累計発行部数7,000万部を超える『FAIRY TAIL』の原作者・真島ヒロ最新作『EDENS ZERO(エデンズゼロ)』がTVアニメ化。2021年4月放送の第1期に続き、2023年4月1日(土)からは日本テレビにて第2期が放送される。
『EDENS ZERO』は、機械の惑星グランベルに住む唯一の人間シキ・グランベルが、惑星ブルーガーデンの冒険者ギルドに所属するレベッカと出会い、宇宙へと旅立つ王道SF作品。第2期では、冒険を続けるなか、銀河六魔将のドラッケン・ジョーとの激しいバトルなどが繰り広げられる。
TV LIFE webでは、シキ役の寺島拓篤さん、ドラッケン役の楠大典さんにインタビュー。2期の見どころほか、お互いのお芝居に対する印象や、読者に推したいエンタメについて、熱く語ってもらいました!
◆1期を振り返りつつ、改めてそれぞれが演じるキャラクターの紹介をお願いします。
寺島:シキは星丸ごとがテーマパークという辺境の場所で、ロボットたちに囲まれて育った少年です。シキの目標と大切にしていることは、友達をたくさん作ること。彼は相棒となるレベッカと出会ったことをきっかけに星を飛び出して、さまざまな人と出会い、いろいろなトラブルを乗り越えて成長しました。すごく可愛らしくて純粋な子ですが、どんどん成長して強くなっていくところも彼の魅力であり、これからも見守っていきたいポイントですね。
◆改めて1期を振り返ってみると、バトルであまり苦戦している姿を見なかった気がします。
寺島:実はそうなんですよね。戦闘中にピンチになったり、ダメージを結構受けたりしていても、どこかで「いけるな」って思っているような感じでした。いざというときに戦闘能力の高さを発揮するあたりが王道の主人公っぽくて、僕は好きですね。そして、2期ではどうなるのかも見どころです。
楠:ドラッケン・ジョーは銀河六魔将のひとりで、惑星ギルストを悪党の星に変えた男です。彼は2期でいろいろなことが明らかになっていくので、まだ詳しくはお話できないのですが、もともとはシキと似ている人物だったと思うんですよ。ただ環境や出会った人々、出会い方だけで善と悪になってしまった。これは、私たちの世界でもそうかもしれないですね。
寺島:確かに。
楠:結局、何を突き詰めていくか、そしてその突き詰め方によって変わっちゃうんだろうなと。シキもドラッケンも、もともと持っている思いを突き詰めているんです。それが中途半端じゃないんですよ。そんな両極端なふたりの戦いが、すごく面白いです。
◆ドラッケンって、決して一匹狼というわけじゃないですもんね。一緒に戦う存在がいる。
楠:その一緒に戦う存在を実は結構大切にしているんですよ。ただ、シキが仲間のことを友達と思っているのに対して、ドラッケンは自分が得をする存在かどうかを重視している。そこの違いがあります。
◆そう考えると、確かに似ている部分はあるのかもしれません。
楠:でしょ。髪型も似ているし。見た目からそっくりかも。
◆た、確かに?
寺島:ちょっと、ちょっと! 大典さんをあんまり甘やかしちゃダメですよ。見た目、全然違うから(笑)。
楠:似てると思ったんだけどなぁ(笑)。
◆失礼しました(笑)。続けて、お互いが演じるキャラクターの印象についても教えてください。
寺島:シキの王道主人公感に対して、ドラッケンは王道の悪じゃないんですよね。それが、この作品の面白いところ。力でねじ伏せるタイプのように見えますが、実は知識も社会性もあって、頭がいいんですよ。どうしたら人を恐怖で支配できるのかということを考えて、上手に実行できるカリスマ性もありますよね。だからこそ、原作を読んでいてシンプルに怖いと思いました。あとは、声がカッコいいです。
楠:ありがとうございます(笑)。ただ、そんなドラッケンはシキのことが怖いのかも。寺島くんも言っていましたが、彼は頭がいいので、自分にとって得になりそうな人は生かしておいて、利用しようとするんです。でも、シキに対してはちょっと違った感情を抱いていて。あまり表には出しませんが、内心ではシキに対して「こいつは何なんだ」と感じていると思います。あとは、中の声優さんの演技が素晴らしい。
寺島:これを見出しにしてください。
楠:(笑)。でも真面目な話、声優を目指すなら、寺島くんのような主役の人がどういう芝居をしているのか見ると、すごく勉強になると思いますよ。シリアスなシーンで感情を爆発させるふり幅、一方でコメディ的なシーンでのお笑いでスッと落とすといった芝居。主役って、いろいろなバランスを取る必要があって難しいんですよ。そういうことができる役者さんには、いつも感心しています。
寺島:ありがとうございます!
