倉悠貴さんが地上波ドラマ単独初主演を務めるMBSドラマ特区『犬と屑』(MBSほか 毎週木曜 深夜0時59分ほか)が6月8日(木)より放送スタート。本作は、朝賀庵による同名漫画が原作で、“幼なじみ”の失踪により、幼なじみの妻との禁断の初恋が動きだす、“羨望×嫉妬”人間の愛憎を描く、凄絶ラブサスペンス。初回放送を前に、主演の倉さんと共演の三原羽衣さん、中村嶺亜さんに役作りやお互いの印象などを聞きました。
◆本作への出演が決まったときの気持ちを教えてください。
倉:連続ドラマで単独主演というのが初めてだったので、緊張感や不安もありつつ、期待を胸に抱いて、楽しみだなと思っていましたし、この作品が代表作になったらいいなと思いながら撮影に臨んでいます。
三原:これまで自分に近いピュアで真っすぐな役を演じることが多かったので、また違った役を演じてみたいと思っていたときに、このお話があったんです。「絶対に麗香を演じたい」と思っていたので、マネージャーから「決まったよ」と連絡をもらったときは、めちゃくちゃ叫びました。そのくらいうれしかったです。
中村:ここ1年半くらいはミュージカルなどのステージでのお芝居が多かったので、久々に映像作品に出られるということが率直にうれしかったですし、これまで出演したドラマはオリジナルが多かったので、漫画原作がある作品は初めてなんです。7 MEN 侍のメンバーに「ドラマが決まった」という話をしたら、「どんな役?」と聞かれたので「クズ」と答えたら、「ピッタリじゃん!」と言われて少しけんかになりました。冗談ですが(笑)。
◆ご自身が演じられるのはどんなキャラクターでしょうか?
倉:僕が演じる桜庭陽真は中村さん演じる犬飼秀司という幼なじみにずっとコンプレックスを抱えながら生きてきて、その秀司と結婚していた麗香(三原)と出会い、物語が動きだします。秀司と麗香がそれぞれ隠していることや、麗香との関係も描かれます。
三原:麗香は陽真と秀司の高校の同級生で、のちに秀司の妻になるんですけど、数年ぶりに陽真の前に急に現れたときにいろんなものを抱えているような感じで、謎が多い人物です。
中村:秀司は簡潔に言うとクズです。タイトルになっている、『犬と屑』のクズだと思うんですけど、主人公の陽真にコンプレックスを抱かせた張本人でもありますし、一見何でもできるようなキャラでありながらも、意外と寂しいところがある人間。その寂しさがクズにつながっているのかなと思っています。秀司は救いようもないクズなんですが、どこか憎めないキャラクターにもなっています。
◆演じる上でこだわっているところ、気を付けているところはありますか?
倉:サスペンス要素も強い作品で、伏線っぽくし過ぎると展開が分かってしまうと思うので、でも何かを抱えているんだろうなというようなちゃんと物語として面白くなる絶妙なラインを考えながら演じています。
三原:根本的に私の性格と麗香の性格が真逆なんです。私は地声が低いので、演じるときは声のトーンをちょっと上げてみたり、私生活からも麗香に入り込めるように意識しています。
中村:物語の序盤では、何かを抱えているように見えないようにしています。秀司が抱えているものがだんだん見えてくる方が面白いですし、漫画もそういった作りになっていたので、原作リスペクトも込めて、秀司というキャラはその方がいいかなと思ってやっています。
◆役作りにおいて、原作はどのくらい意識されていますか?
倉:ビジュアル面は原作の陽真と少し似ている気がします。ただ、原作はどんどん伏線を回収していって、謎が謎を呼んで、先が気になるという造りになっているので、ドラマでも同じように興味を引くようなお芝居をしつつ、原作ファンの方が持っているイメージを裏切らないように意識しています。
三原:参考にさせていただいています。自分と麗香は全然違うので、共感できない部分だったり、考え方が違ったりするので、なぜ麗香がその行動をとるのかよく分からなかったりするところとかも、原作だと表情も分かるので、台本と一緒に読みときながらお芝居をしています。
中村:秀司というキャラクターの愛されている要素はどこなんだろうというのを参考にしています。役作りに当たって一番難しかったのは、僕、原作の秀司より身長が10センチ低いので…。そこは監督さんたちといろいろお話をして、靴によってはちょっと底を上げたりして頑張っているのですが、どうしても陽真より大きくなれないんです。なので、そこだけは存在感で埋めるしかないのかなと思って頑張っています。
◆倉さんは本作が連続ドラマ初単独主演ですが、主演として意識していることはありますか?
倉:基本的にずっと現場にいるので、現場がいい空気でスムーズに進むようにお芝居しています。
◆三原さんと中村さんから見た、倉さんの主演ぶりはいかがでしょうか?
中村:本当に引っ張ってくれています。僕は悠貴君のお芝居が好きだなと思う場面が多くて。速い人と走ると速くなれるような感覚で、いつも楽しくお芝居ができているなっていう実感があります。
三原:いつも引っ張ってくれてありがとうございます。
倉:思ってないですよね(笑)。
三原:思っていますよ!