12月4日(月)にスタートするドラマプレミア23『SHUT UP』(テレ東系 毎週月曜 午後11時6分~11時55分)。主演の仁村紗和さんのほか、莉子さん、片山友希さん、渡邉美穂さんに、作品・役についてや、お互いの印象などを聞きました。
貧しい女子大生4人が100万円強奪計画を企てる本作。学費も生活費も自分で稼ぐ苦学生・由希(仁村)は、同じ境遇である恵(莉子)、しおり(片山)、紗奈(渡邉)と共に寮で身を寄せ合いながら「貧しさを諦めたくない」と日々思いながら過ごしていた。そんなある日、一人の妊娠が発覚。しかし相手の男性は相談に乗らないどころか、ばかにするだけで向き合ってさえくれなかった。非力だと見下された悔しさとむなしさ。どうにもならない現実に、彼女たちは自分たちなりのやり方で立ち向かうことを決意する。しかし、その復讐はやがて周囲の人々も巻き込んで思わぬ方向に。ある一夜の真実、そして性暴力事件を知ることになる。
◆最初に本作のお話を聞いた時の作品の印象はいかがでしたか?
仁村:最初にクライムサスペンスと聞いて、展開が面白そうだなと思いました。でもその上で台本を読むとそれだけではなくて、友情物語だったり社会的な部分もあったり、経済的に苦しんでいる女性や学生さん、性的同意など、いろいろなものがドラマの中に織り込まれている感じで、すごくやりがいがありそうだなと感じました。
莉子:今までみんなが思っていても、あまり映像として世の中に出してこなかった題材だなと思いました。私たち4人は苦学生という同じような環境で生活している役ですが、その4人だからこそ伝えられる内容になっている。女性というくくりだけでなかなか口に出せないことや、女性というだけで何かを言われたりすることも世の中にまだまだあると思いますが、それを映像にすることによって伝えられる部分が大きい作品だと思います。もちろん最初は不安もありましたが、すてきな共演者の方々に囲まれて、今は楽しく撮影をしています。
片山:私はあまり女の子たちの友情物語という作品の経験がなかったので、最初にお話を聞いた時は演じてみたいなとすごく思いました。あと、個人的な話になりますが、私が上京して初めてレギュラードラマのオーディションに受かったのがテレ東さんのドラマ『セトウツミ』なんです。なので、テレ東さんにはとても感謝していて。テレ東さんが作るドラマには今後もぜひ関わっていきたいなと思っていたので、このお話を聞いた時はすごくうれしかったですし、すぐにやりたいですと答えました。
渡邉:実は私もこのお仕事を始めてから初めて出たドラマがテレ東さんのドラマなんです(『Re:Mind』)。なので私も同じ気持ちで、すごく分かるなって。
片山:ほんとに?(笑)
渡邉:本当なんです! ネットにもそう書いてあります!(笑)最初にお話をいただいた時は、社会派なドラマだなと思いました。ただ、社会派とは言ってもすごく暗いイメージではなくて、リアルな温度感の女子大生たちが出てくるというところは、4人の関係性やどういう会話が繰り広げられるのかというところが個人的にもとても楽しみでした。実際に撮影が始まってからは、皆さんとお話しするのがとても楽しくて。お芝居をしていてもテンポ感が心地よくて、ずっとやってみたかったと思っていたことができた感じがしました。社会問題に取り上げられていたり、同じような経験をされている方が世の中にたくさんいるだろうなという題材だったので、社会に一石投じると言いますか、この作品で何か影響を与えられたらいいなと思います。
莉子:渡邉さんは普段本当に明るくて完全にムードメーカーなので、こんなに真面目にしゃべっていることが新鮮です(笑)。
渡邉:あまりみんなの前では真面目な話はしていないのでたしかに新鮮かもしれないです(笑)。
◆それぞれ演じるキャラクターの印象や、演じる上で意識していることがあれば教えてください。
