漫才日本一を決める「M-1グランプリ」。今年はクリスマスイブ、12月24日(日)に決勝が行われる。昨年はウエストランドが2度目の決勝進出で、勢いのある漫才そのままに頂点へと駆け上がった。今年のM-1は敗者復活戦がブロック制、芸人審査+観客審査になるなど大きくリニューアル。放送時間も午後3時~そのまま本戦に続く7時間強のぶっ通しになるなど、新たな一歩を踏み出すことになった。
決勝初進出が5組、最多進出でも3回目が2組といわゆる常連と呼べる組が少ない顔ぶれがそろったファイナリスト9組。TV LIFE webでは、今年も毎日1組ずつファイナリストのインタビューをお届けしていく。
3組目の真空ジェシカは、今回唯一となる3年連続の決勝進出。一昨年は6位、昨年は5位とじわじわ順位を上げており、「すっきり優勝して、今年でM-1への挑戦は終えたい」と意気込む。今年は4月からテレビ朝日の深夜バラエティ枠『バラバラ大作戦』で冠番組がスタート。「僕たちがゲストを活かしきれなくてまあ評判が悪い」と真偽のわからない自虐と合わせて、「優勝したら自分たちがずっとゲストとして出続ける冠番組を持ちたい」と新たな野望も語る。
◆決勝進出おめでとうございます。まずは今のお気持ちを聞かせてください。
ガク:うれしいですが、決勝は3年目で、ここで優勝しないとオズワルドのように飽きられてしまうので…。
川北:オズワルド飽きられてないでしょ…。え? 準決勝で落ちちゃったの⁉ っしゃあ!(とガッツポーズ)
ガク:いや、それ露骨すぎるから。でも本当に3年続けて決勝へ行かせていただけたので、今年こそ優勝したいと思います。
川北:今年も最多の出場者数(8540組)が挑戦していますが、前回ウエストランドさんが優勝してしまって、「これなら僕たちでもできるかも」「文句を感情に乗せてぶつければ勝てるんだ」と勘違いした人たちが増えたと思うんです。そのチャンピオンを僕たちが出してしまったという責任もあるので…。
ガク:いやいや、ウエストランドさんのネタは、やろうとしてできることじゃないからね。
川北:今回は良きチャンピオンを決める大会にしたいですね。僕たちが優勝したら、次の年はやっぱり、めちゃくちゃ出場者数が減るんじゃないですか。
◆今年のM-1のキャッチコピーは「爆笑が、爆発する。」です。これまでの戦いを振り返って「爆発した」と感じる瞬間はありましたか?
川北:今年の準決勝、僕たちの前でネタをしたバッテリィズですね。
ガク:めっちゃウケてたもんね。
川北:めっちゃウケてたから、僕らはもう便乗して続きだと思われるようにいつもよりもすぐに舞台に出て、バッテリィズが爆発させた空気をそのまま利用させてもらったおかげで決勝に進出できました。
ガク:決勝でもひとつ前の出番の人にウケてもらって、すぐに出て行きたいです。
川北:準々決勝も僕たちの前に出たエバースの爆発を利用させてもらいましたし、昨年の準決勝でも僕らの前の令和ロマンが爆発して、決勝に行かせてもらったんです。
◆自分たちの強み、持ち味は何だと思いますか? 「ファイナリストの中で自分たちが一番○○だ!」に当てはめると?
川北:「一番見た目が変わった」ことですね。
ガク:確かにね。川北は髪型を変えたけど、なんでその髪型にしたの?
川北:最近ハゲ治療を始めたんです。通常はハゲを隠そうとするんでしょうけど、逆にハゲの人がやらないような髪型にすることによって、頭皮をだましている段階なんです、今。「こんな髪型をするってことはハゲてないんじゃないか」と頭皮が思いこんで、むしろ髪の毛が生えてくるんじゃないかと思って。
ガク:なに言ってんの? 自分の頭皮と心理戦してんの?
川北:ハゲ治療は9月くらいに始めたんですが、3か月くらいは抜け続けるそうなんです。ちょうどM-1の決勝のときが一番ハゲている状態という塩梅です。
ガク:僕は僕で、初めて決勝に出た時から3年経って体重が20kg増えたので、衣装が入らなくなって変えたんです。でも、川北がハゲて僕が太ったことが功を奏しているのかな?
