西山潤と田中美麗が“フリフレ”を体当たりで表現「恋人ってなんだろうと考えるきっかけに」『こういうのがいい』

特集・インタビュー
2023年11月26日
左から)田中美麗、西山潤©ABCテレビ

「となりのヤングジャンプ」にて連載中で、累計発行部数150万部を突破した、双龍による話題作を実写ドラマ化した『こういうのがいい』。恋愛という形にとらわれ過ぎてしまい、恋人にふと感じてしまう「こういうのじゃない」を“あるある”で描きつつ、男女の本音をストレートに交わし合うフリーダムな日常を紡いでいく。

主人公は、オンラインゲームのオフ会で出会い、束縛のない“フリーダムフレンド=フリフレ”となったIT系企業に務める在宅ワーカーの村田と、エッチが大好きで性に奔放な友香。世間一般に謳われる“恋人関係”の既成概念にとらわれない大人の日常をゆるく描きだす、観察型リアルシチュエーション・ストーリーだ。

TV LIFE webでは、そんな本作で主人公・村田を演じる西山潤さん、友香役の田中美麗さんへのインタビューを前後編でお届け。前編では、原作を読んだ際の印象や役柄を演じる上で意識したこと、印象に残っているシーンなどをお聞きしました。


◆まず、原作を読んだ際の印象を教えてください。

西山:事前に少しエッチな漫画と聞いていたのですが、確かにそういった展開もありながら、それ以上に日常を描いている部分がゆったりとしていて読み心地がよかったので、どんどん読み進めていました。日常の中に登場するエッチなシーンが物語のアクセントになっていて、エッチな漫画というよりも日常を描く漫画として面白さを感じました。コマの使い方も引きの画が多く、まるで部屋にカメラが付いているかのようなアングルで、2人の日常をのぞかせてもらっているような感覚になるといいますか。 僕にとってはそれもとても斬新に感じました。

田中:私は、このお話をいただいた時にどんなお話か知らなかったのでまずは自分で検索したのですが、「とてもエッチ!」と思って(笑)。これを実写化するんだっていう驚きが大きかったです。でも、このエッチに貪欲な主人公たちがドラマでどう描かれていくのだろう、というのは楽しみでもありました。あと、いい意味でこの作品には起承転結がなく、ご飯を食べて、エッチして、寝て…という至って人間らしい日常が描かれているのですが、それにも新しさを感じて。エッチなシーンに対する恥ずかしさはあったのですが、他の漫画では描かれないようなささいな会話や日常的なシーンが丁寧に描かれているので、すぐにこの世界観に入り込んじゃいました。

◆村田と友香を演じる上でそれぞれ意識したことは?

西山:今回、村田を演じる上では何かをしようとする気持ちを捨てることを意識して臨みました。漫画のコマもそうですが、ドラマでも長回しのシーンが多く、村田としてそのままで生きることがなにより大切だなと思ったので。いつもより何倍も時間をかけて 丁寧に村田という役をインプットし、それを作らずそのまま出すという作業をずっとしていました。これまではいざ撮影となると自己流で何か加えたくなったり、不安や迷いが生まれる瞬間が絶対にあったのですが、今回はそれをゼロにすることを目標に、村田の普段の生活リズムはもちろん、生まれてからこれまでの歩みなど、莫大な情報量をインプットしました。それが楽しかったですし、役者としてまた表現の幅が広がったと思います。

田中:私は原作もののドラマをやらせていただくのが初めてだったので、とにかく漫画を読み込もうと、朝起きて読んで、移動中に読んで、寝る前にも読んで…と、撮影中はずっと『こういうのがいい』と向き合って生きていました。友香の生活や好きなものを理解すべく、初めてエッチな動画や写真を見てみたり、これまで全く無頓着だったゲームをやってみたりもして。日常から田中美麗ではなく友香になり切ろうと、探り探りいろいろなことをやってみましたね。まず原作を忠実に再現することを念頭に置きつつ、ドラマ化ということで、自分らしさも大事にしながら撮影に挑みました。

左から)西山潤、田中美麗©ABCテレビ

◆お2人とも見事に村田と友香を体現されていますが、特に田中さんのピンクの髪の毛をはじめとするビジュアルは発表時から「友香のようだ」と話題を呼びました。

田中:ありがとうございます。髪の毛は染めるのに5時間半くらいかかったのですが、染めたことでより友香になれた感覚があって。

西山:裏でも友香のままでした。リアクションとかが完全にそのままなんです(笑)。

田中:最近、電車に乗った時に「どっこらしょ」と言ってしまったり、一人称が「ワイ」になってしまうなど、我ながら気をつけなきゃと思うくらいには友香が憑依していて(笑)。そもそも、友香とどこか似ている部分があったからここまでナチュラルに入り込めたのかなと思っています。

◆“フリフレ”である村田と友香を演じるに当たって、西山さんと田中さんはどのようにコミュニケーションを取り、距離を縮めていったのでしょうか。

西山:それこそ取材のネタになるようなことは何もしていないんです(笑)。いい意味で女優さんとしてではなく、友香であり美麗ちゃん個人として接していました。でも、そもそもクランクインがラブホテルで、お互いの引き出しを全て開けた状態で始まったのは大きかったと思います。なので、撮影2日目で既に1か月半ぐらい一緒にいるような感覚でした(笑)。

田中:確かに(笑)。私はベッドシーンも、そしてキスシーンも初めてだったので、そこから始められたことで恥じらいがなくなったといいますか。幼なじみといいますか、本当に自然な空気感で、撮影中に気を使って話したりすることもなく、気持ちを楽にして臨むことができました。

◆先日クランクアップを迎えられたということで、本作の中で印象に残っているシーンを挙げていただくと?

