井之脇海「4話で加藤という人物がより深く分かると思います」『ペンディングトレイン』

特集・インタビュー
2023年05月12日
『ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』©TBS

山田裕貴さん主演の金曜ドラマ『ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』(TBS系 毎週金曜 午後10時~10時54分)に出演中の井之脇海さんにインタビュー。本作は、偶然乗り合わせた電車が未来の荒廃した世界にワープし、何もかも遮断され“ペンディング”された“非日常”の世界へと放り出された乗客たちが、共にサバイバル生活を生き抜く姿を描くヒューマンエンターテインメント。有名大学の大学院農学部・生命科学科で研究する大学院生・加藤祥大を演じる井之脇さんに、共演者の印象や役へのアプローチについて聞きました。

◆今回の役どころを教えてください。

僕が演じているのは、加藤祥大という大学院の博士課程で生命科学の研究をしている青年。中でもミトコンドリアゲノムの解析や遺伝子の構造について専攻していて、植物オタクなんです。オタク気質が故に植物に集中することは得意なのですが、人とのコミュニケーションや距離感が得意ではないので、今回ペンディングされて、彼の植物の知識を生かしつつ、人との距離感をどう縮めていくかを加藤の成長として演じられたらなと思って演じています。

◆撮影前に準備したことはありますか?

クランクインの前に群馬県にある自然史博物館へ行きました。純粋に面白かったのですが、1日では周り切れなかったですね。地球の誕生から、どうやって生命が進化していったのか、その過程において、植物と動物に分かれていったり、動物の中でもどう進化していくのかという遺伝子の話とか、環境による生命への進化の影響とか。その当時は台本がまだ手元になかったので、ひとまず加藤が専攻しているものを知ろうと思って。先日も、図書館で生命の本を読みに行ったのですが、気づいたら3時間ぐらいたっていました。加藤という人物を想像するというよりは、知識をたくさん得る。そして、本に熱中している自分の様子とかを俯瞰で見てみたりしながら、「こういう感じかな」と作っています。

◆監督からの要望などはありましたか?

台本のト書き上に頭をコツコツと叩くみたいなことが書かれてあって。実は1話から3話までには書かれていなかったことなんですが、監督とお話をして、加藤は昔の癖を今でもやっているのではないかということで、考えたりするときにコツコツと頭を叩くことを後から付け加えています。そして、4話では加藤の家族やパートナーの話が出てくるのですが、そこはなんとなくずっと意識しながら演じていました。加藤が人とコミュニケーションを取るのが苦手な理由は、植物オタクだけではなくて。4話を見ていただけたら、加藤という人物がより深く分かると思いますし、1話から3話を振り返ってもらうと「あ、それでこういうことになってるんだ」と思ってもらえるのかなと。

◆加藤は人と接することがあまり得意ではないということですが、特に意識していることはありますか?

独り言が多い役で、説明的なせりふもしゃべるのですが、それを普通の会話として、相手の目を見て「これはこういうことなんです」というふうにすると、コミュニケーションが滞りなくできる人に見えてしまうので、視線をちょっと外したり。ただ独り言だけど、みんなに聞こえていないといけないので、集中して声がどんどん小さくなっていくのとは反対に少しテンションが上がって、大きな声でしゃべっているみたいなことを意識して。ただ、それはあくまで誰かと会話しているのではないことを、序盤は特に気をつけながら演じていました。制作発表でも話題にあがりましたが、米ちゃん(米澤)を演じる(藤原)丈一郎君によく現場で「加藤さんはベラベラしゃべっていたけど、何と言っていたの?」と聞かれて。でもそれは僕としては正解かなと思っています。言葉を1つ1つ伝えるというよりは、加藤は勝手に1人でしゃべっているということなので。それはすごい褒め言葉だなと思って、僕がやりたかった加藤像にちょっと近づけているのかなと確認しながら、そういうことを注意して演じています。

◆今回演じる加藤は井之脇さんと同い年という共通点がありますが、そのほかに共通点や似ているなと感じるところはありますか?

僕自身、映画と山と野球に対しては少しオタク気質なところがあって。その3つのことになると、プライベートだったり、友達といるときに、山の情報を調べてしまったり(笑)。熱中するほど好きなことがあるというのは似ているのかなと思います。ただ僕はあまりゲームをしないですし、わりとみんなといい距離感でしゃべれると思っているので、その辺は加藤として現場にいられるように、似ているところと違うところをうまくバランスよくやれたらいいなと思っています。

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