◆井之脇海さん演じる加藤と米澤のコンビ感はいかがでしょうか?
回を増すごとに加藤、米澤の絆がどんどん深まっていきます。2人で「こうする?」と動きについて相談していると、プロデューサーさんから「もうちょっと、こんな感じでどうですか?」と意見が入ってきたりするんです。その様子を周りが「2人、すごく仲いいじゃん」とほほ笑ましく見てくれていて、特にいつもニヤニヤ見てるのは赤楚さん(笑)。休憩中に椅子に座ろうとしたら、「加藤さんの横は米澤君が座るよね?」みたいな雰囲気になっていて、僕ら2人が恥ずかしくなってしまうことも(笑)。シーンとシーンの間には、海君と僕もお互い野球が好きで、僕はオリックス・バファローズのファン、海君が横浜DeNAベイスターズのファンなので、「そっちどう?」とか、どっちが加藤で海君か分からなくなるぐらい常に一緒にバディとして話していて、ドラマでもプライベートでもいい関係になっているなと思いますし、僕らのバディ感を楽しみにしていてほしいです。
◆ここまで放送された中で、印象に残っているシーンはどこでしょうか?
見てくださった人に「荷物置きで寝てたね」「どうやって登ったの?」と言われることが多いです(笑)。そこは監督さんと「米ちゃん、どこで寝る?」と言われて、「え、寝れますかね?」と半信半疑で実際に寝てみたら寝心地がよかったので、荷物置きで寝ることになりました。みんなとは違う着眼点というか、米ちゃんの個性が出ているところだなと思います。あとは1話、2話で玲奈(古川琴音)とだいぶバチバチする回数が多かったので、そういうシーンのときに自分の中で“イライラポイント”をつけていました。最初のシーンで玲奈が出ていくときにバーンとぶつかってくるんですが、そこで米澤がフラストレーションがたまったから“イライラポイント1”。2話では玲奈にお菓子を取られたと思ったら違ったみたいなシーンで、米澤も玲奈を疑ってしまって悪いので、「お互い“イライラポイント1”で同点やな」と考えながら、その“イライラポイント”が高くになるにつれて、米澤の関西弁がだんだん強なっていて、ちょっと舌を巻いている感じになるんです。きっと米澤が親に反抗するときこんな感じなんだろうなと(笑)。米澤と玲奈との関係性も再度見ていただいたら6話以降、見方が変わってくるのかなと思います。
◆この現場で学んだことや刺激を受けたことを教えてください。
僕自身、ドラマの経験が少ないので、『ペントレ』が普通やと思っていたのですが、周りの人に聞いたら、「大変だね」と言われて過酷なことを知りました。そして、山田さんの座長っぷりというのは、クランクインからずっと感じています。特に僕がすごいなと思ったのは、僕らだけでなく、レギュラー乗客のエキストラの方を含めた総勢60人ほどでお芝居するところで舵を取ってくださるんです。それに、自分が出てないシーンでも映像をチェックしてくださって「もっとこうなんじゃない?」とアドバイスを下さいます。その中でも僕が感動したのは1日撮影終わった後、皆さんを先に帰してから、最後に帰る姿に「すごくかっこいい」と思いました。そういう姿を見て山田さんについていきたくなりましたし、みんなでこの『ペンディングトレイン』という1つの作品を作ってるんだなっていうのを感じました。
◆エキストラの方など大勢いる現場で大切にしていることは何ですか?
みんなで動くことが多いので、全員で息を合わせないとけがにつながってしまうので、そこはみんなで「こうしましょう」とか、監督さんをはじめカメラマンさんが言ってくださるので、1シーンをみんなで作り上げていることが、この『ペンディングトレイン』の一番の肝なのかなと思います。
◆難しかったなと思ったところはありますか?
台本に「今、ペンディングして何日目です」とか、「水を飲んでいません。食べてません」「ここ数日ではこれしか食べてません」と書かれているので、その状況を想像して演じているのですが、実際見ている人と演じている人では、疲れ具合だったり、1つの動きにしても、たぶん変わってくるので、そういうところは難しいなと感じています。1話完結ではなく、今回1話からずっと続いている分、疲労度を自分の中でより明確にしていかないといけないですし、車両にいるみんなでその度合いを合わせる作業もあるので、今でも苦労しますね。ついつい米ちゃんは元気というイメージがあるので、元気でいてしまうのですが、「さすがにそこまで元気じゃないかも」とご指摘も頂くのできっと最終回までこの調整には苦労しそうです。