仁村:私が演じる由希は、正義感が強くて芯があって仲間思い。でも4人でいる時は精神年齢が高めだと感じる部分があります。最初監督とお話した時に、「あまり分かりやすくはしたくない」とおっしゃっていて、お芝居でも自然な会話の流れを意識しています。その中で私がする表情や行動の意味を、見てくださる方に理解していただかないといけないので、難しさも感じましたし、どう見えてるんだろうなというのを監督と話しながら自分でも考えて演じています。
莉子:私が演じる恵は、4人の中だと女の子らしくてかわいらしさがあって。何事もハキハキ言うというよりは、自分の中で「これ言っていいかな」ととどめるような子です。でもドラマの後半にかけて、自分の意見や思っていることを言うようになる。そんな成長が見られるので、そのバランスが難しくて。私自身は何でもハキハキ言うし、女子高出身だったのもあって雑な部分もあるので、「ちょっと抑えて」と監督にも言われることもあります(笑)。なるべくそこを保つように頑張っています。
片山:4人それぞれ優しい部分がありますが、私が演じるしおりは特に恵に寄り添っている印象が強くて。しっかりしているし、台本を読んでいても実際に演じていても、節々に優しさを感じます。最初の方なんかは、友達としゃべっているのにたまに敬語になるときがあるんです。「そうなんですけどね」って。その話し方が面白くて私のお気に入りのポイントです。
渡邉:私が演じる紗奈は、すごく素直で一生懸命で、感情が表に出やすい子です。その一生懸命さが裏目に出てたまに暴走してしまうこともありますが、4人の中で一番のムードメーカーで。彼女の明るさによって暗かった空気が明るくなったり、みんなの気持ちの切り替えのきっかけになるような部分があるので、その仲間思いで優しい部分も大切にしながら演じています。
◆撮影をする中で、監督から言われた言葉で印象に残っているものや、そこから役に反映させたことはありますか?
仁村:衣装合わせの時に役のすり合わせをすることが多いのですが、私のまま等身大でいてほしいと監督にお話しいただいて。なので自分の感覚を大事に演じさせていただくことが多いです。先ほどお話した監督の「分かりやすくしたくない」という考えは、みんなの空気感や画作り、自然な会話を大事にしたいということにつながると思うので、みんなでそこを意識しています。
莉子:4人で日常会話をするシーンで、監督に「だいたいこのあたりに座ってください」と言われてそれぞれ指定されたところに座って撮影をしたら、監督の中で「いや…」となったことがあって。その後「1回みんなが座りたいところに座って自由にやっていいよ」と監督が言ってくださって、みんなで自由にやったら、監督も「こっちの方がいいよ、仲の良さが伝わる」とおっしゃっていてそれが採用されたこともありました。本当に自然に出てくる行動がそのままドラマに映し出されている部分がけっこうあります。
片山:私も同じようなことを思っていて。女の子同士で集まると、ボディータッチが多いなと思ったんです。女性スタッフの方たちを見ていると、ひじでつついたりしていて、そういうの私もけっこうしているなと。それをお芝居でも自然に出せたらいいなと思います。
渡邉:私はこの役のために髪も染めたのですが、ドラマの企画書には紗奈はマイルドヤンキーって書いてあったんですよ。私は不良やヤンキーの役をやることが多くて、そのために誇張したお芝居を求められることが多かったのですが、リアルな大学生でギャルっぽい子ってそんなにいきすぎてないよねと思っていて。私自身、普段は丁寧な言葉というよりはけっこうラフな話し方をしているので、それをそのまま反映させると若者言葉っぽかったりやんちゃっぽい感じにも聞こえるかなと思って、せりふも自分の言葉らしくなるように少し変えさせていただきながら演じています。そしたら本間かなみプロデューサーから「フィクションとノンフィクションの狭間っぽいお芝居ですごくいい」とお褒めの言葉をいただきました。そこを狙っていた部分もあったので、すごくうれしくて。マイルドヤンキーって難しいなと思いながらも、現実とかけ離れていない、いきすぎていないところで抑えながら演じていけたらと思います。