◆反対に、寺島さんが思う楠さんのお芝居の魅力は?
寺島:大典さんのお芝居は説得力がすごいんですよ。声質や音の処理の仕方が、そう感じさせるんだと思っています。
楠:普段からすごく説得力あるもんね、俺ね。
寺島:……。いま、本人から激薄のコメントが寄せられましたが(笑)。
楠:(笑)。昔、とあるアフレコ現場で間違ったせりふを言ったのに、そのままOKになったことがあって。で、翌週にディレクターさんから「あれ、せりふ違ってたじゃん!」って怒られることがありました(笑)。今思えば、それくらいキャラクターが言っているという説得力があったということなのかも。堂々とお芝居をすればいいのかもね(笑)。
寺島:そのディレクターさんの気持ち、分かります。存在感や圧力が、全部そこに生きていると思えるんですよ。もともと僕が憧れる声のタイプでもありますが、説得力や存在感など全てをひっくるめて、すごいと思わされてしまうパワーある声を持っていらっしゃるんですよね。
楠:あっ、俺ってすごいんだね。これまで、全然そういうこと言われたことないから(笑)。
寺島:うそっ!? みんな、どう思ってんだろ? 憧れている人は多いと思うけど……。
楠:みんな、ただのラーメンおじさんだと思っているんだよ。
寺島:それはそうだと思います。
楠:思っているのかよ(笑)。
◆素晴らしい掛け合い、ありがとうございます(笑)。声優は年齢を超えてキャラクターを演じられる職業ですが、キャラクターの年齢感はお芝居する際に意識しますか?
楠:情報としては知っておいたほうがいいとは思いますが、「何歳だから、こう演じよう」みたいなものはない気がします。だって、自分の常識なんて高が知れてますよ。同じ10歳だって、作品によってはすごく頭がいい人や、世界を渡って何かの仕事を既にしている人もいる。大切にすべきなのは年齢じゃなくて、その人の人間観なんですよ。極端に言えば、そのキャラクターに見えればいい。その説得力が重要だと思います。
寺島:これです。こういうところが、大典さんのすてきなところ。
楠:寺島くんはどう?
寺島:うーん、オーディションを受けるときは気にするかもしれません。僕はオーディションの際、なぜその役を自分が受けるのか、もしくは声がかかったのか、スタッフさんがどういうことを見たいのかっていうことを考えるんです。その時に年齢もひとつの考慮材料ではあって。
楠:あー、なるほどね。
寺島:でも、そのときくらいですね。作品の世界観によっても、人間観は全然違いますから。
◆現代と異世界では、同じ15歳でも考え方などは違いますよね。
寺島:絶対に違いますよ。年齢が幼いから幼なそうな声で演じる、みたいな縛りはないと思います。
◆2期からはおふたりの掛け合いも多くなると思いますが、アフレコはいかがでしたか?
寺島:今回は大典さんと掛け合いながらアフレコができました。僕はキャストやスタッフの方が一緒の空間にいてお芝居することって、すごく意味があると思っていて。コロナ禍で分散収録が続くなか、掛け合いのお芝居じゃないと生まれないものがどうやらあるということが改めて分かりました。一緒に演じられてうれしかったですね。
◆掛け合ったからこそ出せた表現があった。
寺島:そうですね。声の圧力を直接感じたり、芝居の空気感を生で受け取ったりすると、僕から出る芝居や表現も変わります。今回は特に、シキがドラッケンのプレッシャーをすごく感じているので、それを掛け合いのお芝居できたのは大きかったですね。表現にもしっかり乗っている気がします。
楠:掛け合って直に芝居を感じることで、真に迫るものがある。先ほどお話したドラッケンの恐怖も、一緒に演じることで芝居に乗った部分があると思います。
寺島:やっぱり、一緒にアフレコしたほうがいいですよね。
◆これから徐々にみんなで収録できる日々が戻ってくるかもしれません。
寺島:そうなってほしいです。それってつまり、それだけ世界が正常になったという証でもありますし。
楠:ただ、こういう掛け合いによる表現の違いって、打率みたいに数字で出るわけじゃないんですよ。もしかすると掛け合いによる表現の違いというのは、作品にとっては微々たる差なのかもしれません。それでも、見て、感じ取ってもらえたらうれしいです。
◆貴重なお芝居のお話、ありがとうございました。では、作品に関わってみておふたりが改めて感じた『EDENS ZERO』の面白さ、魅力を教えてください。
