◆事前に、共演者の過去出演作を見られたということですが、印象が変わったことなどありますか?
みんなそれぞれ印象が変わりました。山下さんが関西出身というのは知っていたのですが、女性の多い現場だからなのか最初は結構静かにされているイメージがありました。ですが、同じシーンが増えていくうちに、つまらないボケをかましてきたり(笑)。「あ、関西人だ」という部分が見え隠れする瞬間があって、面白いですし、ものすごく腰の低い方です。最初ダンスレッスンでお会いしたときも、私が「よろしくお願いします」とごあいさつさせていただいて、一度離れたと思ったら、また駆け寄ってきてくれて、「藤原とひかりで、たぶん大事なシーンが多いと思うので、なるべくしゃべりかけるようにします」と宣言しに来てくださったんです。ものすごく丁寧で役のこと、作品のことをすごく熱心に考えていらっしゃるんだなと思いました。
杢代さんはお顔立ちもはっきりされているし、勝手な外見の印象からクールそうな方なのかなと作品やSNSを見て勝手に思っていたんですけど、いざ現場に入ってみたら、杢代さんが自らボケ役に回ってくれたりして現場を明るくしてくれます。
なぎさちゃんは、先ほどもお話しましたが、ふわふわしているかと思ったら、おじさんみたいな一面があったり(笑)。本当にゲラゲラよく笑ってよくしゃべる方。菊地姫奈ちゃんも、最初はすごく人見知りで寡黙なイメージがあったんですけど、今は思っていることがすぐ顔に出てしまうような分かりやすい素直な方で、何でもしゃべってくれるし、話を聞いてくれます。
志田こはくちゃんもコミカルなお芝居がすごく上手なんです。真面目に見えて、とても器用だし、何でもうまくやるし、でもいつもニコニコしていてふざけるのも大好きだし、ものすごく天然でコミカルな部分がある方なので、もっとお芝居を見ていたいなと思っています。
みとゆなちゃんはほとんど初めてのお芝居経験とのことですが、現場での居方が芸歴何年目ですかってぐらい本当に肝が座っている方。強さがあるし、SNSで見るみとゆなちゃんとは違った魅力がお芝居に現れていると思うので、みとゆなちゃんの良さがみんなに伝わればいいなとも思っています。
私たち7人が本当に人という字のようにみんなで支え合って、誰か1人でも欠けたらダメだっていう気持ちで作品を作っているからこそ、すごくグルーブ感が出るというか、いいものづくりができているな、幸せだなと思う瞬間が現場では多いです。
◆『最高の生徒』のTikTokを見ていても、仲の良さが伝わってきます。
そうなんです。SNS撮影もみんなで一緒に楽しんでいます。SNSはすごく明るいし、ポップな感じですが、これから作品はどんどん苦しいシーンも出てくるので、どうやってそこの対比がつくんだろうと思って、ちょっとドキドキしています。
◆監督やプロデューサーと相談して作り上げているところはありますか?
分からないことがあったら都度聞きに行きます。中でも、私はよく先々の相談をすることが多いです。『最高の生徒』とクロスオーバーしている『最後の教師』で登場する隣の教室で起きている出来事がこちらの世界線にも影響してきます。なので、ひかりが今後どうなっていくのか、ひかりのつらさをどこで発散すればいいのか先々が見えにくいんです。やっぱり“ポジティブモンスター”と言っても余命1年というのはつらく、その気持ちを吐露する場所について相談したところ「ひかりの感情が湧き出るところがあるから、それを大切に演じてほしい」と言われました。本当にそれぞれのキャラクターが演じやすいように意見を取り入れてくだいます。
監督の西村(了)さんも、「言いづらいせりふがあったら、語尾ももちろん変えていいし、芽育さんが演じやすいように、ひかりでいやすいようにやってください」とおっしゃってくださるので、それはすごく演じやすいですし、より一層自分がひかりに近づけるポイントでもあります。
◆本作が『最高の教師』と物語がクロスオーバーしていますが、視聴者の方にどのように楽しんでもらいたいですか?
