12月21日(水)に最終回を迎える恋愛疑似体験型ショートドラマ『キス×kiss×キス~メルティングナイト~』(テレビ東京系 毎週水曜 深夜1時)。dTV®発のオリジナルコンテンツ『キス×kiss×キス』シリーズを、テレビ東京とavexがタッグを組んで地上波ドラマ化し、毎週2本立てで放送してきた本作の正井彩夏プロデューサーに、撮影までの裏側を聞いた。
◆『キス×kiss×キス』は配信で非常に人気の高いシリーズでしたが、地上波で放送しようとなったきっかけは?
dTV®さんとお仕事をさせていただいたときに、「今、すごい回ってるコンテンツがある」と話をしたのがきっかけです。「地上波でもいろいろなキスをひとりでこっそり見たり、友達とワイワイ見て楽しんでもらえたらいいですね」となったことから地上波放送に向けて動き始めました。
◆配信シリーズを地上波放送するにあたり、苦労したことはありますか?
配信作は撮影してから取れ高によって映像の尺を決めているそうなので、1エピソード4分半から6分半とかなり幅があるんです。ですが、地上波だと尺が決まっているので、尺を合わせるのに苦労しました。それに一つ一つのエピソードが長くなるので、ネタ出しの段階から尺が持つ展開を考案する必要もあって。それでもいざ撮影してみたらこれじゃ埋まらないかもってなることもありました。
◆出演者の方はキスシーンの撮影の長さに苦労された方が多かったようですね。
長く回しているのですが、撮影したものをそのまま流すのではなくて、いい感じのところをかいつまんで作品を作っていくので、もっといいキスがあるんじゃないか、もっといい角度があるんじゃないかとついつい追及してしまい長くなってしまいました…。でも撮影を重ねるに連れて皆さんだんだんと余裕が出てきて、アドリブをしたり意外なキスが生まれたりしたので、結果的にすごくすてきな映像が撮れました。
◆キスシーンの演出は俳優陣に任せていた部分が大きかったのですか?
そうですね。脚本だと「2人が見つめ合ってキスをする」など状況しか書いていないので、キスが始まってからのセリフや仕草はほとんどアドリブでお願いしました。
◆俳優としてかなり成長できる現場だったんですね。
出演者の中には「このキスシーンが経験できたら、この先怖いものはない」とおっしゃっている方もいました(笑)。皆さん1回目よりも2回目の撮影のときの方が余裕をもって挑んでいたので、短い撮影期間でも成長してる!と感じました。
キスシーン以外の部分でも台本には書かれていないことが多いので、みなさんそれぞれ自由に演じられていたのも印象的でした。自分の妄想で役を作る子もいれば、自分の経験とリンクさせながら役作りをしてくれた子もいたりとそれぞれのアプローチで役と向き合ってくださいました。
◆出演者の方の選定や出演作を決める上ではどのようなことを大事にされたんですか?
このシリーズは女性の方に多く視聴いただいているので、男性出演者のキャスティングはより慎重に行いました。キスシーンがメインになるので、横顔のきれいさや、目を伏せたときの美しさなど女性が見て癒やされる顔のシルエットも重視してキャスティングさせていただきました。出演者が決まった後も皆さんのインスタグラムを見させていただいたんです。インスタグラムって一番カッコいい写真をアップするじゃないですか。だから、この方はどの角度が一番すてきなんだろうなど参考にさせていただきました。その上で、脚本と照らし合わせて、出演作を決めました。
◆宇佐卓真さんと那須泰斗さんはかなり仲がよいとお聞きしたのですが、この共演は2人の関係性を知った上で選ばれたんですか?
