今年7月にデビュー25周年を迎えた鈴木亜美さん。近年では音楽活動はもとより、「激辛女王」としてバラエティでも活躍するほか、3児の母として子育てにまつわる情報も発信している。そんな亜美さんにこの25年の活動を振り返ってもらうと共に、仕事とプライベートの両立、そして今後の展望を聞きました。
「歌やライブがあるからこそ、今の自分があるんだなと思います」
◆7月1日に25周年ライブ「Ami Suzuki 25th Anniversary Live 〜Let’s Party〜」を開催しました。まずはこちらのライブを振り返っての感想からお願いします。
振り返ってみると、すごく楽しかったです。やっぱり、昔の曲を歌うと皆さん喜んでくれますね。「BE TOGETHER」なんてすごく盛り上がって、みんなでカラオケしているような雰囲気でした(笑)。ここ数年、ずっとライブで声出したりできなかったから、みんなフラストレーションもたまっていたんでしょうね。
◆事前にどんなライブにしたいと考えていましたか?
数年ぶりの声出しライブでしたし、なるべく熱いステージにしたいなとは思っていて。前半は昔の曲を織り交ぜながらダンスミュージックをつなげて、最後はまたダンスミュージックで締めるという感じでなるべく勢いを止めず、とにかくアゲられるだけアゲていこうと考えていました。結果的にたくさんの曲を詰め込んだ感じになりましたね。これでも結構、絞ったんですよ。どの曲を歌おうかが一番、悩んだところで。
◆ダンスや歌唱のトレーニングもかなりされたのでしょうか?
そこはあまりしなかったですね。単独ライブ自体は久しぶりですけど、フェスやイベントみたいな歌のお仕事はなるべく入れるようにしてもらっていたので。年間を通してステージに立つことで、自然と鍛えられている感じなんです。
◆昔のライブと比べて、違いを感じたことはありますか?
客席から話しかけられることが増えました。昔は「あみーゴ!」って声をかけてくれるぐらいだったんですけど、今は普通に話しかけてくる(笑)。慣れない頃は戸惑いもありましたけど、こういう感じも今っぽくていいですね。
◆25周年ということでデビュー当時のことを振り返る機会も多いと思いますが、当時のことでよく覚えていることはありますか?
当時はまだ高校生だったから、春、夏、冬と長期休みになると必ずツアーが入っていましたね。卒業式も卒業証書だけもらって、そのまますぐリハーサルに向かう感じで。毎日のスケジュールが分どころか秒刻みな感じで、今何をやっているのか分からないこともありました。
◆『ASAYAN』のオーディションからデビューするまでは普通の女子高生だったのに、それまでとガラリと変わった生活への戸惑いはなかったですか?
選ばれたときは自分でもしばらく信じられなかったですけど、いざ始まってみたらもうビビッている場合じゃないなって(笑)。なかなかこういうチャンスはないし、それをつかんだからにはしっかりやろうと。でも、楽しかったですよ。
◆何が楽しかった?
やっぱり、一番はライブですね。いくら「人気ですね」みたいなことを言っていただいても、今一つ実感が湧かないんです。でも、ライブになると、目の前にいる人たちが一緒に歌って、「あみーゴ!」って呼んでくれて。本当に自分のことを応援してくれているんだと確認できるから、頑張りがいがありました。
◆この25年間を振り返って、どんなことを思いますか?
私の場合、音楽だけじゃなくいろいろやらせてもらったんですね。DJをやったり、舞台やミュージカル、ドラマをやったり。その時々でいろんなことをやった25年にはなるんですけど、改めて25周年のライブをやって、みんなが盛り上がってくれるのを目にすると、やっぱりこれが自分の原点なんだなというか。歌やライブがあるからこそ、今の自分があるんだなとは思います。
◆お仕事のタイミングという観点から見ると、最近はバラエティへの出演も増えていますが、バラエティのお仕事はいかがですか?
楽しい、難しい、両方ありますね。私、それほど話すのが上手じゃないから、うまく話の流れに乗れないこともあるし、オチも作れないですし。そのたびに、話すのって難しいな、芸人さんってすごいなって感じて。気持ち良く呼んでいただけるために頑張ろうと、自分なりにいろいろ勉強していたりもするんですけど、なかなか実らないですね。でも、分かりやすくたくさんの人に見てもらえる機会ですし、何より子供たちが喜んでくれるんです。「テレビにママが出てる!」って。
◆子供たちはどんな感想を言ってくれますか?
「ママ、かわいい!」って言ってくれます(笑)。面白いのが、テレビに出ている私を指すときは「鈴木の亜美ちゃんが…」みたいな話し方をするんですよ。ちょっと他人行儀になるんですね。でも、「あみーゴ」とは呼ばないですね、不思議と。
「子供たちにちゃんと恥ずかしくない姿を見せられるようでありたい」
◆バラエティの中でも辛い料理を食べる機会が多く、「激辛女王」と呼ばれていたりしますが、そう呼ばれるのはいかがですか?
まぁ私は単に辛いものが好きで、それを普通に食べているだけなんで(笑)。それをみんなで食べることで、ちょっとゲーム感覚の楽しさがあるというか。辛いものが好きな方と一緒になることが多いから、味の好みが合う人とどこの店のどんな料理がおいしいみたいな情報交換ができるのがうれしかったりします。
◆どういう系の「激辛料理」を食べる機会があるとうれしいですか?
