作・岡田惠和×演出・田村孝裕による新作書き下ろし舞台「二次会のひとたち」が、4月14日(金)より東京・大阪で上演。本作は、結婚披露宴に呼ばれず二次会の幹事に指名された男女4人が織り成すコメディで、美村里江、内田理央、東啓介、佐藤アツヒロがちょっとワケあり系で、こじらせ系で、ひねくれ系なキャラクターを演じることに。新婦の大学時代の友人・篠田花を演じる内田さんが、稽古の手応えや作品の魅力を語ってくれました。
◆本作「二次会のひとたち」は、作・岡田惠和さん×演出・田村孝裕さんによる舞台の第3弾となります。
田村さんとは同じ事務所なので、今までの舞台のお話をいろいろ聞いていたんです。それで楽しそうなイメージが湧きましたし、岡田さんはすごく優しいと聞いて、舞台が苦手な私でも楽しくできるんじゃないかなと思いました。
◆内田さんはたくさん舞台に出演されていますが、苦手意識があるんですね。
わりと緊張しやすいタイプなんです(笑)。いざやってみると、お客さんを目の前にした生のお芝居ならではの楽しさや達成感があるんですけど。毎回終わった後はやってよかったと思うので、自分を奮い立たせて。4人しかいない少人数の舞台は初めてですし、その初めてのチャレンジを楽しもうと思っています。
◆実際、岡田さんにはお会いしたんですか?
最近、岡田さんの番組に呼んでいただき、初めてお会いしました。ラジオでご一緒したのですが、すごくステキな方でした。私のYouTube、鶯谷の古書店に行った動画を見てくださったらしくて。岡田さんも古い写真や手紙を見るのがお好きみたいで、趣味が合いますねって。すごくフランクで、どんな人も受け入れてくれるような寛大さをお持ちで。お話も楽しくて、大好きになりました。
◆今回の舞台のことで何か言われたことはありますか?
岡田さんは、出演する私たち4人の写真を目の前に貼って、それを見ながら脚本を書いてくださったみたいなんです。これまで出演した作品やYouTubeも見ていただいていますし、ちょっと当て書きなところもあるのかなって。実際、私が演じる花は、オタクっぽい役柄で。私が漫画好きなので、そこからの発想なのかなと思いました。
◆ちなみに内田さんが今推している漫画は?
「2.5次元の誘惑(リリサ)」です。コスプレが大好きな子の話で、セクシーな描写もあるんですけど、かわいい絵柄からは想像できないほどの熱量の高さがあって。“オタクあるある”みたいなものもたくさん盛り込まれていて、すごくハマっています。
◆岡田さんの脚本を読んで、花はどういう人だという印象を受けましたか?
設定的には陰キャで、男性があまり好きではない感じの子なのかなと思いました。ただ、台本をよく読んでみると、見た目からしていわゆるオタクな感じではなく、一見普通なんだろうなって。発言も、ちょっと知的で、頭の回転が速い感じもある。なのに「マジでむかつく」みたいな口調はギャルっぽくもあって。言うなれば今風のオタクなのかなと思っています。
◆花に共感する部分や、岡田さんに言い当てられたなと感じるところはありますか?
私も普段、あまりオタクだと思われていないことが多いので、そこは花と一緒な気がしました。“しゃべりだしたら意外とオタクだよね”みたいなところも一緒かも(笑)。なのであまりオタクっぽく表現しようとしなくても、私のままでいいんだと考えています。
◆他の3人のキャラクターが強すぎる分、この4人の中では一番普通な感じですが、演じる上で意識していることはありますか?
花がツッコミ役になることが多いので、なるべく鋭いツッコミをしようと勉強しています。最初に頂いた台本はまだ前半の半分ほどだったので、花が抱いている思いみたいなものは見えないところもあったんですけど。台本の続きを頂いたりするうちに、なるほど思えるところがあって。個性的な他の3人に張り合おうとしなくていい、目立とうとしなくていいと気が付いたので、今はあまりキャラ付けを意識せず演じるようにしています。
◆結婚式の二次会を任された4人の話ですが、作品全体の印象は?