それが全然知らなかったんです(笑)。この作品のちょっと静かな子とイケイケな子というイメージがお二人にバッチリハマったので決めさせていただきました。男性同士の作品は知らない人同士のほうがやりやすいと思うので、お二人が「仲いい」と聞いたときは申し訳ないと思ったんですけど、元から友達同士の2人なので、恥ずかしがる姿は演技なのか素なのかどっちなんだろうと思って見てたら、さらにドキドキしました。
義兄弟という設定も私がぜひ見たいと思って案出しをさせていただいたものだったんです。だから、そんな思い入れのあるエピソードを元から友人同士のお二人が演じてくれたのもうれしかったです。
◆ほかに印象的なお芝居をされていた方はいますか?
「浴衣でキス」に出演されていた葵うたのさんのお芝居です。このエピソードでは、片思いしている彼が逆ナンされてその女の子たちから線香花火をもらってくるというシーンがあるんですけど、葵さんは線香花火を渡されたときに「いらない」って投げたんです。脚本にも「投げる」とは書いてなかったので監督もびっくりしていたのですが、本人に聞いたら「私がこの女の子だったら知らない女の子たちからもらった線香花火はやりたくない」と言っていて。それを聞いて私も確かにそう思うよなと思ったんです。葵さんは役に成り切って演技をしてくれていたので、そのシーンがとてもリアルでした。
「アイドル秘密のキス」の仲野(温)さんと赤羽(流河)さんも息ぴったりの演技をされていたのが印象的でした。赤羽さんがすねて仲野さんをバックハグして引きずる場面があったんですけど、それもアドリブなんです。実際のカップルかと思うくらい自然でした。
◆「アイドル秘密のキス」は配信からの続編ですね。
配信だと5人組アイドルグループのうちの2人だけが出演するエピソードだったので、ほかのメンバーも登場したら面白いよねとなって今回やらせていただきました。
◆設定のネタ出しはどのように着想を得ていたんですか?
「アイスキス」も私がネタ出しをしたエピソードなんですけど、これは今回のサブタイトル「メルティングナイト」から発展して考えました。「深夜にとろけてほしい」という意味でつけたんですけど、この言葉から「アイスが溶ける時間と共にキスも解けていく」というのを連想して。映像ではしっかりアイスも2人も解ける瞬間を描けたので納得のいく仕上がりになりました。
◆配信では長く続く人気シリーズですが、地上波でもまた見たいですね。
私の野望としては、それぞれのエピソードの続編やアナザーストーリーをやってみたいです。例えば「アイドル秘密のキス」は今回3人まで登場したので、まだ出てない2人についてのエピソードをやったり。「当てつけキス」のその先みたいなのもやってみたいです。この作品はキスシーンという普通のドラマのクライマックスだけに焦点を当てているので、そこにいくまでの過程をアナザーストーリーとして描けたら面白そうですよね。
番組情報
水ドラ25『キス×kiss×キス~メルティングナイト~』
テレビ東京系
毎週水曜 深夜1時~
※テレビ大阪は毎週木曜 深夜2時35分~
配信:dTVにて1週間独占先行配信中※毎週水曜 午後10時配信
広告付き無料配信サービス「ネットもテレ東」(テレビ東京HP・TVer・GYAO!)にて見逃し配信
<出演>
葵うたの、赤羽流河、伊藤あさひ、井口綾子、岩崎藤江、宇佐卓真、岡宏明、鬼倉龍大、
樫尾篤紀、河本景、喜多乃愛、窪田彩乃、栗林藍希、後藤聖那、立野沙紀、出口亜梨沙、
仲野温、那須泰斗、日影舘まい、三宅亮輔(※五十音順)
主題歌:Da-iCE 「Answers」(avex trax)
主題歌:THE RAMPAGE from EXILE TRIBE「KIMIOMOU」(rhythm zone)
企画プロデュース:鈴木健太郎(エイベックス・ピクチャーズ)
脚本:内平未央
監督:森田亮、畑山創、小菅規照
プロデューサー:正井彩夏(テレビ東京)、寺原洋平(テレビ東京)、梶原富治(ROBOT)
制作:エイベックス・ピクチャーズ
制作プロダクション:ROBOT
公式HP:https://www.tv-tokyo.co.jp/kiss3kiss3kiss3/
Twitter:@tx_kiss3kiss3
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