漫才日本一を決める「M-1グランプリ」。今年はクリスマスイブ、12月24日(日)に決勝が行われる。昨年はウエストランドが2度目の決勝進出で、勢いのある漫才そのままに頂点へと駆け上がった。今年のM-1は敗者復活戦がブロック制、芸人審査+観客審査になるなど大きくリニューアル。放送時間も午後3時~そのまま本戦に続く7時間強のぶっ通しになるなど、新たな一歩を踏み出すことになった。
決勝初進出が5組、最多進出でも3回目が2組といわゆる常連と呼べる組がいない顔ぶれがそろったファイナリスト9組。TV LIFE webでは、今年も本日より毎日1組ずつファイナリストのインタビューをお届けしていく。
1組目は、初の決勝進出を果たしたマユリカ。兵庫県出身の幼なじみでコンビを組み、大阪吉本の養成所(NSC)を卒業して関西で活躍していた2人が、この春とうとう東京に拠点を移動。本人たちは「これまで賞レースで結果を出してきたわけでもないのに、仕事をいただけている憎たらしいコンビ」(阪本)と謙遜まじりに称するが、テレビ出演も増え、じわじわと知名度を上げてきている。関西の賞レースで決勝進出するも、濃厚接触者の疑いで棄権した経験を持つなど「賞レースには縁がないと思っていた」(中谷)というが、それを経ての念願かなったM-1決勝進出に胸を躍らせている。
◆初の決勝進出、おめでとうございます。まずは今のお気持ちを聞かせてください。
中谷:決勝進出者発表会見のあと、スマホを見たら380件くらいLINEが来ていて。それを見てじわじわと実感が湧いてきました。会見では「さっきオカンに連絡したら、こんな日なのにもう寝てた!」と言ったんですが、楽屋に戻ったら起きてきて連絡がつきました。
阪本:僕は発表で名前を呼ばれた瞬間に「うれしい!」という気持ちがパッと湧いたんですが、そこからすぐに「あの舞台で漫才をせなあかんのか…」とプレッシャーに変わりました。えらいことになってもうたなと。錚々たる審査員の前で僕らがネタをするということに、まだ現実味がないです。
中谷:賞レースには縁がないと思っていたので、今までのそういったことが全部チャラになるくらいうれしいです。
◆今年のM-1のキャッチコピーは「爆笑が、爆発する。」です。これまでの戦いを振り返って「爆発した」と感じる瞬間はありましたか?
中谷:ありました。準決勝のネタ中、2くだり目で「お、これは!」とは思いましたね。
◆自分たちの強み、持ち味は何だと思いますか? 「ファイナリストの中で自分たちが一番○○だ!」に当てはめると?
阪本:「一番結果に対しての仕事量が不思議なコンビ」ですね。これまで賞レースで結果を出してきたわけでもないのに、仕事をいただけている憎たらしいコンビだと思います。
中谷:なので、やっとひとつ決勝にたどり着けて、ファイナリストという肩書がもらえたのがとてもうれしいです。
阪本:立派な肩書をいただきました。
◆ほかのファイナリストの中で意識しているコンビは?
中谷:強いていうなら、同期で仲も良いダンビラムーチョです。意識というか、一緒に決勝に行けてよかった、うれしいという思いです。
阪本:カベポスターとさや香ですね。この2組は後輩なのに、優秀でかわいげがないので(笑)。
中谷:確かに2組とも結果を残しまくっているからな。
◆優勝すると賞金1000万円です。使い道は?
中谷:僕は前歯が欠けていたり、歯の全体に色がついていたりするので賞金ですべてクリアに、ピカピカにします。口の大工事です。
阪本:僕はヒゲが青ヒゲなので、青くない部分を青くしてヒゲが目立たないようにします。
中谷:やることが逆や! 2人とも口周りの方向ですね。
◆今後はさらにテレビ出演も増えていくかと思いますが、出演してみたい番組、もしくはやってみたいご自身の冠番組はありますか?
中谷:ミルクボーイさんが優勝された直後に『NHK紅白歌合戦』に出られていましたよね。親も喜ぶと思いますし、どんな形でも、ちょっとだけでもいいので紅白に出てみたい。僕はバク転ができるので、バク転がしたいです。
阪本:僕はBSよしもとのような誰も見ていないテレビ局でいいので、マユリカのレギュラー番組が欲しいです。ロケやスタジオ収録、その時々で何するか分からないみたいな。何をするかから番組内で決める感じの番組をやってみたいです。
◆子どもの頃、一番初めにM-1を見た記憶はどの大会ですか?
中谷:2001年の第1回目。11歳やったと思うんですが、「こんなに低い点数がつくんや、こんなにシビアなんや」と思った記憶があります。なんか緑色のセットだったのをすごく覚えています。
阪本:最初ではないですが、一番記憶に強く残っているのは2007年のサンドウィッチマンさんが敗者復活戦から勝ち上がって、そのまま優勝した回。すごいインパクトでした。
◆「芸人になりたい」と志したことに、M-1を見てきたことは影響していますか?
中谷:かっこいいな、と憧れみたいなものはありましたね。
阪本:僕はM-1というより、『内村プロデュース』や『リチャードホール』などテレビのお笑いに憧れて芸人を目指したんです。NSCの最初のネタ見せでたまたま漫才をして、そこから漫才が多くなったので、最初にコントをしていたらもしかしたらコントをやり続けていたかもしれません。今となっては、M-1は本当にあってくれてよかったと思う大会です。
◆最後に、決勝へ向けた意気込みを聞かせてください。そして、相方にも何か一言を!
中谷:決勝が初めてでもありますし、ここまで来たらぶつけるのみ! 逆にちょっと開き直れる気がします。相方には0年目から今まで、全部の漫才を作ってもらっているので「ホンマにありがとう」という感じです。ここまで来られるとは! と。
阪本:最悪、最下位だったりあまり良くなかったとしても死ぬわけじゃないし、その後もまだまだ数回続くことなので気楽にやろうと思っています。無理なんでしょうけど。気持ち、心意気としては気楽にやりたい。今から言うのも何ですが、ミスしてもいいじゃないかくらいの気持ちで。相方に一言は…ミスしたらシバくぞと。
中谷:なんじゃお前は! もっと何かあるやろ(笑)。でもがんばります! ミスりません!
●text/松田優子
番組情報
『M-1グランプリ2023』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット
2023年12月24日(日)午後6時30分 ~10時10分
『M-1グランプリ2023 敗者復活戦』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット
2023年12月24日(日)午後3時~6時30分
『超お宝映像で振り返る!M-1衝撃の瞬間SP』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット
2023年12月17日(日)午後0時55分〜1時55分
番組公式HP:https://www.m-1gp.com/
©M-1グランプリ事務局