【M-1ファイナリストカウントダウン(6)】ヤーレンズ/優勝したら出てみたいのはあのドキュメンタリー番組「ずっと密着されて、ずっとボケていたい」

特集・インタビュー
2023年12月20日
ヤーレンズ(左から楢原真樹、出井隼之介)©M-1グランプリ事務局
ヤーレンズ(左から楢原真樹、出井隼之介)©M-1グランプリ事務局

漫才日本一を決める「M-1グランプリ」。今年はクリスマスイブ、12月24日(日)に決勝が行われる。昨年はウエストランドが2度目の決勝進出で、勢いのある漫才そのままに頂点へと駆け上がった。今年のM-1は敗者復活戦がブロック制、芸人審査+観客審査になるなど大きくリニューアル。放送時間も午後3時~そのまま本戦に続く7時間強のぶっ通しになるなど、新たな一歩を踏み出すことになった。

決勝初進出が5組、最多進出でも3回目が2組といわゆる常連と呼べる組が少ない顔ぶれがそろったファイナリスト9組。TV LIFE webでは、今年も毎日1組ずつファイナリストのインタビューをお届けしていく。

6組目、初めての決勝に挑むヤーレンズは、今回ともに決勝に立つモグライダーや昨年の王者であるウエストランドらと、東京のお笑いライブシーンを引っ張ってきた世代。特にモグライダーとは「1週間で8回一緒にライブに出たこともある。劇場から劇場へ、一緒にハシゴした」というほどの関係性。彼らに続けと長らく待ち望まれていた2人が、いよいよ決勝の舞台までたどりついた。ひたすらボケ続ける楢原と、その手綱を握ってさばく出井。多くの期待を背中に受けて、その勢いのまま優勝まで走り抜けたい。


◆初めての決勝進出、おめでとうございます。まずは今のお気持ちを聞かせてください。

出井:やっと決勝まで来られました。本当によかった。今年ダメだったら、どうなっていたか分からないので。

楢原:お待たせしました。お待たせしすぎたのかもしれません。

出井:なに監督だか分かりませんが(笑)。準決勝の手ごたえ的に決勝に行ってもおかしくないと思えてはいたんですが、賞レースって分からないじゃないですか。なので名前を呼ばれてうれしかったです。ライブの体感でウケの水準を自分たちで上げすぎてしまっていたのか、2~3回戦はそんなにウケた感じがしなかったんです。でも周りからはウケていたと言ってもらえる、という状態で戦っていて。それが準々決勝でガチッとハマって、ここまで来られました。

◆今年のM-1のキャッチコピーは「爆笑が、爆発する。」です。これまでの戦いを振り返って「爆発した」と感じる瞬間はありましたか?

楢原:正直2回戦、3回戦と、それこそ去年もあまり手ごたえを感じませんでした。うん、まあまあ…みたいな。でも今年の準々決勝はもう100%行けた! と思ったんです。出番終わりに楽屋で後輩に「行ける! これは絶対行ける!」と言っちゃうくらいに。今年は優勝! と強く思っているのに2~3回戦があまりウケた感覚がなく、フラストレーションが溜まっていたので、ついみっともない感情を出してしまいました(笑)。

出井:何年もずっと準々決勝で落ちていたので、我々にとって鬼門だったんです。そこでこれは行けただろう! と思えるくらいウケたので、すごく自信になりました。爆発しましたね。

◆自分たちの強み、持ち味は何だと思いますか? 「ファイナリストの中で自分たちが一番○○だ!」に当てはめると?

楢原:「一番漫才」です。ネタでは勝てませんが、漫才では勝ちます。

出井:そうですね。みんないいネタをしてくると思うんですが、いい漫才をしているのはヤーレンズだと思います。

ヤーレンズ(左から楢原真樹、出井隼之介)©M-1グランプリ事務局
ヤーレンズ(左から楢原真樹、出井隼之介)©M-1グランプリ事務局

◆ほかのファイナリストの中で意識しているコンビはいますか?