西山:僕が好きなのは4話(11/19放送)です。恋や恋人について2人が考えるシーンがあるのですが、個人的にもあらためて恋や恋人ってなんだろうと考えるきっかけになりました。村田と友香の中では「恋人である必要なくない?」という結論にたどり着くのですが、これこそがこの作品のテーマでもあり、伝えたいことでもあると思っていましたし、三木(康一郎)監督も凝って撮ってくださって。感情の動きの絶妙なところを友香と攻め合えて、とても印象的なシーンになりました。

田中:私は8話(12/17放送)が本当に好きで。フリフレ関係に慣れてきた村田と友香があらためて本心を語り合うシーンがあるのですが、その時の温かい空気感と、決して3大欲求だけではない2人の関係性や感情が見えて、素直にこういうのいいな、と思いました。友香はがさつに見えて繊細な心も持っている子なので、村田の優しい言葉に心が大きく揺さぶられたはずで…。私自身の心にも響いて、撮影中は毎回泣きそうになっていました。

左から)田中美麗、西山潤©ABCテレビ

◆西山さんご自身は「恋人である必要なくない?」という2人の考えについてどう思いますか?

西山:僕もそれこそこの作品を通じていろいろ考えさせられたといいますか、今まで恋人という存在について考えることをしてこなかったなと気づいて。それから恋人ってなんだろうと自分なりに考えてみたのですが、きっと特別扱いしたり、されたりっていうことなのかなと思うんです。村田は友香を好きだし、友香も村田が好きですが、でもその好きは恋愛ではなく友情で…。これまで恋愛というものを理論的に考えたことがなかったのですが、僕の中では、特別扱いしたい、されたいということなのかな、というところにたどり着きました。

◆田中さんはどう思われますか?

田中:私は束縛まではしないのですが、恋人でも友達でも誰かを好きになると独占欲が出てきてしまうので、村田と友香のようなフリフレ関係を築くということは考えられなくて…。でも、2人のように恋人という存在に疲れを感じてしまった時のことを考えると、お互いの欲を埋められ、気を使うことなく好きなことができ、一緒にいることで楽しく生きられる存在がいるというのはいいなと思います。

◆撮影を終えた今、本作について感じていることは?

西山:僕は、村田と友香がお互いの愛や気持ちをきちんとキャッチボールして、そこから生まれたものがフリフレというすてきな関係値だと思うんです。僕自身も周囲の皆さんとしっかり愛や気持ちのキャッチボールをしていきたいなと思いましたし、いつもそばにいてくださる皆さんを大事にしていきたいな、と。昨夜、今日の取材に向けて「終わっちゃったな…」とお酒を飲みながらまったりと台本を読み返していたのですが(笑)、あらためてめっちゃいいな、こんな愛にあふれてる2人っていないなと感じました。

田中:私は今とにかく達成感を感じているというのと、いろいろ強くなったと思います。友香のおかげで新たな世界も知りましたし、 私が失いつつあったものを再び得られた気がしています。今回の撮影を通して友香に鍛えられました!

左から)西山潤、田中美麗©ABCテレビ

ANOTHER TALK

Q.お2人がほしい“●●フレ=●●フレンド”は?

西山:バイクが好きなので、バイフレ。一緒に飲みに行ったりして、お互いの好きなバイクについてひたすら語り合いたいです。互いの意見に共感するのもよし、時にけんかするのもよし(笑)。バイカーは変わった人も多いですが、皆さん真っすぐなので、ぜひバイクトークで殴り合いたいです!(笑)

田中:私はドラフレ。(西山:ドラえもんフレンド?)…ドライブフレンドです(笑)。私自身は免許を持っていないのですが、ドライブが好きで、母がいつも運転してくれていて。というのも母だと気を使わずに楽しめますが、友達に運転してもらうとなると気を使ってしまうじゃないですか。なので、私がただただ景色を見ていても気にせず、運転してくれる友達がほしいです(笑)。

左から)田中美麗、西山潤©ABCテレビ

PROFILE

西山潤
●にしやま・じゅん…1998年7月12日生まれ、神奈川県出身。2006年に映画「サイレン~FORBIDDEN SIREN~」でデビュー後、映画「20世紀少年」では主人公・ケンヂの幼少期を演じる。近年は『ドラゴン桜 第2シリーズ』『初恋の悪魔』『ホスト相続しちゃいました』『VIVANT』『どうする家康』などに出演。

田中美麗
●たなか・みれい…1996年10月14日生まれ、埼玉県出身。アイドルグループ・SUPER★GiRLSの元メンバー。現在女優、タレントとして活躍中。『ファーストクラス』『ラーメン大好き小泉さん』委員長(高橋潤)役で主演。2018年~2020年まで、雑誌「JELLY」の専属モデルを務めた。

番組情報

『こういうのがいい』
ABCテレビ ※関西ローカル
毎週日曜 深夜0時55分~
※TVerにて見逃し配信、DMM TVにて同時独占配信あり

公式HP:https://www.asahi.co.jp/kouiunogaii/

●text/片岡聡恵

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2023年12月3日(日)午後11時59分

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