川北:見た目が変わったことで、予選で違うコンビなんじゃないかという違和感を演出できたかもしれないね。でも、実は最近になって発毛を実感し始めているんです。もし決勝に間に合っちゃうと、ハゲを武器にできずに終わる可能性もありますね…。
◆今年のファイナリストの中で意識しているコンビはいますか?
川北:例年と同じですが、やはりオズワルドです。
ガク:同期でずっと一緒にやってきたからね。でもしつこいようだけど、今年のファイナリストにはいないんだよ。
川北:っしゃあ!(ガッツポーズしながら)
ガク:同期でいうと、さや香ですね。さや香にいいネタをしてもらって、優勝しそうな雰囲気にしながら優勝できないという思いをもう1回させつつ、僕たちがその爆発を利用させてもらいたいです。
川北:いや、でもさや香に優勝してほしいけどなあ。いい漫才師だもん。
ガク:確かにそのとおりだけれども!
◆優勝すると賞金1000万円です。どう使いますか?
川北:かわいそうなオズワルドに賞金を見せに行きたいですね。なんといってもM-1の1000万円は価値が違うからね。
ガク:もともと住んでいた家が、更新できなくなっちゃって泣く泣く引っ越したんです。だから優勝したら賞金を使って、その家を取り戻したいです。
◆今後はさらにテレビ出演も増えていくかと思いますが、出演してみたい番組はありますか?
川北:『徹子の部屋』です。番組が終わる前に。急がないといけないんで、いち早く出たいです。
ガク:僕は『おはスタ』です。
川北:ナニ!? それはガクだけで行ってほしいですね。朝からヤバいテンションで行かなきゃいけない番組だぜ? ガク1人で行ってもらって、『徹子の部屋』は僕1人で。
◆では、冠番組を新たに作るとしたら?
川北:いま『バラバラ大作戦』の枠で冠をやらせていただいているんですが、僕たちがゲストを活かしきれなくてまあ評判が悪いんです。なので、ゲストを迎える形ではなく、僕たちがゲストで出続ける冠番組をもちたいです。
◆子どもの頃、一番初めに M-1を見た記憶はどの大会ですか?
川北:けっこう遅くて、僕が覚えているのは2009年の決勝の最終決戦。笑い飯さんが「チンポジ」というネタをやっていて…。
ガク:(ファーストラウンドで)「鳥人」がめっちゃウケてたときだ。
川北:その「チンポジ」を見てひとり家で大爆笑をして、「これは絶対優勝だろう!」と思ったら1票も入っていなかったというのが原体験ですね。あとになってビデオで見返してみたら、会場が全然ウケてなくて「なんでだよ…」と。それも印象に残っています。
ガク:僕は、2004年のPOISON GIRL BANDさんのネタで「おもしれー!」と思ったのが最初の印象です。全然点数が振るわなくて、「なんでだよ!」と思っていました。
◆それがお笑いを始めるきっかけに?
ガク:いや、普通にたまたま家の茶の間でテレビがついていたから見たという感じですね。それでお笑いを始めたわけではないですが、それからずっとM-1を見てはいます。
◆では最後に、決勝へ向けた意気込みを聞かせてください。
川北:3回目なので、今年こそ同時優勝するぞ! まあ最悪僕だけでもいいんですけど、できれば僕とガクとで同時優勝できたほうが気まずくないので、今年こそは同時優勝します。
ガク:これ以上、M-1に挑み続けるとお客さんから老害みたいな扱いをされ始めると思う。そうはなりたくないので、スッキリ優勝して今年でM-1への挑戦は終えたいと思います。
◆相方へも一言ずつお願いします。
川北:(ガクに向けて)「まーちゃんごめんね」(※ママタルト・大鶴肥満の持ちギャグ)
ガク:まーちゃんに言えよ! そういう余計なボケはしないで、ネタだけを頑張ってくれ。
●edit/松田優子
番組情報
『M-1グランプリ2023』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット
2023年12月24日(日)午後6時30分 ~10時10分
『M-1グランプリ2023 敗者復活戦』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット
2023年12月24日(日)午後3時~6時30分
『速報!M-1ネクストデイ ~王者誕生までの舞台裏~』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット
2023年12月25日(月)午後8時〜
※すべて生放送
番組公式HP:https://www.m-1gp.com/
©M-1グランプリ事務局