クセのある人たちばかりなので、とにかく会話が面白いです。台本が追加されるたびにせりふも増えて、“こんなにしゃべるのか!”みたいな絶望感もありましたけど(笑)。どのやりとりも面白いので、ひたすら練習してチームワークよくやれば絶対にいい作品になると思って。本番に向けてみんなで頑張っています!
◆他の3人のキャラクターはどんな印象ですか?
みどりさん(美村)は、ものすごく知的で、ちょっと嫌な人の部分もあって。魅力的なキャラクターだなと思います。信夫さん(佐藤)は愛されるイジられキャラ。ちょっとクズなところもありますけど(笑)。中内君(東)は最初、“ちゃんと物事を考えているのかな?”っていうボケ役。でも話が進んでいくうちに深みが出てくるし、花とのコンビネーションが大事になりそうだなと思っています。キャストの皆さんはキャラクターとは違う雰囲気ですけど、それぞれの役が似合うというか、クセの部分がうまくハマっている感じがして。今ではもう他の人が演じている姿が想像できない感じになっています。
◆稽古場の雰囲気はどうですか?
だいぶ打ち解けています。ただ4人しかいないし、稽古中はみんなずっとしゃべりっ放しなので、合間に雑談で盛り上がるような元気はなくて。ちょこちょこ話して、あとはガチで休憩するか、せりふを覚え直すかの二択になっています(笑)。
◆内田さん自身、イベントの仕切り役を任されたりしたことはありますか?
ないですね。結婚式や披露宴の二次会みたいな集まりに行ったことも、人生で2回ぐらいしかないですし。人がいっぱいいるので、緊張しちゃうんです。ちょっと自意識過剰ぎみになるというか。何を着て行ったらいいかとか、準備も大変ですし。友達の中には私があまり乗り気じゃないのがバレている人もいるのか、ちょっと遊んだことがあるぐらいだと誘われません(笑)。本当に仲のいい友達はまた別ですけど。昔は声を掛けてもらえないことがちょっと寂しかったりもしましたけど、大人になってからはありがたいなと思っています(笑)。
◆この作品に触れたことで、二次会や幹事役に前向きな気持ちになりましたか?
確かに、印象は変わりましたね。今でもあまり積極的に引き受けたいとは思わないですけど(笑)、花たちみたいに意外な出会いや経験が自分の糧になることもあるかもなって。またこの4人はそれぞれ欠点があるのに、うまく補い合っていて。こういう人たちと一緒に何かできたら、きっと楽しいだろうなと思います。花たちの二次会、何か楽しそうですし。
◆ちなみにこの春、プライベートで何かして楽しみたいことはありますか?
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのスーパー・ニンテンドー・ワールドに行きたいです。オープン前から行きたいと言い続けてきたんですけど、なかなかチャンスがなくて。インスタグラムでマリオの帽子を被ってる記念写真を見て、いいな~と思っています。行くときは全身を黄緑にしたいですね。以前、スヌーピー目当てで行ったときは、全身白系のコーディネートで行ったんですけど、次は大好きなヨッシーに合わせようかなって(笑)。
◆最後に、舞台を楽しみにしている人にメッセージを。
こじれた、ひねくれた4人がどんな掛け合いを繰り広げるのか、楽しみにしていただきたいです。きっと最初と最後で4人の印象がガラリと変わって、“こういう出会いがあったらいいな”と思えるものになっていくはずなので。ちゃんとそう思ってもらえるように、私たちも頑張りたいと思います。
PROFILE
●うちだ・りお…1991年9月27日生まれ。東京都出身。O型。最近の出演作にドラマ『風間公親-教場0-『来世ではちゃんとします』シリーズ、『夕暮れに、手をつなぐ』『自転車屋さんの高橋くん』『お父さん、私、この人と結婚します!』『ロマンス暴風域』、映画「耳をすませば」など。
公演情報
「二次会のひとたち」
東京公演:2023年4月14日(金)~30日(日)紀伊國屋ホール
大阪公演:2023年5月6日(土)、7日(日)COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
作:岡田惠和
演出:田村孝裕
出演:美村里江、内田理央、東啓介、佐藤アツヒロ
チケット料金:全席指定 9,000円(税込)
●text/小山智久