日曜劇場『下剋上球児』(TBS系 毎週日曜 午後9時~9時54分)で、コンビニの店長・青沼健太を演じるお笑いコンビ・コットンのきょんさんにインタビュー。演技で意識していることや、鈴木亮平さん、黒木華さんとのエピソードなどを聞きました。
本作は高校野球を通して、現代社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描く、ドリームヒューマンエンターテインメント。「下剋上球児」(カンゼン/菊地高弘 著)にインスピレーションを受け企画され、登場する人物・学校・団体名・あらすじは全てフィクションとなる。
◆「いつかドラマに出られたらいいなと思っていた」とコメントされていましたが、いつ頃からドラマ出演への思いを抱いていましたか?
普段から主にコントをやらせてもらっている中で、ドラマに出ている先輩たちを見て、全く違う畑だからこそ挑戦してみたいなという気持ちが以前からありました。今12年目ですが、正直もっと若い時は夢のまた夢ぐらいのテンションでいたので、最近より出演したいなという気持ちが強くなったのかもしれないです。
◆今回、コンビニの名物店長役での出演ですが、役が決まった時はいかがでしたか?
『下剋上球児』というタイトルだったので、「え、俺、何の役だろう」と思って。それで、僕はこの丸刈りだし「え、いけるかな、高校生役…」と思っていたのですが、ふたを開けたらコンビニの店長だったので、一安心しました(笑)。僕の中で高校野球は丸刈りのイメージがあって。しかも『下剋上球児』と聞いていたので、みんな丸刈りでスタートするのかなと考えていたのですが、金髪だったり、いろんな髪形の生徒とかいて。そのメンバーを見た時に、「あ、絶対違うな」と確信しました。生徒たちと肌ツヤが全然違っていたので(笑)。
◆オファーをもらった時、どういう状況で、どんな感じで伝えられたんでしょうか。
『ラヴィット!』終わりの楽屋で、「きょんさん、日曜劇場『下剋上球児』が決まりました」と言われて。とてもうれしかったです。日曜劇場って、とんでもないじゃないですか。でも、コンビで活動しているので、スケジュールが難しくて。ドラマのスケジュールばかりとってしまうと、相方(西村真二)にも迷惑がかかってしまうので…。そのあたりをうまく調整してもらえました。
どういう役柄かは、後日、コンビニの店長役というのが分かったので、そこからコンビニに行くと、店員の動きなどを意識して見るようになりました。俺の方がチキンを取るのうまいなとか、青沼さんの方が愛想いいなとか(笑)。今までは見てなかったですが、意識して見るようになっちゃいましたね。
◆演じる時に意識していることは?
僕、埼玉県出身でゴリゴリな標準語なんです。ただ今回、三重県出身の役柄ということで、三重弁のイントネーションが本当に難しくて。自分では分からないので、関西出身のスタッフさんだったり、演者の方に、細かいイントネーションをたくさん聞きました。なのでイントネーションや声色は自分の中で意識しているポイントです。
◆今回、名作ドラマを数々出してきた新井順子プロデューサー、塚原あゆ子監督がタッグを組んだ作品ということで、最初の会話で「きょんさんに任せます」と塚原監督から言われたとのコメントがありましたが、実際に現場に入ってからはいかがですか?
基本的には、本当にやりやすい環境を作ってくださいます。「自由で」という言葉はないにしろ、それくらいのテンションで優しく、丁寧に教えてくださって。現場で僕の感情が違ったら、「こうやってやってください」ではなくて、「きょんさん、今の感情もいいんですけど、こういうテンションで次ちょっとやってみてはどうでしょうか」と提案形式で言ってくださるんです。もうこの緑山スタジオを「実家」と呼んでいるぐらいとても居心地がいいです。最高です。
◆放送されてからの反響はいかがでしょうか?
めちゃくちゃありました。始まる前からいろんな媒体で、「きょんが出ます」と流してくださったり、僕自身のSNSでも「日曜劇場、少しですが、関わらせていただきます」と告知させていただいて。ただそれを見逃した方もいらっしゃって、普通に純粋に日曜劇場を見ていて「えー!」とびっくりされている方や、「急にきょんが出てきた!」みたいなテンションの方もいて、SNSのDMにぶわっと感想が届きました。
◆そういった反響の中で印象的な言葉はありましたか?
家族のグループラインで、お母さんからは「日曜劇場、見たよ。すごいね」「本当に人様に迷惑かけないように感謝の気持ちを持って頑張んなさい」と来て。ちょっとボケ気質のお父さんからは「俺だったら、いらっしゃいませのイントネーション、こうしてた」みたいな感じでアドバイスももらいました(笑)。
◆周りの芸人さんたちからは?
