タレント兼実業家として活躍する愛沢えみりが初めてプロデュースを手掛けるアイドルグループ、「ハノルペ」こと8月のエウテルペ。2022年1月から半年以上のオーディション期間を経て、8月28日にデビューライブを開催。その後、10月に1stシングル「虹のエウテルペ」(TOKYO MX『ええじゃないかBiz』エンディング曲)、12月に2ndシングル「アティチュード」、2023年1月に3rdシングル「今日も推しとく?」を立て続けに配信リリースと、着実に歩みを進めてきた。
そんな彼女たちがこのほど、3月25日に念願の初ワンマンライブを東京・ベノア銀座で開催。満員の客席を前に、エネルギッシュでありながら可愛さ満開のステージを見せた。
ライブの開演は14時。その5分前には円陣を組んでいるのであろう、「おー!」と気持ちを感じさせる掛け声が聞こえてきた。定刻になると、会場前方の大スクリーンで彼女たちのオーディション時の姿が流れてくる。客席では拍手から手拍子が沸き起こり、いよいよ8月のエウテルペの6人がステージに登場。デビュー曲「虹のエウテルペ」からライブがスタートする。
メンバーの「行くよー!」の声で、早くも客席のボルテージは上昇。初めは少し緊張が見えたメンバーも、2曲目の「アティチュード」ではだいぶやわらかい表情に。続くメンバー紹介のパートでは、「楽しみすぎて寝られなかった!」「心臓が飛び出しそう!」と初ワンマンへの高いテンションを伝えながらも、客席を「(声が)全然聞こえない!」と煽り、さらに勢いを加速させていく。
サビで客席と振りを合わせる「センチメートル」を挟んで、メンバー6人に代わってステージに登場したのはアンダーメンバーの3人、通称「エムスリー」。「3人バージョンも楽しんでいって!」と客席に声をかけ「虹のエウテルペ」、アンダー独自の振りをつけた「今日も推しとく?」を披露し、カバーコーナーにつなぐ。
カバーコーナーは、ダンスが得意で高校時代に全国大会で受賞経験も持つ「だーりな」こと黒田莉菜のソロダンスからスタート。パワフルながらしなやかなダンスで魅せた後は、「ふたば」こと鹿目双葉、「このか」こと橋本心花、「まりも」こと鳩飼まりもが登場。タンバリンを効果的に使ってAKB48の「ハート型ウイルス」を披露し、さらに客席のテンションを高めた。次に登場したのはリーダーの「らら」こと綾瀬ららと、「なるねえ」こと七海なるみ。シックなドレスに身を包み、見事なハーモニーでAIの「Story」を歌い上げた。
カバーコーナーを終えると、プロデューサーの愛沢えみりがステージに登壇し、新曲の紹介と新衣装のお披露目。客席からは「かわいいー!」という歓声が上がる。初歌唱の新曲「泣かないでメモリー」は、サビのフレーズ&振りが印象に残る、旅立ちの春にぴったりの1曲だ。
いよいよ終演の時間が近づき、客席に感謝の言葉を伝えると「8月のエウテルペでしたー!」と、ピョンピョン飛び跳ねたりと初ワンマンのうれしさを身体全体で表現しながらステージを後にする。
当然、客席からはアンコールの声が。ステージには6人が再登場し、最新シングルの「今日も推しとく?」を披露する。そして改めて1人ひとりからあいさつ。時に感極まりながらも思いを伝えていく。
そしてラストには、オーディション時の映像からレッスンの様子、ここまでの歩みを追ったVTRが。メンバー、客席ともに万感の思いで見入った後には、8月6日にデビュー1周年を記念したワンマンライブ開催を発表。早くも客席からは「行くよ!」の声も飛び、興奮さめやらぬままに初のワンマンライブは幕を閉じた。
終演後には6人が取材に応え、「ファンの皆さんの声が聞こえてきた時に、もう泣きそうだった。あっという間に終わってさびしい」(鹿目双葉)、「ワンマンライブは目標だった。皆さんの温かいコールや笑顔、サイリウムもたくさん見えて心強かった」(橋本心花)、「アイドルになってよかったと改めて思った。幸せです!」(黒田莉菜)、「ずっと楽しみにしていたライブ。今日のような胸が熱くなるライブをもっともっとしていきたい」(鳩飼まりも)、「1つ願いがかなった最高の瞬間。今日来てくれた皆さんに後悔をさせないように、もっと上を目指して夢をかなえていきたい」(七海なるみ)、「新しい夢ができた。もっと大きなステージを、このメンバーとファンの皆さん、そしてこの先の出会いにも期待していろいろな夢をかなえていきたい」(綾瀬らら)と、それぞれ思いを述べた。
同席したプロデューサーの愛沢えみりは、「アイドルのプロデュースは初めてなので悩んだこともあったが、ファンの応援やメンバーの頑張っている姿に、プロデューサーとしては失格かもしれないけれど、私自身が一番勇気をもらえた。8月のエウテルペは“勇気を与えるアイドルグループ”をコンセプトに結成したので、たくさんの人に勇気を与える存在として成長していきたい」と語った。
リーダーの綾瀬ららは最高の盛り上がりを見せた客席を見渡し、「過去イチの熱を感じて、私たちも“負けてらんねぇ!”という思いでした(笑)。緊張はもちろんしたけれど、最高の1日にするぞ! という気持ちで。最高でした! 1周年ライブではさらに広い会場になるので、より努力が必要になると思います。ですが、私たちにできないことなんてない! と思っているので、1つひとつ着実に進化していきたい」とアツい1日を締めくくった。
●text/松田優子