畑芽育、“ポジティブモンスター”役演じアクティブに「ひかりに引っ張られて生まれた感情」『最高の生徒』インタビュー

特集・インタビュー
2023年08月17日
『最高の生徒 ~余命1年のラストダンス~』©日本テレビ

土曜ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』と同じ舞台設定で送る、一生分の体験を1年という有限の時間で生きる女子高校生の青春ストーリー『最高の生徒 ~余命1年のラストダンス~』(日本テレビ 毎週土曜 午後2時30分~3時)。遺伝性の病気により、余命1年と宣告される主人公・伴ひかりを演じる畑芽育さんに、共演者とのエピソードや最近影響を受けて始めたことなどを聞きました。

◆台本を読んでの感想を教えてください。

台本を読んで、「私にこのせりふが言えるのかな」というようなせりふがすごく多かったです。キャラクター設定を最初に読んだときも、“ポジティブモンスター”と呼ばれるぐらい、異様なポジティブさがある強くてパワフルな女の子だったので、私に務まるのかなと不安がありました。ただ、先々の台本をもらうたびに、胸がぎゅっとなるシーンもすごく多くて。ひかりが放つせりふは絶対誰かに共感してもらえると思うし、テレビを見ている前の人たちにも響くような言葉がたくさん連なっていると思います。

◆畑さんご自身はポジティブですか?

私はネガティブです…。それもドがつくほどのネガティブで、ものすごく心配性な部分も多いですし、作品入る前もみんなと仲良くなれるかと不安でした。学園ものですし、和気あいあいとできたらいいなと。作品の中でも幹太(杢代和人)、志乃(齊藤なぎさ)、愛未(志田こはく)とは前から仲良しという設定があったので、どうやってその空気感を作ろうとすごく悩んでいたんですけど、そんな悩みも全く必要なかったぐらいにみんなと仲良くなれています。

◆皆さん、初共演だったのでしょうか?

そうなんです。みんなと初対面、初共演でした。作品を作り上げるっていうのも一つのみんなの大きな目標ではあったのですが、それに加えて、ダンスをみんなで作り上げるという目標が掲げられたので、そこに向かって一緒に駆け上がっていくという、共通の目標があったからこそ、より一層仲良くなれたのかなと思います。

◆その仲を深めていく感じが学生生活に近い感じがしますね。

近いですし、むしろ学生のときよりも楽しいかもしれません(笑)。みんなが合わせてくれているのかもしれないですが、すごく気が合うし、本当にみんながクラスメートだったらいいな、楽しいだろうなと思うような瞬間がたくさんあります。

◆ひかりがポジティブモンスターということですが、共演者さんの中でポジティブだなと思う方はいらっしゃいますか?

齊藤なぎさちゃんかな。第一印象とのギャップがすごくて。もっとかわいらしくてふわふわした女の子なのかなと思っていたら、遠くにいてもなぎさちゃんの笑い声がゲラゲラと聞こえてきて、「あ、もう楽屋に入っているな」と気付くぐらい(笑)。すごくハツラツとしていて、なぎさちゃんには悩みも何でも話せますし、楽しいことも共有したいなって思えるぐらいソウルメイトな感じがします。

『最高の生徒 ~余命1年のラストダンス~』©日本テレビ

◆今回、7人というのも仲を深めるいい人数だったのかもしれませんね。

「調和をとっていけるか心配だな」と感じていましたが、いざ撮影が始まってみると、すごくチームワークが強い皆さんだし、7人で密接な関係値を作り上げられているなと思います。撮影の序盤の方で既に「あ、この7人で『最高の生徒』を作り上げられてよかったな」って、結構ホッとした部分が大きかったです。みんなそれぞれキャラクターがあって、癖のある人たちばっかりですが、役とも似ている部分が多いので一緒にいて楽しいです。

◆共演者の皆さんと親交を深めるためにやっていることはありますか?

共演する方の今までの活動を追ったりするのがすごく好きなんです。 なので、皆さんの過去の出演作はほとんど見ました。皆さんが今まで演じてきたのは全く別の作品で、違うキャラクターだけど、その人がやってきたわけじゃないですか。その人の成長じゃないですけど、何をしてきたのか、この人は何が楽しくて、何を成し遂げてきたのかというのに、すごく興味を持ちやすい方なので、それはたくさん調べて。また現場に入ったときに、その話で盛り上がったりすることもできますし。今回はより一層熱心に皆さんの作品を見ました。普段よりも現場で皆さんに声を掛けることも頑張っています。

◆それは主演だからこそ、心掛けたことでしょうか?

