Aぇ! group正門良規、京都を一緒に訪れたいメンバー明かす 蓮佛美沙子は正門のアドリブに驚き『京都のお引越し』

特集・インタビュー
2023年11月28日
『京都のお引越し』左から)正門良規、蓮佛美沙子©ABCテレビ

A! groupの正門良規さん演じる主人公・俊也らの心情を描くドラマパートと、俊也が訪れた京都で出会う店や人々を紹介するドキュメントパートという2部構成からなる『京都のお引越し』が1229日(金)に放送。ドキュメントパートでは実際にある飲食店やアンティーク店、生活雑貨店を訪れ、正門さんが役柄の「俊也」として店主らに話を聞いていく。

今回はそんな俊也役に挑む正門さんと、俊也のいとこであり、キーパーソンとなる佐紀役を演じる蓮佛さんに、現場の雰囲気や撮影時のエピソード、初共演となるお互いの印象や本作の見どころなどをお聞きしました。


◆クランクインしてまもなくとのことですが、現場の雰囲気はいかがですか? 

正門:これまでドラマは何作か出演させていただいたのですが、経験値はまだまだなので、最初はこの構成に戸惑いも感じつつやっていました。でも、そんな僕に対し、監督が感情やリアクションが素直に伝わってくるからそのまま自然体でいいよと言ってくださって。まだ撮影2日目ではありますが、求められていることがだんだんとつかめてきた気がしています。 

蓮佛:私が今回驚きだったのは、段取りをせず、現場に着いたら周囲を見渡して「よし、回そう」と撮影が始まること。衣装合わせの際に、監督やメイクさんから事前情報として「そういう組だよ」と聞いていたので、「こういうことか…!」と(笑)。なので、正門君とのお芝居もお互いリアルに近いところでやっていて、何が出てくるか分からない難しさもあるのですが、それが新鮮でとても楽しいです。

正門:監督がアドリブもどんどん入れてね、とおっしゃってくださって。

蓮佛:せりふとせりふの合間にも、何か思ったことがあれば言ってねと声を掛けてくださるんです。でも、正門君はさっき撮っていたシーンでも「恥ず!」とか、たくさんアドリブを入れていてすごいなと思って。

正門:いえいえ、もうやって怒られようの精神です。監督も大体面白がってくだるのですが、たまに「いらん」と言われます(笑)。しかも、なかなかカットをかけないんですよ…(笑)。でも、蓮佛さんもドラマでこんなに時間を気にせずやれるのは久々だとおっしゃっていましたよね。

蓮佛:そうなんです。普段であれば尺を気にしないといけないですし、これまでそんなにアドリブを入れられる機会もなくて。このドラマも放送時間は60分と決まっていますが、どこをどう編集されても面白いのだろうなと思えるくらい、ゆったりと余白も大切にやっている感覚があります。 

正門:ありますね。今日も川沿いで撮影していたのですが、スタンバイ中にボーっと川を眺めていたら、監督が突然「それ撮ろう」って。驚きはしたのですが、きっと何か見えているんでしょうね。監督にお任せすればなんとかなるだろうという安心感があるので、出来上がりがすごく楽しみで。果たしてあのシーンは使われているのか、どこまで流れるのだろうというワクワク感もあります。

◆お2人は今回が初共演とのこと。いとこ役を演じられるということで、お互いの印象はいかがですか?

蓮佛:昨日初めてお会いしてまだ2日目なのですが、正門君はすごく自然体な方。なので、俊也と佐紀はいとこで、かつ何年か一緒に住んでいたという設定なのですが、一生懸命会話をしなくてもその空気感にスッと入れた気がしたんです。背伸びもしていないですし、いい意味で力が入っていない感じがドラマにも出ているんじゃないのかな、と。私は勝手にすごくやりやすさを感じています。

正門:うれしいです。僕も、骨董品の写真を一緒に撮るシーンではもう永遠にしゃべっていられるんじゃないかなと思いました(笑)。実は最初はすごく緊張していたのですが、ごあいさつをしたら柔らかい方だったので、良かったとホッと安心して。実はバレないよう、怒られない範囲で普段の会話からタメ口を入れています(笑)。

蓮佛:えっ! 全然タメ口で大丈夫だよ(笑)。

正門:そういう雰囲気がドラマにも出るかな、と思って…(笑)。

蓮佛:確かに。さっきもお話したように現場に着いてすぐカメラを回すので、裏も表もあまり境目がない気がするんです。もちろんお芝居はしていますし、お互い役としてのギアは入っていますが、温度感みたいなものは地続きで映し出されているのかなと思っています。

『京都のお引越し』正門良規©ABCテレビ

◆撮影を経て、あらためて京都という街に感じる魅力は?

正門:既に何件かお店にも行かせていただいたのですが、歴史のある町なので勝手に身構えていたんです。観光地であればいろんな人がいてフラットなので、自分もその輪の中に入って気楽に楽しめるのですが、皆さんの生活圏に入っていくとなると背筋が伸びるといいますか…。そういう先入観があったのですが、いざ入ってみたら皆さんとても温かく、おしゃべりも上手でいろいろ引き出していただいて…。日々救われることばかりです。

蓮佛:私は元々京都が大好きなので、今回のお仕事はもうご褒美みたいな感じでした。正門君も言っていたように、今回は皆さんの生活圏の中で撮影させていただいているのですが、 空気から何からこれまで感じていたものとは違いますし、永遠に散策したくなる、掘りたくなる街という印象がさらに強くなりました。今日もロケでボタン屋さんにお伺いしたのですが、オーナーの方とお話していると、好きというエネルギーを基に生きている人ってこんなにキラキラしているんだな、と。京都にはそういう方が多いように思うので、そこから生まれる温かさや充実感が独特な京都らしさにつながっているのかなと感じました。

◆お2人は劇中でさまざまなお店を訪れますが、印象に残っている場所は?

