ったものではなく、子どものときに覚えた笑いというか、いい意味で凝っていない。そういう意味で「ほがらか」ですね。
◆ほかのM-1ファイナリストの中で意識しているコンビはいますか?
浦井:ロングコートダディさんです。コントがめちゃくちゃ面白くて、漫才でもM-1で2年連続決勝進出。僕らが大阪で活動をしているころからユニットライブをやらせていただいていた先輩(養成所の2期上)で、ずっとちょっと先を行かれている2人。お笑いに対する捉え方や思想、お笑い界での戦い方が近いんです。
平井:僕もロングコートダディさん。ロングさんの作るネタがむちゃくちゃ好きなんです。コント界全体で一番好きなのも、ロングさんが「ABCお笑いグランプリ」で優勝した「旅人」のコント。あのネタを初めて見た時に、「こういうネタがやりたかった!」と思ったんです。だから、大好きが故にめちゃくちゃ負けたくないという気持ちでいます。
◆敗者復活で勝ち上がってきたら脅威になると感じるコンビは?
浦井:同期のマユリカです。去年の敗者復活戦でもいいウケ方をしていたので、今年あの勢いで決勝に上がってきたとしたら、めっちゃ刺さると思うので。
平井:やっぱりオズワルドですね。準々決勝でやったネタを最近ライブで袖から見たんですが、めちゃくちゃ面白かったんです。準決勝でのネタ以外にも、そういう面白いネタがまだまだ控えているのを知っているので。
◆優勝すると賞金1000万円です。どう使いますか?
浦井:決勝進出者発表の会見でも言ったんですが、自動車教習所のキャンセル料に使います。心置きなくキャンセルできるように。
平井:もったいないって! キャンセルしないように予定組みなさいよ。車を買ったらいいんじゃない?
浦井:会見で(カベポスターの)永見が言っていた「プライベートジェット」に対抗して、「プライベートカー」で……あ、それだと単なる「自家用車」か。
平井:海外でダイビングをしたいです。スーツの裏地にも刺繍しているほど「シロナガスクジラ」が大好きで、腕にもずっとダイブコンピューターをつけているんです。パラオが(ダイビングに)すごくいいと聞いていて!
浦井:もうオレの分の賞金もあげるから、行って来たらいいよ……。思い切って前人未到の海にでも行ってほしいです。
◆優勝後にM-1チャンピオンとして冠番組を持てるとしたら、どんな番組にしたいですか?
平井:教育番組をゴールデンタイムでやりたいです。
浦井:クイズ番組とかを押しのけて?
平井:そう、押しのけて。子ども向けと言いつつも、大人が見ても面白い教育番組ができたら面白いなと。
浦井:『たけしの万物創世紀』とか好きやったな〜。
平井:そう、『万物創世紀』! そういう番組がしたい。『万物創世紀II』がしたいです!
浦井:え、“II(ツー)”なの? オレらが『万物創世紀』の看板背負うの!? 知的な番組、いいですね。僕は大好きなプラモデルを広める番組をしたいです。
平井:大丈夫、それも『万物創世紀II』の企画でできるから!
◆最後に決勝へ向けた意気込みを!
平井:決勝進出がうれしすぎて、まだ決勝に出る実感があまり湧いていないんですが、出るからには真摯に優勝を狙っていきたいと思います。まっすぐ! 直進! 猪突猛進!
浦井:(何個も言って)どれを書いてもらえばいいんですか?(笑)。男性ブランコここにあり、と示せるようにがんばります。まっすぐ! 全力で! 悔いなく! ……って、僕のほうは最初のだけ書いてもらえれば大丈夫です。
●text/松田優子
番組情報
『M-1グランプリ2022』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット ※生放送
2022年12月18日(日)午後6時34分 〜10時10分
『M-1グランプリ2022 敗者復活戦』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット
2022年12月18日(日)午後2時55分〜5時25分 ※一部地域を除く
『M-1グランプリ2022 アナザーストーリー』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット
2022年12月26日(月)午後11時15分〜深夜0時15分
番組公式HP:https://www.m-1gp.com/
©M-1グランプリ事務局