『スイートモラトリアム』近藤紗良P&久保田修Pが明かす鈴鹿央士、小西桜子、田辺桃子の魅力と制作の舞台裏

特集・インタビュー
2023年07月10日

◆鈴鹿さんのシーンで、「このシーンよかった!」と感じたことを教えてください。

近藤: 第1話で心と小夜がキスをするシーン。弱気頼りない姿を出しつつ、女の子をキュンとさせてしまうようなチャーミングな姿や柔らかい雰囲気が合わさって、心のいろんな魅力が出たと思います。また、今回、女性キャストとのキスシーンやベッドの上でのシーンもあり、鈴鹿さんがそういった色気あるシーンに初めて挑戦していただいているのもこの作品の見どころの一つです。鈴鹿さんご自身がどう臨まれていたかは分かりませんが、自然体で緊張も特にされていなさそうだなと見受けられました。

◆小西さんと田辺さんのシーンはいかがでしょうか?

近藤:小西さんは第6話の高校時代のところ。教室で心に対して自分の感情をぶつけるシーンがあるのですが、原作ではりんごの結構複雑な家庭の事情だったり、心との関係がすれ違っていくところが丁寧に描かれていますが、ドラマでは尺の都合でその部分を省いてしまっているところもあったんです。ですが、小西さんのお芝居がすごく心に迫るものがあったので、りんごのバックグラウンドがちゃんと表現できたシーンになったなと思っています。田辺さんは詳細をまだお伝えできないのですが、最終話のあるシーンのお芝居が本当に素晴らしくて。田辺さんにお願いして良かったなと思いました。

久保田:田辺さんが演じてくれた小夜は普通の女の子。それを魅力的にするのって意外と難しいと思うんです。それを田辺さんが魅力的に演じてくれたことは、このドラマにとってすごく助かりました。たぶん一歩間違えると、ただ真面目なつまらない女の子で終わってしまったと思うので。それをちゃんとジェラシーで揺れ動いていたり、「でも私は真面目にしか生きられないし」っていうような感じだったりというジレンマみたいなところを、すごく清潔感をもって演じてくれていました。そのおかげで、本当に小西さん演じるりんごと田辺さん演じる小夜は対照的な女の子だという部分がうまく表現できましたし、そもそもの狙いだったすごくきれいなトライアングルが作れたなという感じがしました。

『スイートモラトリアム』©『スイートモラトリアム』製作委員会

◆本作を振り返って、どんな作品になりましたか?

近藤:ラブストーリーではありますが、現代の若者の不安感をすくい取って描けたらいいなと思いながらやっていたので、そういったところはちゃんと作り上げられたかなと思っています。

久保田:すごく極端な設定があったりとか、いわゆるジェットコースターのようなストーリー展開が待ち受けるタイプのお話ではないので難しかったと思いますが、玉田さんを演出家に選択して、3人をキャスティングしてっていうところで、人の心情をきちんと描いていくということにおいてはすごく丁寧にできたんじゃないかなと。

近藤:タイトルに「モラトリアム」と入っている通り、自分が何者であるかを模索する葛藤をちゃんと丁寧に描けたらなと思っていたので、そこは多くの方に注目して見ていただきたいですね。

◆制作自体はどうでしたか?

近藤:今回はすごく素晴らしい力のあるスタッフの方に集まっていただきましたし、無理のないスケジュールを組み立てられたので、非常にいい現場だったんじゃないかなと思っています。

◆深夜ドラマは短い期間で撮られることが多い印象なので、驚きました。

近藤:深夜ドラマだと1日に台本10ページぐらいを撮る組が多いと思うのですが、今回は多くても9ページもなかったと思います。1日平均7、8ページでスタッフもキャストも、無理しないで取り組めましたし、無理しないっていうのがあるからこそ、「ここはもっとこうしたら面白いんじゃないか」とクリエイティブなアイディアを言い合えるような現場になったと思っていて。それがとても刺激的でやりがいを感じました。

久保田:普段の深夜枠のドラマよりカット数が少ないんです。カット数が多いとそれだけどうしても時間がかかりますし、現場の負担が増えてくるのですが、見せるところは長回しで見せるという映画的な演出に近かったので。そのワンカットに集中して、演者さんもお芝居に集中できたと思いますが、視聴者の方にはもしかしたらカットが細かく割れてる方が見やすいという方もいらっしゃると思います。ただ、今回はそういうスタイルを取ったことで、多少余裕が出たと思います。

近藤:自分からもっとこうした方が面白いんじゃないかっていうアイデアがいろんな人から出てくるような現場だったので、なかなかそういう現場は少ないんじゃないかなと。目の前にあることを一生懸命にやることで終わってしまうことが多いと思うので、またこういった機会があったらいいなと思っています。

◆終盤に向けての見どころをお願いします。

近藤:いよいよ今カノと元カノとの3人暮らしが始まります。その共同生活の中での人間関係の変化だったり、出来事に注目して見ていただきたいですし、3人それぞれの成長をとても丁寧に描いているのでそこにも注目していただきたいです。

番組情報

ドラマストリーム『スイートモラトリアム』
TBS(※一部地域を除く)
毎週火曜 深夜0時58分~1時28分
※7月11日放送の第8話は深夜1時13分~1時43分

1週間先行有料配信:「U-NEXT」にて毎週火曜正午配信中
※地上波放送後、「TVer」「TBS FREE」にて無料1週間見逃し配信

<キャスト>
鈴鹿央士、小西桜子、田辺桃子、若林時英、中島歩 ほか

<スタッフ>
原作:たまいずみ「スイートモラトリアム」(マンガボックス)
脚本:加藤綾子、玉田真也、頃安祐良
プロデューサー:近藤紗良
スーパーバイジング・プロデューサー:久保田修
配信プロデューサー:今井夏木、大原拓真、杉山香織
監督:玉田真也、頃安祐良
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
製作:『スイートモラトリアム』製作委員会

公式サイト:https://www.tbs.co.jp/suimora_tbs/
公式Twitter:@drama_streamtbs
公式Instagram:tbs_drama_stream
公式TikTok:@drama_stream_tbs

©『スイートモラトリアム』製作委員会

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