◆一貫した信念を持っている相良に対し、森山はあちらこちらと揺れ動くことが多いですよね。
沢村:そういう感じに見えるんですけど、このファイナルをご覧いただくと、「あれ? 実は真っすぐだったのは卓ちゃんのほうだったのかな?」と、思われる方も多いかもしれません。
髙嶋:どうでしょうね。森山って、どこか“親に逆ギレしている子供”みたいなところがあるんですよ。そういう意味で言うと、森山にとって相良先生は親のようだったのかもしれません。もしくは大スターのようで、近づきたいんだけど近づけないといいますか。
沢村:それは相良も同じだと思います。今回、相良のセリフに「あんなに真っすぐで正直な人はいない」という言葉があるんです。まさにそのとおり、卓ちゃんはわがままですけど嘘は絶対につかないんですよね。
髙嶋:いや、結構嘘ついてる気がする…(笑)。
沢村:ついてもすぐにバレる嘘ですから(笑)。それに比べ、相良は策士なので平気で巧みに嘘をつきます。実はずっとブレずにいたのは卓ちゃんのほうかもしれない、と思いながら演じていました。
髙嶋:演じる沢村さんご自身も、どこかいろんなものを煙に巻いちゃうような稀有な存在の役者さんなので、つくづくぴったりですよね。
◆相良と森山のし烈なバトルもファイナルの見どころですね。
沢村:そうですね。激しいのはいつも卓ちゃんのほうですが…(笑)。
髙嶋:今回も森山が一方的にかみついているような(笑)。
沢村:相良に対して、本気で追い出しにかかっていますからね。あと、11年前と今だと医療を取り巻く環境はもちろん、患者さんの意識もだいぶ変わっているように感じます。そういったことも作品に反映されているので、そこも見どころの一つです。
髙嶋: 4本の腕を持った最新の(手術支援)ロボットも出てきます。うちの妻がドクターなのですが、そのロボットを触らせてもらったと話したら、すごくうらやましがっていました。貴重な経験になりましたね。
◆先ほど沢村さんもおっしゃっていたとおり、相良と森山には“ターニングポイント”になるシーンもあります。森山は“お見合い”をすることに。
髙嶋:お見合い相手の琴美さん役が、菅野美穂さんなんです。素晴らしい方が演じてくださいました。琴美さんのご家族が森山にいろんなことを言うシーンがあるのですが、そのやりとりが面白かったです。森山のことを認めてくれて、でも悪いところはちゃんと「悪い」と言ってくれる。
沢村:琴美さんは、今までの堂上(総合病院)の人たちとは違う目線で卓ちゃんのことを見ているんです。僕はそのシーンにいないのですが、台本で読んで「そういう受け取り方もあるんだ」と思いました。
髙嶋:森山として本当にいろんな世界が一気に広がった感じがありましたね。
◆一方の相良も、看護師の宮部(比嘉愛未)とのもどかしい関係に動きが…?
沢村:2人の関係が進展するのかどうかは見てのお楽しみです。そちらもないがしろにはしません(笑)。