元カレとわだかまりが残ったまま別れたことがきっかけで、恋愛に積極的になれない大学生・立花あかり。ふとした出会いから年下男子・成瀬和泉の間に久しぶりの恋が芽生えるも、なんと和泉は元カレ・大和の弟だった…。そんな三角関係を中心に繰り広げられる、繊細で一途なドキドキのピュアラブストーリー『ブラザー・トラップ』（TBSほか 毎週火曜 深夜0時58分～1時28分 ※一部地域を除く）。
原作は電子コミックサービス「LINEマンガ」で1億5000万ビューを突破した人気マンガで、ドラマがオンエアされるたびにSNSはその内容で話題に。そんな本作の制作エピソードや撮影裏話、後半の見どころなどを、阿部愛沙美プロデューサーに聞いた。
◆ドラマではヒロインのあかりを久間田琳加さん、和泉役を山中柔太朗さん、大和役を塩野瑛久さんが演じていますが、3人をキャスティングした理由を教えてください。
結局のところ、2人のイケメンが1人の女の子を取り合う構図なので、あかりはモテても嫌な感じのない、女性から見ても好感が持てる人を考えました。あとはやっぱり、笑顔がかわいいことですね。久間田さんは声やしぐさ、そぶりにあざとさがなく、ピッタリだと思いました。
大和役は原作を読んで、もう私の中ではこの人しか考えられないと、塩野さんに猛アタックをして（笑）。山中さんは塩野さんに似た雰囲気があるのと、いい意味で繊細な、朴訥とした印象もあって。久間田さんと並んだときの身長差もちょうどいい感じで、いいなと思ったんです。放送後、「成瀬兄弟のキャスティングがいい」とお褒めいただいたり、女性の方から「あかりちゃんかわいい」という反響もあって、正解だったかなと思ってます。
◆少女マンガの実写化ということで、意識されたことはありますか？
いわゆる少女マンガの実写化だと、コミカルなリアクションがアクセントになったりもするんですけど、この作品は繊細な感情の積み重ねだから、そういうお芝居は控えめにしてほしくて。かと言って2人の男性の間で揺れる悲劇のヒロインに見えるのもどうかなと思ったので、そのあたりのバランス感みたいなものは久間田さんにお願いしました。
あとは全体的な進行として、丁寧に感情を積み重ねていくのはいいですが、あまり展開がゆっくり過ぎても、なかなか話が進まないという印象を受けてしまうので。どうやってドラマ的な構成にして盛り上げどころを作ろうかというのは、気を使ったところですね。何が胸キュンなのかというのは自問自答しました（笑）。
◆ドラマオリジナルの胸キュンポイントとしては、3話のゴミ捨て場での告白が話題でした。
あれはまず、あかりがいい人過ぎて災難に巻き込まれるみたいなエピソードを作ろうというところから始まって。友達がなくしたピアスをずっと探し続けるあかりの純粋さに触れて、和泉君が告白するという流れになったんです。だから最初からそこで告白させたかったわけではなく、むしろ私としては、公園や景色がきれいなところの方がいいのではと思い、ゴミ捨て場で告白するシチュエーションに悩みました。そこでチーフ監督にも相談したところ「ゴミを触ったあかりの手をそのまま触る和泉にキュンとする」と言って、なるほど、そういう見方もあるかと思いました。見た目的には美術部さんが、わりと汚く見えないように作ってくださったし、バックにかかっているエンディング曲も相まって、いいシーンになったんじゃないかと思います。
◆ほかにも、意外なところから生まれた胸キュンシーンはありますか？
ちょうど2月28日（火）放送の6話でも、原作にはないオリジナルのシーンがあって。あかりが好きな「僕と君の最後の約束」というマンガから連想したものなんですけど、かわいらしい、尊い感じになっているかなと。そこで結構、山中さんが私たちの予想を超えるようなことをしてくれたので、ぜひ注目していただきたいですね。個人的にはとても興奮しました（笑）。