◆演じていて難しいと感じたことや気づきがあれば教えてください。
仁村:寮に住んでいる4人の生活感を出すことですね。初日から寮のシーンの撮影だったのですが、実際私たちはここに来たのは初めてで、初めて触る家具ばかり。自分の中で肌になじむまでに時間がかかるし、この4人との空気感も作らないといけないし…という難しさを感じていました。でも、この3人があまりにも接しやすい方たちだったので、寮の中でもありのままでいられましたし、自然に演じることができてすごくありがたかったです。
莉子:私は普段学園ものだったり原作ものだったり、せりふっぽいせりふでお芝居することが多くて。でも今回このメンバーと共演させていただくと知った時に、新しいお芝居のやり方にチャレンジできそうだなと思ったんです。3人は、リアルというか、お芝居だけどお芝居っぽくない作品に出られている印象が私はすごくあって。すごく勉強になるだろうなと思いながら今回この現場に入りました。せりふ一つとっても、言い回しや間の取り方、速さなどで聞いた側の印象も変わってくるんだなと思いましたし、動きに関しても、何回も何回もいろいろな角度から撮るので形として固定されがちで。それをどれだけ毎回新鮮な気持ちでできるかということが、私が普段お芝居をしている時も課題でした。いつも監督に「新鮮味がなくなってきたよ」と言われていたので、今回それをより身に染みて、やっぱり難しいな、もっと頑張らないとなと思っています。
片山:気づきとは少し違うかもしれませんが、“女4人”というのがすごく大きいと思うんです。ここに男性がいるとまた変わってくるだろうし、みんなちょっとあらたまったり意識したりすると思いますが、女性だけの4人なので、そういう意識もないだろうなと。なので、座り方やご飯の食べ方は、男性の目を気にしないリアルな女性になるだろうなと思っていて、そのあたりは意識しながら演じさせていただいています。
渡邉:皆さんのお芝居がすごく勉強になります。私は昨年までアイドルをやっていて、まだまだ役者としての経験値が足りなくて。いろいろな俳優さんとこうやってご一緒させていただいて、すごく勉強になるなと常々思っています。返事一つにしても、それぞれのキャラクターをちゃんと出してくる。「はい」でも「うん」でも、それを言う人が誰か、そしてそれを誰に対して言っているかということでやり方って変わってくるなと。皆さんを見ていてそれをすごく感じました。あまり普段は恥ずかしくて言えませんが、自分にカメラが向いていない時はめっちゃ横目で見てます(笑)。
莉子:怖い…(笑)。
渡邉:怖い!?(笑)ごめんなさい(笑)。そうやって見て、こんな表情でやってるんだ、なるほどって実はこっそり思ってます(笑)。
◆現場の雰囲気や撮影中のエピソードがあれば教えてください。
仁村:現場ではすごくいろいろな話をしていて…。監督に「ちょっとみんな1回落ち着こうか!」って言われるくらいわーっとしゃべってしまっています(笑)。スタッフさんも若い方が多くて、監督もお若いので、現場の雰囲気は明るいです。
片山:最初から濃いシーンを撮影したのもあって、一気に仲良くなりました。
莉子:みんな本当に“女子”で(笑)。会話の内容もすごく薄くて、本当に中身のないとりとめのない話をしているんです。さっきも控室で好きなクリスマスソングは何だっていう話になって、曲を流しながら踊ってました(笑)。
仁村:4人の中でも、3人が3人兄弟の末っ子で、もう一人(莉子)は一人っ子で。自分が強いメンバーが多くてみんな我が道を行くというか(笑)。でもなぜかみんな協調性はあるっていう不思議な化学反応が起こっています。
片山:みんなでしゃべっている時に紗和ちゃんがふわ~っとどこかに行っても何も気にしないよね。
仁村:一緒にいてすごく楽ですね。
◆皆さんの仲が良い雰囲気が伝わってきますが、最初にお会いした時と今とで印象が変わった方はいますか?