寺島:魅力はたくさんありますが、どうしても外せないのは真島ヒロ先生が描いているということ。先生から出てくる味や魅力が本作に詰まっている気がします。SFなのに異世界ファンタジーっぽさもあって、しかもその世界観がちゃんとまとまっている。宇宙にドラゴンがいるなんて、考えたこともありませんでした。知っているようなSF感もありつつ新鮮に見える、想像がつかないアイデアやワクワクする展開がどんどん出てくるというのは、先生の力だと思いますね。
楠:寺島くんが言っていた作品の面白さはもちろん、アニメに関して言えば声優の人選もすごい気がします。総監督、プロデューサーをはじめ、携わっているスタッフさんの気合が伝わってきますね。作品の面白さを声優の芝居がプラスしている気がします。特にメインキャラクターのシキ・レベッカ・ハッピー。バランスが絶妙なんです。釘宮(理恵)さんのハッピー、超かわいいですよ。
寺島:『FAIRY TAIL』にも同名キャラクターが登場していますが、根本の魂は違う存在です。それでも、やっぱり釘宮さんがハッピーを演じる意味がすごくある気がするんです。あとは、主要メンバーのなかにマスコットがふたりいるのですが、どっちも違うかわいさがあるんですよ。
楠:そうだね。
寺島:もうひとりのマスコット・EMピーノを演じる井澤詩織さんも珍しい声で印象的なんですよね。主人公パーティーがこんなメンバーなんだという面白さも、本作の魅力だと思います。
◆最後に、おふたりが思う2期の注目ポイントを教えてください。
寺島:見ている方がしんどくなるくらいに激しいバトルが繰り広げられます。その激しさはアッパーというよりもダウナーなほう。今までのストーリーからもう一歩深いところに潜っていきます。人間関係や会話のやり取りなども含めて、注目いただければと思います。
楠:今まで積み上げてきた人間関係や大事なものなどが、ドラッケンの介入によって崩れてきます。その崩れていくなかで、シキがどう戦っていくのか。詳しくは言えませんが、どう立ち向かっていくのかをドキドキしながら見ていただければと思います。
(こんなお話も!)おふたりが読者の方々に推したいエンタメは?
寺島:僕は相変わらず、ジャニーズさんですね。本当に好き。
楠:僕もジャニーズさんはずっと好き。ずっと昔から、嵐を応援しています。
寺島:そうなんですね! さかのぼってみると好きになったのは、Kis-My-Ft2の宮田(俊哉)くんとSnow Manの佐久間(大介)くんと『ラブライブ!』を語ったのがきっかけでした。Snow Manはまだデビュー前だったんですけど、そこから注目して追っかけていたら、他のグループも大好きになっちゃった(笑)。応援しているのが楽しいです。最近はSnow ManとジャニーズWESTをよく見ていますね。
楠:僕が推したいのはTWICE。まずね、所属事務所・JYPエンターテインメントの社長さんがすごいんです。JYPエンターテインメントさんって、「真実」「誠実」「謙虚」を重要な価値基準としていて。TWICEはそれを守って、実行しているんです。技術的なことだけじゃなく、人間性も大切という考えや教えが素晴らしい。これって、僕たちエンターテインメントに関わっている人間は、見習うべき部分が多々あるんじゃないかな。学べることはいっぱいありますよ。プロモーションの仕方ひとつをとっても。TV LIFEさん、TWICEコーナー作ってください。もうずっとしゃべりますから。
寺島:(笑)。
楠:TWICE好きという声優さん、結構いますからね。TWICE好きを集めて、何かやりたいです(笑)。
PROFILE
寺島拓篤
●てらしま・たくま…12月20日生まれ。石川県出身。主な出演作は『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズ一十木音也役、『アイドルマスター SideM』天ヶ瀬冬馬役、『東京リベンジャーズ』千堂敦役など。
楠大典
●くすのき・たいてん…3月18日生まれ。東京都出身。主な出演作は『TIGER & BUNNY』ロックバイソン/アントニオ・ロペス役、『テニスの王子様』真田弦一郎役、『ヴィンランド・サガ』トールギル役など。
●text&photo/M.TOKU
番組情報
『EDENS ZERO』2期
日本テレビ系
2023年4月1日(土)より毎週土曜 深夜0時55分~
『EDENS ZERO』アニメ公式サイト:https://edens-zero.net/anime/
『EDENS ZERO』プロジェクト公式Twitter:https://twitter.com/EDENSZERO_PJ
©真島ヒロ/講談社・NTV