4月21日(金)スタートの金曜ドラマ『ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』(TBS系 毎週金曜 午後10時~10時54分)でGP帯連続ドラマ初主演を務める山田裕貴さんにインタビュー。本作は、偶然乗り合わせた電車が未来の荒廃した世界にワープし、何もかも遮断され“ペンディング”された“非日常”の世界へと放り出された乗客たちが、共にサバイバル生活を生き抜く姿を描くヒューマンエンターテインメント。主人公のカリスマ美容師・萱島直哉を演じる山田さんに、台本を読んだ感想や、共演する赤楚衛二さん、上白石萌歌さんの印象などを聞きました。
◆台本を読んだときの感想を教えてください。
難しそうだなと思いました。リアルじゃないものをどこまでリアルに思ってもらえるかといったところは、多分みんなが難しいなと思っているところで。実際に現場に入ってみると、それだけではなく、例えばせりふのある役の人たちだけがしゃべっているだけでは、場の空間が成り立たないんです。直哉としても対1人とか対3人にではなくて、みんなに言葉をかけていないといけない。そこを無視してしまうと、乗客一人一人に人生があることを無視しているような気がしていて。そこは特に気をつけたいと考えています。だからこそ、撮影のときに、この乗客の方がここにいたけど、シーンによっていないとか、そういう配置取りみたいなものも難しさの一つです。どこでお芝居をするかで、すごく変わってくるし、そこは「こういうのはどうですか?」と監督とディスカッションしながら、やらせてもらっています。主要人物だけでやらないっていうのが重要なのかなと思います。
◆演じられる直哉のキャラクターについて、どのように捉えられていますか?
視聴者の方に直哉の全てを伝えられるのかなと思うぐらい、抱えていることがあります。多分直哉は小さい頃に、お父さん、お母さんに愛されたかっただろうし、好きになりたかった人。でも、そういう環境ではなかったからこそ、誰かを信じることに恐怖があって。いなくなってしまうかもしれないし、離れていくかもしれないという思いがあるので、そう思う前に、自分がそこまで人に思いを寄せなければ、そんなに傷つかなくて済むと思っている。だから、12歳離れているお父さん違いの弟のことも1人で学校に行くまで面倒を見てきたけど、弟のひょんな言動で俺は何をやってきたんだと思ってしまう。自分の人生とともに、なんでこんな人生なんだろう、自分を愛してくれる人は誰なんだとか、もう愛することも嫌だとさえ思ってしまっている人です。だからこそ、人との関わりを遮断してしまう、思い入れを持たないように生きる癖がついちゃっているので、本当にそこはただ嫌なやつになるのではなくて、そういう人生があったからこそ今があるというふうに見えたらいいなっていうのは、ものすごく思ってます。
◆現場の雰囲気はいかがでしょうか?
雰囲気はとても良いです。連日撮影でずっと皆さんが活動されているので、スタッフさんたちの体調が心配になりますが…。ですが、スタッフさんも締めるときは締めるけど、明るい人が多くて。基本的なことですけど、目を見てあいさつをしてくれることがすごくうれしいです。あと、空き時間にはみんなでMBTI診断をしました。僕は絶望的なロマンチストという結果が出ました(笑)。
◆今回共演される赤楚さん、上白石さんの印象はいかがですか?