(仁村、莉子、渡邉が片山を指す)
仁村:(片山は)ダントツで印象が変わりました。おきれいですし、最初はかわいいなという印象で、写真でもスッとしていて凛としたイメージだったんです。でも京都出身だと知って、どんな子なのかなと思っていたら、けっこう強めの京都人で(笑)。物事をちゃんと言ってくれますし、内を向いている感じなのかなと思いきや、めちゃくちゃ開いている感じだったので、すごくいいギャップでしたしイメージはガラッと変わりました。
片山:最初は皆さんがどういう人か分からないし、(ドラマのクールの)3か月ごとに40人、50人の方と初めましてでお仕事をするってすごい仕事だなと思います。その都度緊張するんですけど、しゃべっていって嫌な人じゃないなと分かるとすごく打ち解けますね。
莉子:でも、みんなギャップがある気がする。紗和ちゃんと私は年齢が9歳違うので、最初は何でも自立しているお姉さんみたいな感じなのかなと思ったら、めちゃくちゃかわいらしい一面もあって(笑)。
片山:たしかに。擬音の例えとかめっちゃ変なんですよ(笑)。その言葉何? みたいなことを言っていたりします(笑)。
莉子:そこが私はキュンってします。
渡邉:紗和ちゃんご飯食べるのめっちゃ早いんですよ。これ恐怖体験なんですけど、紗和ちゃんと私と一ノ瀬颯さん、共演者3人で並んで、おいなりさん3つと他におかずが入っているお弁当を食べてて。私たちがゆっくり食べていたら、食べ始めて3分くらいで紗和ちゃんがごちそうさまでしたって言ってて、絶対おいなりさん丸飲みしてるんですよ(笑)。本当にびっくりしました。
仁村:そのエピソードいろんなところで話しすぎ(笑)。
◆衝撃的な展開の物語となるドラマですが、皆さんが撮影で衝撃的だったことはありますか?
片山;紗和ちゃんの水を飲む早さ(笑)。
莉子:それなら(片山は)水を飲む量すごいよね?
片山:1日3リットル飲むようにしていますね。
渡邉:それは衝撃ですよね。
莉子:現場の水もすごい勢いで飲んでるから…。
仁村:あと、撮影の仕方で衝撃なことがありました。普段カメラって下にタイヤがついていてころころっとベビーカーみたいに動かしているんですけど、この現場ではレールみたいなものが上にあってカメラが吊り下がって動いていて。ドラマの現場で見たことがなくてそれが衝撃でした。面白い画が撮れているんだろうなと思いますし、どうなっているのか私たちにも分からないので放送が楽しみです。
片山:それと、みんな衣装がかわいい。
莉子:それ衝撃?(笑)
片山:衝撃のかわいさ(笑)。キャラクターに合ってるんですよね。
◆女子大生が100万円を強奪する計画を企てるというストーリーにちなみ、強奪したものではない100万円がもらえるとしたら、何に使いたいですか?
仁村:冷蔵庫と洗濯機ですね。しわしわにならないやつ。
莉子:私はロボット掃除機とi Padを買います。
片山:私は全部遊びに使います。友達と海外旅行に行ったり…。
渡邉:私はソファーが今すごく欲しいんですよね。お店でひと目ぼれしたソファーがあって。お店の方からいろいろ説明を受けて組み合わせも選ぼうとしたんですけど、すごい値段を提示されたので近い未来また来ますと言って…(笑)。
莉子:私も知ってる! めっちゃかわいいんだよね。
片山:みんな現実的(笑)。
PROFILE
仁村紗和
●にむら・さわ…1994年10月13日生まれ。大阪府枚方市出身。O型。
莉子
●りこ…2002年12月4日生まれ。神奈川県出身。B型。
片山友希
●かたやま・ゆき…1996年12月9日生まれ。京都府出身。A型。
渡邉美穂
●わたなべ・みほ…2000年2月24日生まれ。埼玉県出身。A型。
番組情報
ドラマプレミア23『SHUT UP』
テレ東系
2023年12月4日(月)スタート
毎週月曜 午後11時6分~11時55分
配信:各話放送終了後から、動画配信サービス「U-NEXT」「Lemino」にて第一話から最新話まで見放題配信
全国どこからでも 「TVer」でリアルタイム配信
広告付き無料配信サービス「ネットもテレ東」(テレ東HP、TVer)にて見逃し配信
主演:仁村紗和
出演:莉子、片山友希、渡邉美穂、一ノ瀬颯、芋生悠、井上想良、野村康太/草川拓弥(超特急)
脚本:山西竜矢、いとう菜のは、的場友見
監督:児山隆、進藤丈広
音楽:坂本秀一
音楽プロデューサー:鶴丸正太郎
チーフプロデューサー:森田昇
プロデューサー:本間かなみ(テレ東)、雫石瑞穂(テレパック)、山本梨恵(テレパック)
制作:テレ東、テレパック
製作著作:「SHUT UP」製作委員会
公式HP:https://www.tv-tokyo.co.jp/shutup/
公式X(Twitter):@premiere23_tx
公式Instagram:@premiere23_tx
公式Tiktok:@premiere23_tx
©「SHUT UP」製作委員会