楢原:ずっと一緒にやってきたモグライダーですね。1週間で8回一緒にライブに出たこともありましたから。劇場から劇場へ、一緒にハシゴして。モグライダーさん以外はみんな後輩なんです。それも5年以上離れているので、意識するとはちょっと違うというか…。

出井:かなり後輩なのでライバル視とは違いますが、令和ロマンとはこの1年、ずっと2組でM-1に向けたライブをしてきました。そういうツーマンライブをやっている組はたくさんいますが、その2組で決勝に行けることってあまりないので、本当にやってきてよかったです。

楢原:令和ロマンには本当に感謝ですね。彼らのほうが人気があるし、こんなおじさんとよくライブやってくれたなって。ホントいいコたちなんです。どっちかがM-1を獲っても、来年もライブやろうと話しています。

出井:彼らからは学ぶことしかないですね。

◆子供のころ、一番初めに M-1を見た記憶はどの大会ですか?

出井:2001年のM-1が始まった時ですね。どんな大会かもまったく分からない状態で見たら、けっこう殺伐とした舞台裏が映って、中川家さんだとかが楽屋でずっとえずいていて。なんちゅう大会が始まったんだと。そこから何年も経って自分が出るようになったら、僕も舞台袖でオエッとなって「あ、これか」と思いました。

楢原:2003年の笑い飯さんの「奈良県立~」です。その前2年も見てはいたんですが、そこまでお笑いにアツいタイプではなかったので。その後、2005年にはお笑いの養成所に入ったので、そこからは芸人として見てしまっていますね。

ヤーレンズ(左から楢原真樹、出井隼之介)©M-1グランプリ事務局
ヤーレンズ(左から楢原真樹、出井隼之介)©M-1グランプリ事務局

◆今後、出演してみたい番組、もしくはやってみたいご自身の冠番組はありますか?

楢原:『プロフェッショナル 仕事の流儀』。密着されたいです。ずっと密着されて、ずっとボケたい。行ったことがないお店に常連ヅラして入ったり。

出井:いつかのM-1のYouTube動画で、コメントに「後輩のネタをニコニコ見ている冠番組をヤーレンズにやってほしい」と書かれていたんです。そういう深夜のネタ番組をやりたい。すぐにはできないと思うので、チャンピオンになって何年か経ったらやってみたいです。

楢原:あと、テレビ番組ではないですが上沼恵美子さんのYouTubeに出てみたいです。めちゃくちゃ尊敬しているので。

◆優勝すると賞金1000万円です。どう使いますか?

楢原:ハワイに別荘を買い、車を買って、犬を2匹飼いたいです。残りは…。

出井:残らない。ハワイに別荘を買ったら、もう1円も残らないよ。僕は、半分は親に渡して、残りの半分でお世話になった人や後輩と飲みに行きたいです。これまでお金がなくて全然行けてないので、後輩をいっぱい連れていきたいです。

◆最後に、決勝へ向けた意気込みを聞かせてください。そして、相方にも何か一言を!

楢原:絶対優勝! そして相方へは「口がくさすぎる!」。一度、ホントにくさすぎてセリフが飛びそうになったことがあるんです。それだけは勘弁してくれ。

出井:本番、楽しみにしておけよ!(笑)。

楢原:そうしたらお前の人生も終わるんだからな!(笑)。ここまではネタを全然楽しめていなかったので、決勝はホントに楽しみです。

出井:なんとでもなると思います、我々なら。相方のことを信頼しているので。

●text/松田優子

ヤーレンズ(左から楢原真樹、出井隼之介)©M-1グランプリ事務局
ヤーレンズ(左から楢原真樹、出井隼之介)©M-1グランプリ事務局

番組情報

『M-1グランプリ2023』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット
2023年12月24日(日)午後6時30分 ~10時10分

『M-1グランプリ2023 敗者復活戦』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット
2023年12月24日(日)午後3時~6時30分

『速報!M-1ネクストデイ ~王者誕生までの舞台裏~』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット
2023年12月25日(月)午後8時〜

※すべて生放送

番組公式HP:https://www.m-1gp.com/

©M-1グランプリ事務局