南原(清隆)さんが『ヒルナンデス!』終わりで、「日曜劇場見たよ。あれ難しそうだね、イントネーション」「頑張ってね」と話しかけてくださいました。
川島(明)さんからは、『ラヴィット!』の裏で“日曜劇場”と呼ばれています(笑)。本番では“きょん”ですけど、始まる前に「おはようございます」と言ったら、「日曜劇場、よろしくお願いします」みたいなテンションみたいなで言ってくれています(笑)。
◆「TBS DRAMA COLLECTION 2023 Autumn!!」で司会をしていたニューヨークさんが「きょんに注目している」と言われていました。
ニューヨークさん、いじってるんじゃないかな(笑)。屋敷(裕政)さんより嶋佐(和也)さんがドラマに出たい人みたいで。以前、ニューヨークさんと対談みたいなことをした時に、「おまえばっかり出てるんじゃねえよ」とか、「なんで、俺に回ってこねえんだよ」とコントの流れでちょっとキレられたりしましたね(笑)。
◆現場では鈴木さんや黒木さんたちと共演されていますが、お会いしてみての印象はいかがですか?
本当に優しいお2人で、一瞬で心を奪われました。僕が顔合わせ以降、結構時間がたってのクランクインで、そこまでに生徒たちや黒木さん、鈴木さんたちのチームワークや流れが出来ている中で、現場に入っていくので緊張していたんです。僕がメークしている時に、黒木さんが「お会いしたかったです」と。黒木さんはメーク終わってるのに、「隣、座っちゃおう。お話しましょう、きょんさん」と話しかけてくださって、黒木さんの人間力に驚きました。ほかにも、「カメラ、準備します」という時も、コンビニの店内でちょっとお話させてもらったりとか、気軽に話しかける空間を作ってくださって、こういう人たちがテレビとかで活躍されるんだって思いました。
鈴木さんにおいては、ご飯を食べようと思って食堂に行ったら、鈴木さんが並ばれていて。ちょうどその前に鈴木さんと初絡みしたシーンを終えたばかりだったのですが、鈴木さんが「きょんさん、ここはタンメンがすごくおいしいんですよ」と話かけてくださったんです。「1発目は絶対タンメンの方がいいですよ」とお薦めしてもらったので、僕はタンメンにしたんですが、鈴木さんは「僕は、タンメンを食べ続けているので、カツカレーにします」と。それで、さすがに鈴木さんも、この休憩時間を1人でリフレッシュしたいかなと思って、僕、ちょっと離れた角の席で1人食べていたんですよ。そうしたら鈴木さんが「きょんさん、タンメンどうですか」と隣に来てくれて。「なんて優しい人なの」と思って頭抱えちゃいました(笑)。食事中も本当にたわいもない会話をしてくださって、すごくいい方だなと一気に好きになりました。
◆今後目標としたい活動はありますか?
今、コンビニの店員さんで、CMとかにも使ってくださっているのですが、「いらっしゃいませ」とか、「南雲先生」といった短めのせりふが多いので、今後は長ぜりふをやってみたいです。相当難しいとは思うのですが、そういう機会をいただけたら、挑戦したいなと。あとは僕らはコントでもストーリー系のコントが多くて、相方も演じることが好きなので、2人でドラマに出られたらなというのもあります。そしたらスケジュールも調整しやすいでしょうし(笑)。
◆今後注目してほしいポイントを教えてください。
僕のシーンで言えば、出ているところは全体的にはもちろん少ないんですけども、最初の感情からどんどん変わってくるんですよ。野球部員たちの頑張っていく姿を見て、僕自身の生徒に対する感情がどんどん変わっていくっていうのを、あのコンビニのシーンで、表情だけで伝えているので、そこはお見逃しなく。
あと今コンビニの店長ですけど、一応『下剋上球児』ということで、下剋上するんだっていう思いでエリアマネージャーになるように、そのコンビニの本社に行くようにっていう裏テーマでやらせていただいてます(笑)。
PROFILE
きょん
●きょん…1987年11月18日生まれ。埼玉県出身。AB型。お笑いコンビ・コットンでボケを担当。
番組情報
日曜劇場『下剋上球児』
TBS系
毎週日曜 午後9時~9時54分
<キャスト>
鈴木亮平、黒木華、井川遥、生瀬勝久、松平健、小泉孝太郎、小日向文世ほか
<スタッフ>
原案:「下剋上球児」(カンゼン/菊地高弘 著)
製作:TBSスパークル、TBS
脚本:奥寺佐渡子
プロデュース:新井順子
演出:塚原あゆ子、山室大輔、濱野大輝
編成:佐藤美紀、黎景怡、広瀬泰斗
番組公式サイト:https://www.tbs.co.jp/gekokujo_kyuji_tbs/
番組公式X(旧Twitter):@gekokujo_kyuji
番組公式Instagram:@gekokujo_kyuji
番組公式TikTok:@gekokujyo_tbs
©TBSスパークル/TBS 撮影:ENO