おいしいものがいいですね。私、別に辛さを感じないということはなく、辛いことは辛いんですよ(笑)。だから、辛いけどおいしいのが理想的だし、辛さは大丈夫だけどしょっぱくて無理かなということもあるんです。傾向としては、お店の方も辛いものが好きだったりすると、おいしいことが多いですね。
◆味のバランスが大事なんですね。
そうですね。辛いかどうか以前に、おいしいものが好きなので(笑)。お仕事だからちょっと頑張って食べようぐらいはありますけど、基本的に無理はしないですね。
◆せっかくなので、暑い夏を乗り切るのにおすすめの辛い料理を教えてください。
「火鍋」がいいと思います。ネーミング的にすごく辛い料理みたいなイメージがありますけど、四川料理だから、漢方もたくさん入っているんですよ。だから夏特有のだるい感じも癒やしてくれるし、胃腸にも良かったりするので。スパイスカレーと同じような感じですね。発汗するから、体の熱も冷やしてくれるし、食べることで元気になったりします。
◆小さいお子さんもいますが、家でも辛いものを?
家族みんなが食べられるものを普通に作っていますね。で、余ったものに辛いものを入れて、自分用のものを作る感じ。それを1人寂しく食べています(笑)。
◆お母さんがおいしそうに食べていると、子供も興味を持ちませんか?
確かに、次男がキムチにハマり始めているんです。まだ3歳だし、あまり食べるとおなかが痛くなっちゃうかもしれないから、ちょっとだけだよってお箸の先に付けてあげたりするんですけど。最近、「キムチある?」なんて言い始めて、この子は激辛いっちゃうかもなって。
◆難しいところですよね。同じものをおいしいって言ってくれるのはうれしいけど…っていう。
まだ3歳ですからね。まぁキムチだったら発酵食品だから栄養価は高いし、世界的に見れば子供のうちから辛いものを食べている国もあるから大丈夫かなと。あまり行きすぎないぐらいの辛さのものを、適量ならいいかなと思っています。
◆YouTubeチャンネル「鈴木亜美のあみーゴTV」では激辛料理だけでなく、自身の子育ての様子も発信されていますが、こちらの反響はいかがですか?
最初の頃は、私が子育てしていること自体、イメージが湧かない人も多くて。「えっ、あみーゴが子育てしてる?」みたいな感じでした(笑)。最近は「あみーゴもママなんだ、一緒に頑張ろう」って思ってくれる人が増えてきて。そもそも、そうなってほしいなって思いもあって始めたことだから、よかったなと思っています。普段、私も子育てのことで悩んだりするけど、同じような気持ちでいる人の話を聞くと、励まされたりもするんです。やっぱり、悩みを共有できる場所があるのって大事ですからね。
◆子育て中、どんなときにほっこりしますか?
上の男の子2人がパンツ一丁でプロレスをしていたときはキュンとしました。最初はちゃんと服を着ていたんですよ。それがいつの間にか上着を脱いで、あれあれと思ったらパンツしか履いてなくて。なんだ、これって(笑)。でもなんか、癒されちゃいましたね。
◆男の子のお母さんって、諦めと強さを身に付けていく傾向がありますよね。
確かに、いくら言っても全然、耳に入っていないときがありますからね。「ほら、行くよ」って言っているのに、全然付いてこない。「ねぇ、見えてる?」って(笑)。女の子のお母さんを見ていると、「行くよ」って言ったらスタスタ付いていくから、ずいぶん違うなって思いました。でも女の子は女の子ならではの難しさもあるだろうし、やっぱり子育てって一筋縄ではいかないんだと思います。
◆子供たちもママを見て、アイドルや歌手になりたいとは言わないんですか?
今のところ、全くないですね。長男は野球選手になりたくて、大谷翔平選手みたいになるんだって言っています。芸能界より、スポーツのスーパースターに憧れているらしくて。ちょっと前まではYouTuberでしたね。私より全然、HIKAKINさんのほうがスーパーな存在らしいです。
◆次の節目となる30周年をどう迎えたいと考えていますか?
やっぱり、アニバーサリーではライブできたらいいなと思っています。プライベートと同時進行になるし、新曲をたくさん出すとかはできないかもしれないけど、求められる限りは皆さんと一緒に楽しみたいし、大事にしたい場所だなと。あとは私がお仕事している姿を見た子供たちが、ママ頑張っているなと思ってくれたらうれしいです。子供たちもどんどん大きくなり、私のお仕事のことも今より分かっていくと思うから、ちゃんと恥ずかしくない姿を見せられるようでありたいですね。
PROFILE
鈴木亜美
●すずき・あみ…1982年2月9日生まれ。神奈川県出身。A型。98年7月にシングル「love the island」でデビュー。翌年の1stアルバム『SA』、シングル「BE TOGETHER」などが大ヒットとなり、『紅白歌合戦』に初出場した。近年は「激辛女王」としてバラエティでも活躍するほか、3児の母としての情報発信も。8月24日(木)~27日(日)公演の「くまのがっこう音楽劇 ジャッキーと不思議なオルゴール」、9月10日(月)に開催される「新しい保育のイニシアチブ2023」に出演。
リリース情報
Digital Single「I just feel good(Prod.TeddyLoid)」
配信中
公演情報
人気絵本シリーズ「くまのがっこう」を原作とした音楽劇
「ジャッキーと不思議なオルゴール」にメロディー姫役として出演!
2023年8月24日(木)〜27日(日)東京・池袋Theater Mixa(全7公演)
チケット情報:https://l-tike.com/play/mevent/?mid=690929
公式サイト:https://ongakugeki-jackie.jp/
WEB
公式サイト:https://avex.jp/ami/
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●photo/安井美彩希 text/小山智久