そうですね。私は結構人見知りなのですが、自分のままでいたら、「あ、集中されているのかな」と逆に気を使われちゃうというか。プロデューサーの鈴木(努)さんにも、本当にみんなで楽しんで作ってほしいとおっしゃっていただいたので、じゃあ楽しむしかないと思って。オンオフのスイッチの切り替えも大事ですけど、純粋に7人みんなで笑い合える瞬間を大事にしようと思って、たくさんお話できたらいいなと思っています。

◆主演としての立ち居振る舞いは、これまで出演してきた作品などで学ばれたのでしょうか?

私が今まで見てきた役者さんたち、本当に皆さんすごく現場を盛り上げてくださいますし、腰の低い方が多かったんです。なので、私もそうならなきゃと思って、参考にさせていただき、すてきだなと思ったことを拝借しました。

『最高の生徒 ~余命1年のラストダンス~』©日本テレビ

◆事前に、共演者の過去出演作を見られたということですが、印象が変わったことなどありますか?

みんなそれぞれ印象が変わりました。山下さんが関西出身というのは知っていたのですが、女性の多い現場だからなのか最初は結構静かにされているイメージがありました。ですが、同じシーンが増えていくうちに、つまらないボケをかましてきたり(笑)。「あ、関西人だ」という部分が見え隠れする瞬間があって、面白いですし、ものすごく腰の低い方です。最初ダンスレッスンでお会いしたときも、私が「よろしくお願いします」とごあいさつさせていただいて、一度離れたと思ったら、また駆け寄ってきてくれて、「藤原とひかりで、たぶん大事なシーンが多いと思うので、なるべくしゃべりかけるようにします」と宣言しに来てくださったんです。ものすごく丁寧で役のこと、作品のことをすごく熱心に考えていらっしゃるんだなと思いました。

杢代さんはお顔立ちもはっきりされているし、勝手な外見の印象からクールそうな方なのかなと作品やSNSを見て勝手に思っていたんですけど、いざ現場に入ってみたら、杢代さんが自らボケ役に回ってくれたりして現場を明るくしてくれます。

なぎさちゃんは、先ほどもお話しましたが、ふわふわしているかと思ったら、おじさんみたいな一面があったり(笑)。本当にゲラゲラよく笑ってよくしゃべる方。菊地姫奈ちゃんも、最初はすごく人見知りで寡黙なイメージがあったんですけど、今は思っていることがすぐ顔に出てしまうような分かりやすい素直な方で、何でもしゃべってくれるし、話を聞いてくれます。

志田こはくちゃんもコミカルなお芝居がすごく上手なんです。真面目に見えて、とても器用だし、何でもうまくやるし、でもいつもニコニコしていてふざけるのも大好きだし、ものすごく天然でコミカルな部分がある方なので、もっとお芝居を見ていたいなと思っています。

みとゆなちゃんはほとんど初めてのお芝居経験とのことですが、現場での居方が芸歴何年目ですかってぐらい本当に肝が座っている方。強さがあるし、SNSで見るみとゆなちゃんとは違った魅力がお芝居に現れていると思うので、みとゆなちゃんの良さがみんなに伝わればいいなとも思っています。

私たち7人が本当に人という字のようにみんなで支え合って、誰か1人でも欠けたらダメだっていう気持ちで作品を作っているからこそ、すごくグルーブ感が出るというか、いいものづくりができているな、幸せだなと思う瞬間が現場では多いです。

◆『最高の生徒』のTikTokを見ていても、仲の良さが伝わってきます。

そうなんです。SNS撮影もみんなで一緒に楽しんでいます。SNSはすごく明るいし、ポップな感じですが、これから作品はどんどん苦しいシーンも出てくるので、どうやってそこの対比がつくんだろうと思って、ちょっとドキドキしています。

◆監督やプロデューサーと相談して作り上げているところはありますか?

分からないことがあったら都度聞きに行きます。中でも、私はよく先々の相談をすることが多いです。『最高の生徒』とクロスオーバーしている『最後の教師』で登場する隣の教室で起きている出来事がこちらの世界線にも影響してきます。なので、ひかりが今後どうなっていくのか、ひかりのつらさをどこで発散すればいいのか先々が見えにくいんです。やっぱり“ポジティブモンスター”と言っても余命1年というのはつらく、その気持ちを吐露する場所について相談したところ「ひかりの感情が湧き出るところがあるから、それを大切に演じてほしい」と言われました。本当にそれぞれのキャラクターが演じやすいように意見を取り入れてくだいます。

監督の西村(了)さんも、「言いづらいせりふがあったら、語尾ももちろん変えていいし、芽育さんが演じやすいように、ひかりでいやすいようにやってください」とおっしゃってくださるので、それはすごく演じやすいですし、より一層自分がひかりに近づけるポイントでもあります。

◆本作が『最高の教師』と物語がクロスオーバーしていますが、視聴者の方にどのように楽しんでもらいたいですか?