赤楚君はとにかく淀みのない真っすぐな、ほかの作品で演じていた役からも伝わってくる好青年感みたいなものをすごく感じていて。優斗を演じる上でもそれが出てくるので、本当にこの人は根っから好青年なんだと。そこにちょっとふわっとしているところだったり、さっきも言っていたMBTI診断で、彼は「陽気なサイコパス」という結果が出ましたが、赤楚君がまとっているものからそういった一面も少し感じられるところがあって。よりどんな人なんだろうなと赤楚君に興味が湧いています。
萌歌ちゃんは以前朝ドラでも共演させてもらったときに、この方も本当に淀みがなく、真っすぐで、きれいな心を持っているんだろうなと思っていましたが、今回も変わらずそれが出ています。すてきだなって思ったことがあって。みんながしんどかった撮影の日に、だいたいそういうときって終わったら、「お疲れ様でした」と疲れた感じで言うところを、1人だけ「よし!」とガッツポーズをしていたんですよ。まだここにきても、その明るさを出せるってすごいことだなと思いましたし、現場の雰囲気が変わる一つのアクションだと思いましたね。「よっしゃー!今日、終わった!」と萌歌ちゃんがやることで、それが紗枝にも生きてくるんだろうなと感じました。
◆上白石さんが「山田さんがどうモチベーションを保っているのか知りたい」ということですが。
家に入った瞬間は、まずリラックスできますね。あとは、体をリセットするために、酵素風呂や整骨院に行ったりしてきちんとケアを行って、リセットすることが1番幸せだなって思う瞬間。ただ、これを言うとカッコつけているみたいに思われるかもしれませんが、本当に幸せだと思える瞬間は、このドラマを見てもらって、面白いって言ってもらえたときだと思っています。僕が参加してる作品は全部そう思われたいし、そうじゃないと自分がいる意味がないと思ってしまうので、そこは本当に報われたいです。あとは、携わるみんなが楽しくやれること。それは自分だけじゃなくて、みんなで最後に「このドラマをやってよかった」って言える、そうなることが1番リラックスと幸せが得られます。
◆電車にまつわるエピソードを教えてください。
本当に満員電車が苦手でした。揺れたり、押されたりすることに抗わないで、自分が水だと思ってその場を乗り切ることが重要だなって思っていました。
◆もし、直哉たちと同じように未来に飛ばされてしまったらどうしますか?
まず、行きたくないですよね(笑)。周りの人と仲良くなるまでしゃべらないだろうし、ずっと黙っていると思います。
◆では、山田さんが発揮できそうな力はありますか?
人心掌握術ですかね。人を言葉巧みに誘導するというか、コントロールして、自分がまとめ上げているように見えないけど、裏で操ってるみたいな、そんな動きをしてみたいです。というのは冗談で(笑)。言われれば協力しますし、言われなければ多分ずっと座っていたり、1人でどこかへ行ったりすると思います。それで仲良くなったところに所属しているみたいな感じ。仲良くなろうとするんだったら仲良くなるし、敵対するんだったら多分敵対しちゃうし、意志がないです。
◆最後に作品の見どころを教えてください。
このドラマを見て、今普通にご飯が食べられるとか、誰かがいてくれるという当たり前のことが、ものすごく幸せなんだなと感じてもらいながら、皆さんにも自分がもし極限下に行ったときに、どうなるんだろう、何を思うんだろうと、今ある日々のありがたさを見つめ直すきっかけになると思います。僕らもまだ今後がどうなるか分からないので、一緒に展開を追いつつ、最後まで楽しんでもらえたらいいなと思います。
PROFILE
山田裕貴
●やまだ・ゆうき…1990年9月18日生まれ。愛知県出身。O型。
番組情報
金曜ドラマ『ペンディングトレインー8時23分、明日 君と』
TBS系
2023年4月21日(金)スタート
毎週金曜 午後10時~10時54分
※初回15分拡大 午後10時~11時9分
<配信>
Paravi:各話の初回放送直後配信(第1話は4月21日)
Netflix:世界配信 日本国内では、4月22日(土)より配信開始
その後、海外にて順次配信予定
<キャスト>
山田裕貴、赤楚衛二、上白石萌歌、井之脇海、古川琴音、藤原丈一郎(なにわ男子)、日向亘、片岡凜、杉本哲太、松雪泰子 ほか
<スタッフ>
脚本:金子ありさ(『恋はつづくよどこまでも』『着飾る恋には理由があって』ほか)
主題歌:Official髭男dism「TATTOO」
プロデューサー:宮﨑真佐子、丸山いづみ
編成:吉藤芽衣、平岡紗哉
演出:田中健太、岡本伸吾、加藤尚樹
番組公式サイト:https://www.tbs.co.jp/p_train823_tbs/
番組公式Twitter:@p_train823_tbs
番組公式Instagram:@p_train823_tbs
©TBS