話題のYouTube「社畜OLちえ丸」チャンネルをエッセーとしてまとめた「自己肯定感が低くて挫けそうな時、明日の自分のためにゆでたまごをつくる」(著・ちえ丸)が『社畜OLちえ丸日記』としてドラマ化され、2月10日(金)午後9時よりHuluで独占配信がスタート。バリキャリ営業OLとして地獄の日々を送る主人公・ちえ子を演じる玉城ティナさんが、仕事との付き合い方や息抜き法なども交えつつ、ドラマの見どころを語ってくれました。
◆原作や台本、企画を聞いたときの率直な印象をお願いします。
会社内で繰り広げられる「こんなことある?」という感じのやりとりが面白く、想像をかき立てられました。ただ、今までに演じたことのないキャラクターでしたし、コメディ色も強くて。私にできるのかなという不安もありました。
◆演じるちえ丸はどんな人でしょう?
バリキャリOLになるんだという強い夢を持ち、それを自分の力でつかみ取って。でも現実は厳しくて、超えなければいけない壁が立ちふさがって。それでも負けずに、できることからやっていこうとする強いメンタルの人だと思います。でも強さだけではなく、とぼけた部分や天然でかわいらしい部分も見えてくると、キャラクターとして深みが出ると思ったので。あまりこういう人だと決めつけずに、多面的に演じるようにしました。
◆演じる上で心掛けたことは?
タイトルにもある「社畜」は強い言葉ですし、ちょっと間違えると社会問題っぽく見える可能性もありますよね。もちろん仕事は真剣だし大変でもあるけど、傍から見たら何か笑えるみたいな、そのバランス感は大事にしました。あとは場面によって、ボケとツッコミの役割分担みたいなところも変わっていくので。そのあたりのメリハリは付けつつ、でも計算高くは見えないようにと考えました。
◆先ほどコメディに対する不安もあったとお話ししていましたが、やってみてどうでしたか?
なじみやすい、覚えやすいせりふが多かったからか、想像していたよりも自然にできた気がします。大橋彰さん(アキラ100%)やコウメ太夫さんとのやりとりも、相手が芸人さんだからと意識し過ぎずに、素の人間、役者同士としてのお芝居ができた気がしますし。こういった作品で芸人の方がいらっしゃるとコメディ要素をお任せしたくなっちゃうんですけど、一緒に担いでいけたかなと思います。
◆原作者のちえ丸さんご本人とお会いした印象は?
YouTubeで見た感じだと髪の長さはセミロングぐらいかなと思っていたら、私ぐらいのボブで。違ったら恥ずかしいから、「私に合わせてくれたんですか?」とは聞けなかったんですけど、ちえ丸さんから「おそろいにしました」って言ってくださいました(笑)。世代も近いからか、初めてお会いした感じもしなくて。考え方や、抱えている思いも近かったですし。撮影の合間であまり時間がなかったんですけど、もっとお話してみたかったなと思いました。
◆玉城さんとちえ丸さんに共通する部分は?
仕事に対して真っすぐなところですかね…自分で言うのも何ですけど(笑)。私もちえ丸さんと同じように、自分で選んだ道を自分なりに頑張っているので。ちえ丸さんは動画だとちょっとふざけた雰囲気にされていますが、言葉選びが絶妙で、結構刺さることを言ってくださるんです。だから動画を見ている人は思わずクスッと笑っちゃったり、ほろっと来ちゃったりするんだろうなと思います。
◆ちえ丸さんはちょっと不器用なところがありますが、玉城さんはどうですか?
器用だったら、もっと楽しく生きられていると思います(笑)。あまりすぐ人と仲良くなったりできないし、人と話しているときに途中まで頭の中で話して、途中から声に出す癖があるんです。だから取材などでも、言いたいことがうまく伝わってなかったりして(笑)。そこはあまりよくないなと思っています。
◆どんな仕事でもつらいこと、大変なことがあると思います。玉城さんはそれをどう乗り越えていきますか?
過ぎちゃえば、あまり気にしません。そのときは気になっても、また次の日は来るし、次のお仕事もあるので。もちろん思い返してみると、“あのときは無理してたのかな”“頑張り過ぎていたのかな”ということはあります。
◆例えばこの仕事ならではの「寒い」「長い」「せりふ量が多い」といったことだと、どういう過酷さが一番堪えますか?
どれもキツくないわけではないですけど、仕事で起こることは大体、仕方がないと刻み込まれています(笑)。例えば“お昼まだかな”“おなかがすいたな”と思っても、一人で食べる方が嫌なんです。子供のころから、わりと場の雰囲気に合わせなければいけないみたいな思考が刷り込まれていて。その延長線上として、今のお仕事をしている感じですね。
◆お話を聞いていると、わりと「社畜」体質な気が…。
だと思います(笑)。染まり切ったらダメだと思うけど、向いてはいるでしょうね。
◆こんな上司は嫌だとか、逆に理想の上司はいますか?
理想の上司は、うるさくない人(笑)。あと、自分のことを気にかけてくれる先輩がいたらよかったなと思うことはあります。もちろん、現場の方は全員先輩という心づもりではいますが、誰かから直々に教えてもらうということはなかったので。もし近い間柄の先輩がいたら気軽に相談できますし、「私のときは…」みたいな経験談も聞けるじゃないですか。直接的には生かせなくても、そういう話ができるだけで気が楽になったりしますし。今でもちょっと憧れてはいますね。
◆ちえ子は週末の料理が気分転換になっていますが、玉城さんはいかがですか?
私は家にいること自体が気分転換かもしれないです。もう人にはお見せできないような格好で(笑)、何もしません。映画を見たり本を読んだりするのもいいけど、何かの役に立たないかなって思っちゃうところがあるので。何もしないという時間は大切だと思います。
◆最後にドラマの見どころと、頑張って働いている人たちへのエールを。
物語は会社の人たちとの会話を中心に進んでいきますが、今回はモノローグもたくさんあって。ときどき、ちえ丸が心に残るようなことを思ったり感じたりしているので、それが見てくださる方々にも響くといいなと思っています。「社畜」と聞くとネガティブな印象がありますけど、ちえ丸はやりがいを持って日々を生きているので。“大変そうだな”“自分だったら嫌だな”ではなく、“頑張ってほしいな”という目線で見ていただいて、その方にとっての活力になったらうれしいです。
PROFILE
●たましろ・てぃな…1997年10月8日生まれ。沖縄県出身。O型。最近の出演作にドラマ『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』『NICE FLIGHT!』『鉄オタ道子、2万キロ』、映画「恋のいばら」「窓辺にて」など。「零落」が3月17日(金)公開。
番組情報
『社畜OLちえ丸日記』
2023年2月10日(金)午後9時よりHuluで独占配信スタート
以降、毎週金曜21時に新エピソード更新[全15話]
出演:玉城ティナ、望月歩、佐藤玲、田村健太郎、大橋彰(アキラ100%)、コウメ太夫/内田慈、阿南敦子、平山祐介/鶴田真由
原作:『自己肯定感が低くて挫けそうな時、明日の自分のためにゆでたまごをつくる』(著者:ちえ丸/KADOKAWA刊)
脚本:蛭田直美
監督:横尾初喜、小山亮太
コンテンツプロデューサー:吉田絵、岩長真理
プロデューサー:星野恵(AX-ON)
Hulu:茶ノ前香、中村梓
宣伝:荒井智美、木之下ゆり子
制作:AX-ON
製作著作:日本テレビ
番組公式HP:https://www.ntv.co.jp/drama-chiemaru/
©︎NTV
●text/小山智久