どちらも死が関わってくる作品です。『最高の教師』の九条先生(松岡茉優)は生徒に殺される1年前にタイムリープしていて、私は余命1年と宣告を受けている。同じ鳳来高校にいて、あと1年で死ぬと境遇にいるけれど全く別のキャラクター。人間っていろんな生き方や人生の終わり方に違いがあるんだなと学ぶことが多いと思います。今まであるようでなかった、同じ世界線のお話なので、昼間に『最高の生徒』で3年C組、夜は『最高の教師』で3年D組を見ていただいて、その中でも藤原はどちらのドラマにも出ているので、一緒に見てくれたらより一層面白いと思います。

◆ひかりのポジティブさが周りに影響を与えていると思うのですが、最近周りから受けた影響はありますか?

山下さんがダンスを本格的にやってらっしゃる方で、一緒にダンスレッスンをしていても、本当にお上手ですごいです。そんな山下さんやこの作品に影響を受けて、ダンスを始めました。実は私も小、中、高校生でダンスをやっていましたが、飽き性なこともあってやめたり再開したりを繰り返していて、もうちょっとダンスを突き詰めていればよかったなと後悔していたので、この機会に最近再開しました。ジャズファンクやガールズヒップホップなどのジャンルのダンスが好きで、踊っているときはすごく楽しいです。地元の先輩がダンスのインストラクターをやっていて教えてもらっているのですが、その先輩から「ダンスは何歳になっても、音や踊ることを楽しめるというのはすてきなことだし、演技に生きると思うよ」と言われたんです。この作品でダンスをやることによって、あらためて楽しいと思える自分がいますし、ダンスを突き詰めようと思えた自分を褒めたいし、行動に移せた自分も偉いと思うし、すごくいいきっかけになったなと思います。

◆ひかりのポジティブが畑さんにも影響していますね。

そうですね。アクティブさは、ひかりにすごく引っ張られて生まれてきた感情だと思います。

◆第5話の見どころを教えてください。

台本頂いたときに涙が我慢できなかったくらいに、ひかりの弱い部分が見えてきます。ひかりが弱さやつらさをやっと吐露できるようになりますし、藤原との関係もそこで少し展開が起こります。ひかりは「Be:STAR」のみんな、藤原、家族と離れることが分かっているからこそつらい部分は多いですが、その中でも胸が締めつけられるような甘酸っぱいシーンやそれぞれが新しく夢に向かって進み出すシーンもあります。そして、作品に入る1か月前ぐらいからずっと部活のようにやってきたダンスをBe:STARとして文化祭で披露するシーンもあるので、ぜひ見てもらえたらとてもうれしいです。

『最高の生徒 ~余命1年のラストダンス~』©日本テレビ

PROFILE

畑 芽育
●はた・めい…2002年4月10日生まれ。東京都出身。O型。主な出演作はドラマ『純愛ディソナンス』、映画「なのに、千輝くんが甘すぎる。」など。現在『ノッキンオン・ロックドドア』(テレビ朝日系)にも出演中。

番組情報

『最高の生徒~余命1年のラストダンス~』
日本テレビ(関東ローカル)
毎週土曜 午後2時30分~3時 ※一部変更の場合あり。

※放送と同時にTVerにて無料配信

<キャスト>
畑芽育、山下幸輝、杢代和人、齊藤なぎさ、志田こはく、菊地姫奈、みとゆな
武田航平、犬飼貴丈/瀧本美織/星野真里

<スタッフ>
演出:西村了(AX-ON)、長尾くみこ
脚本:関えり香、上野詩織
制作:下村忠文
プロデューサー:鈴木努、福井雄太、久保真一郎、星野恵(AX-ON)、林洋輔(ウインズモーメント)
制作会社:AXON
音楽:坂本秀一
制作プロダクション:AX-ON
制作協力:ウインズモーメント
製作著作:日本テレビ

公式サイト:https://www.ntv.co.jp/saisei/
公式Twitter:@z_drama_ntv
公式Instagram:https://www.instagram.com/z_drama_ntv/
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©日本テレビ

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