正門:僕は「松屋常盤」さんです。ドラマにも出てくる「松風」というお菓子が有名なお店なのですが、一見パッと見ただけでは何のお店か分からないような風情ある建物で。中も歴史ある貴重なものがズラーッと並んでいるのですが、お店の方はそれを「ええねんええねん、触ってみて!」と勧めてくださるんです(笑)。昔からさまざまな偉人にお菓子を献上されてきたそうで、今までの僕の人生では聞いたことがないようなワードがいくつも出てきたり、ガイドブックには載っていないような街の情報をたくさん教えてくださって、お話を聞いているだけでも面白かったです。

蓮佛:私は、先ほどもお話したボタンのお店の「エクラン」さん。壁一面に100万個ものボタンが並んでいて、圧倒されてしまうほどの華やかさなんです。そして、なによりお店のオーナーさんが生き生きとボタンの歴史について語っていて、撮影が終わった後も貴重なボタンをいろいろ見せてくださって。ボタンに対する愛情と真っすぐな熱量に触れて、とても楽しい時間を過ごせました。

『京都のお引越し』左から)正門良規、蓮佛美沙子©ABCテレビ

◆正門さんはAぇ! groupの皆さんなど、周囲に関西出身の方が多いと思いますが、京都を一緒に訪れるなら?

正門:同じメンバーのリチャードです。彼は京都出身なのですが、今回のドラマで僕らが訪れるようないわゆる郊外に実家があって。メンバーに対してこんなこと言うのも恥ずかしいですが(笑)、小さいころに彼が遊んでいた公園とか学校に連れて行ってほしいです。出会ったのが中学生のころで幼なじみではないので、昔のことは知らないことが多くて…。あと、ぜひ実家に遊びに行きたいです(笑)。

◆この作品の見どころはどういった部分になりますか?

正門:正直、劇的なドラマがあるかというと、決してそうではないんです。でも、登場人物それぞれがきちんと信念や軸を持っていて、皆さんと同じような悩みや葛藤も抱えています。そんな人間ドラマをかみ締めてほしいというのはもちろん、街や店など空間全てが主役の物語でもあるので、無責任な言い方かもしれませんが、ぜひ自由に楽しんでいただきたいです。実際にロケ地に行ってもらって追体験していただいても面白いと思いますし、皆さんがこれを見てどう思われるのか、どう楽しまれるのかを僕も楽しみにしています。

蓮佛:もちろん作品として伝えたいこと、我々が役を通して届けたいもの、というのはあるにはあるのですが、まずは純粋に物語を体験していただけたら、と思っています。私たちが毎日やっていることがそのまま映し出されていて、“生きている”ということをそのままダイレクトに肌で感じられる作品になっているのかな、と。もちろん台本があるので私たちはせりふをしゃべってはいますが、リアルとの境目のなさといいますか、こんなに生の呼吸を感じられる作品はなかなかないと思うので、ぜひそれを感じていただきたいです。

◆最後に、放送を楽しみにしている視聴者の皆さんにメッセージをお願い致します。

正門:師走の多忙な時期に放送されるので、ホッとひと息つけるような作品になったらいいなと思います。あと、初詣は京都に行こうとか、皆さんが京都に足を運ぶきっかけになったらいいな、とも。そして、もし俊也と同じく将来のことなどでモヤモヤしている方がいたら背中を合わせられる作品にもなっていると思うので、何か皆さんの原動力につながればうれしいです。きっと何か感じていただけることがあると思うので、ぜひリラックスしながら楽しんでください。

蓮佛:先ほどお話したことと重複してしまうのですが、生きている美しさって、実はとても大切なことでありながら、日々バタバタと生きていく中で忘れがちなことでもあると思うんです。でも、この作品を通してそこに立ち返ることができますし、そんな皆さんの気持ちにそっと寄り添ってくれると思いますので、ぜひこたつでみかんを食べたりしながら、まったり楽しんでいただけたらうれしいです。

『京都のお引越し蓮佛美沙子©ABCテレビ

PROFILE

正門良規
●まさかど・よしのり…19961128日生まれ。大阪府出身。AB型。アイドルグループ・Aぇ! groupのメンバー。連続テレビ小説『スカーレット』(NHK総合ほか)、『年下彼氏』(ABCテレビ)、『和田家の男たち』(テレビ朝日系)をはじめ、現在放送中の『THE GREATEST SHOW-NEN』(ABCテレビ)にも出演中。愛称はまさかど、まっさん。

蓮佛美沙子
●れんぶつ・みさこ…1991227日生まれ。鳥取県出身。O型。映画「犬神家の一族」でデビュー。「バッテリー 」でヒロインを演じ、 「転校生-さよならあなた-」で初主演を務め、キネマ旬報ベスト ・テンと高崎映画祭で新人女優賞を受賞 。近年の出演作に、映画「スイート・マイホーム」「女優は泣かない」や、『今夜すきやきだよ』(テレビ東京系)、『大奥 Season2』(NHK総合ほか)などがある。

番組情報

『京都のお引越し』
ABCテレビ ※関西ローカル
2023年12月29日(金)午後11時04分~深夜0時04分(時間変更の可能性あり)
※ABCテレビにて放送後、TVerで見逃し配信あり

●text/片岡聡恵

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