◆反響を大きかったシーンで言うと、久間田さんと塩野さんの眼鏡姿も話題でした。
久間田さんは、以前ほかの作品であえて少しダサめの眼鏡を掛けていたことがあって。そのときとは違う感じで、でもおしゃれ眼鏡も違うなと思って、あの丸眼鏡になったんです。でも結局、かわいいですよね。コンビニで和泉君と出くわして、「すっぴん眼鏡でやばい！」なんて言ってるけど、全然やばくない(笑)。
大和は自宅だと眼鏡って設定なので、いかにも家用という感じの、黒ぶち眼鏡で。衣装合わせのとき女性スタッフが群がり、「これは？ これは？ （大和）っぽいです！」って感じで選びました(笑)。SNSでも皆さん塩野さんの眼鏡姿で盛り上がってくださって、うれしかったです。
◆各キャラごとにファッションのテーマはあるんですか？
あかりに関してはやっぱり服装も、あざとく見えない感じで。ガーリーなフリフリや、体のラインが出るようなものはなるべく避けるようにしています。塩野さんはタートルネックがお似合いだから、そこは死守しました。基本はタートルネックにロングコート、家ではタンクトップですね。結構、個人的な趣味が出ちゃってる感じなんですけど（笑）。
和泉は年下男子らしく、原作同様にパーカー。ただ、適度にオシャレではあり、大和とはかぶらないような服装を心掛けてます。山中さんご本人がスタイルいいんですけど、細身だから萌え袖になりがちなんですよ。なのにちゃんと頼もしく、手は大きいというのがキュンと来るところだったりするので、4話の横浜デートで手をつなぐときは、「手出して！」ってお願いしました（笑）。これもやっぱりSNSでの反応が良くて、「よし！」と思いましたね。
◆実際、現場でのキャストの皆さんを見て感じることは？
役を離れて、素の塩野さんと山中さんということで言えば、似た雰囲気はあると思います。わりと2人とも、普通の人より1段階ぐらい落ち着きめのテンションで。和泉の同級生・駒井を演じる若林時英君とはまるで違うテンション感で生きているなと（笑）。だから山中さんに関しては結構役のまんまで、ギャップという意味で言えば、塩野さんの方があると思います。大和はかなりコミュ力高いですから。塩野さんはやっぱり現場の中では少し年上ということもあり、みんなのことをよく見ていて。ふとしたときに傍にいてくれる安心感はあるなと感じましたね。
◆ということは、2人と一緒のときは久間田さんがよく話す感じですか？
そうですね。素の久間田さんはあかりより明るいから、そんな久間田さんがしゃべりかけて、山中さんや塩野さんが返している感じ。こういう作品だから、恋にまつわる話や恋愛観みたいなことはよく話題になるし、久間田さんは食べることが好きだから、何がおいしいとか。塩野さんは家電好きだから、家電の話とか。たまに兄弟一緒のシーンだと、山中さんが塩野さんにいろいろ、お芝居のことを質問してました。そういうところも含めて、兄弟っぽいところはあるなと。
◆ほかにラブを盛り上げる上で、こだわったところはありますか？
音楽ですね。深夜ドラマの楽曲ってわりとオシャレなバンド曲のイメージがあるんですけど、ちょっとクセのある曲がいいなと思って。ちょっと古いんですけど、ABBAの「S.O.S.」みたいな、エモーショナルな感じがいいなと、オープニングテーマの「ひとひら」をMisty Toneさんに作っていただいて。Misty Toneさんにはもう一曲、「ぬくもり」という挿入歌も作っていただいたんですけど、これは4年前のあかりと大和をテーマにした曲で、基本的には2人の回想シーンで流すっていう。