どちらも死が関わってくる作品です。『最高の教師』の九条先生(松岡茉優)は生徒に殺される1年前にタイムリープしていて、私は余命1年と宣告を受けている。同じ鳳来高校にいて、あと1年で死ぬと境遇にいるけれど全く別のキャラクター。人間っていろんな生き方や人生の終わり方に違いがあるんだなと学ぶことが多いと思います。今まであるようでなかった、同じ世界線のお話なので、昼間に『最高の生徒』で3年C組、夜は『最高の教師』で3年D組を見ていただいて、その中でも藤原はどちらのドラマにも出ているので、一緒に見てくれたらより一層面白いと思います。
◆ひかりのポジティブさが周りに影響を与えていると思うのですが、最近周りから受けた影響はありますか?
山下さんがダンスを本格的にやってらっしゃる方で、一緒にダンスレッスンをしていても、本当にお上手ですごいです。そんな山下さんやこの作品に影響を受けて、ダンスを始めました。実は私も小、中、高校生でダンスをやっていましたが、飽き性なこともあってやめたり再開したりを繰り返していて、もうちょっとダンスを突き詰めていればよかったなと後悔していたので、この機会に最近再開しました。ジャズファンクやガールズヒップホップなどのジャンルのダンスが好きで、踊っているときはすごく楽しいです。地元の先輩がダンスのインストラクターをやっていて教えてもらっているのですが、その先輩から「ダンスは何歳になっても、音や踊ることを楽しめるというのはすてきなことだし、演技に生きると思うよ」と言われたんです。この作品でダンスをやることによって、あらためて楽しいと思える自分がいますし、ダンスを突き詰めようと思えた自分を褒めたいし、行動に移せた自分も偉いと思うし、すごくいいきっかけになったなと思います。
◆ひかりのポジティブが畑さんにも影響していますね。
そうですね。アクティブさは、ひかりにすごく引っ張られて生まれてきた感情だと思います。
◆第5話の見どころを教えてください。
台本頂いたときに涙が我慢できなかったくらいに、ひかりの弱い部分が見えてきます。ひかりが弱さやつらさをやっと吐露できるようになりますし、藤原との関係もそこで少し展開が起こります。ひかりは「Be:STAR」のみんな、藤原、家族と離れることが分かっているからこそつらい部分は多いですが、その中でも胸が締めつけられるような甘酸っぱいシーンやそれぞれが新しく夢に向かって進み出すシーンもあります。そして、作品に入る1か月前ぐらいからずっと部活のようにやってきたダンスをBe:STARとして文化祭で披露するシーンもあるので、ぜひ見てもらえたらとてもうれしいです。
PROFILE
畑 芽育
●はた・めい…2002年4月10日生まれ。東京都出身。O型。主な出演作はドラマ『純愛ディソナンス』、映画「なのに、千輝くんが甘すぎる。」など。現在『ノッキンオン・ロックドドア』(テレビ朝日系)にも出演中。
番組情報
『最高の生徒~余命1年のラストダンス~』
日本テレビ(関東ローカル)
毎週土曜 午後2時30分~3時 ※一部変更の場合あり。
※放送と同時にTVerにて無料配信
<キャスト>
畑芽育、山下幸輝、杢代和人、齊藤なぎさ、志田こはく、菊地姫奈、みとゆな
武田航平、犬飼貴丈/瀧本美織/星野真里
<スタッフ>
演出:西村了(AX-ON)、長尾くみこ
脚本:関えり香、上野詩織
制作:下村忠文
プロデューサー:鈴木努、福井雄太、久保真一郎、星野恵(AX-ON)、林洋輔(ウインズモーメント)
制作会社:AXON
音楽:坂本秀一
制作プロダクション:AX-ON
制作協力:ウインズモーメント
製作著作:日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/saisei/
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