エンディングテーマの「マイラブ」は、西野カナさんの「SAKURA,I love you?」をイメージして作っていただきました。音楽どうしようと、いろんなアーティストさんの楽曲を聴いて思ったのは、やっぱり西野カナさんはすてきだなと（笑）。
◆「マイラブ」の歌唱をさゆべえさんにというのは、阿部さんからの熱烈なオファーだったそうですね。
はい、単なるファンと言えばそれまでなんですが（笑）。彼女がYouTubeで配信した「ダイヤモンド」を聴いて、またアイドル時代と違った歌い方をしていたのが印象的で、素晴らしいなと思って。息遣いひとつにしても、歌に込める思いが伝わってくるんです。それで、この人はもっと表舞台に出るべきだと思い、お願いさせていただきました。
衣装や楽曲もそうなんですが、結構迷ったときは自分の好きなものを選択したんですね。というのも、この作品が私の初プロデュースなんですけど、「せっかく自分の企画なんだから、好きなことをやった方がいい」と先輩のプロデューサーさんが言ってくれたからで。周りを振り回したこともあるかもしれないけど、自分にとって思い入れの深い作品になったと思います。
◆最後に、6話（2月28日放送）以降の見どころをお願いします。
前半は和泉のいいところばかり見えていましたが、中盤からは大和のいいところも見えて来て。4年前に大和があかりとなぜ別れたのか、大和の本当の気持ちも分かって、和泉はどうするのか。切なさも入り混じる、人間模様が描かれてきます。ただのラブストーリーでは終わらないドラマになっているので、そんなところも楽しんでもらえたらうれしいです。
第6話（2月28日（火）放送）あらすじ
大和（塩野瑛久）とのことを話そうと、あかり（久間田琳加）は和泉（山中柔太朗）の元へ。しかし、和泉が遥（工藤遥）を抱き締めている姿を目撃し、思わずその場から立ち去ってしまう。
その後、あかりは大学で和泉に会ったものの、気まずい気持ちを抱えていた。それでも遥とのことを聞こうと思った矢先、初めてのお家デートの際、成瀬家に忘れたヘアゴムを和泉から差し出される。そこであかりは、帰ろうとしたときに大和が偶然帰ってきたこと、さらに大和からキスされたことを告白。和泉から怒りをぶつけられたあかりは逆に遥とのことを聞くか迷うが、結局言い出せなかった。
そんなある日、あかりは街でナンパ男に絡まれる。偶然、その場を通りかかった大和に助けられたあかりは、その流れで和泉とのことを話す。
周りからのアシストもあり、あかりは和泉とちゃんと話すことを改めて決意。だが、話していくうちにあかりは自分の中の真っ黒な気持ちを和泉にぶつけてしまう。
番組情報
ドラマストリーム『ブラザー・トラップ』
TBSほか
毎週火曜 深夜0時58分～1時28分
先行有料配信：「Paravi」「U-NEXT」にて毎週火曜正午配信予定
※地上波放送後、「TVer」「TBS FREE」「GYAO!」「Yahoo!」にて無料1週間見逃し配信
＜出演者＞
立花あかり役：久間田琳加
成瀬和泉役：山中柔太朗
藤宮遥役：工藤遥
駒井瑛太役：若林時英
三宅絵里子役：渡邉美穂
成瀬由紀役：NANA（MAX）
成瀬大和役：塩野瑛久
＜スタッフ＞
原作：日向きょう「ブラザー・トラップ」（ジーンLINEコミックス／KADOKAWA刊）
脚本：おかざきさとこ
プロデューサー ：阿部愛沙美
配信プロデューサー：大原拓真、今井夏木
演出：坂上卓哉、尾本克宏、府川亮介
制作プロダクション：TBSスパークル
製作：『ブラザー・トラップ』製作委員会
公式サイト：https://www.tbs.co.jp/brothertrap_tbs/
公式Twitter：＠drama_streamtbs
公式Instagram：tbs_drama_stream
公式TikTok：＠drama_stream_tbs
©『ブラザー・トラップ』製作委員会
