2024年3月2日(土)に放送される『訳アリ女ダイアリー』(TBSほか 午後2時~2時54分)で主演を務める森川葵さん、共演の臼田あさ美さん、吉住さんにインタビュー。脚本を読んでの感想や、印象的なシーンなどを聞きました。
本作は、25歳の若手ドラマプロデューサー・美知留(森川)、42歳のベテランディレクター・昭子(臼田)、35歳の気弱な脚本家・佳代(吉住)が、ドラマの脚本づくりに四苦八苦する様子を描いたコメディー。脚本は、バナナマンや東京03などのコントを手掛け、ドラマ脚本も執筆するコメディーの名手・オークラ
世代も性格も異なる3人は、価値観の違いから衝突してばかり。会議室という閉じられた空間の中で、3人の恋愛や社会に対する赤裸々な本音がさく裂する。さらにはそれぞれが抱える私生活での“訳アリ”な事情も影響し、ドラマ脚本の話し合いは大混乱。美知留は窮地を乗り越え、プロデューサーデビュー作品を放送することができるのか。そして、“訳アリ”女たちが選ぶそれぞれの結末とは…。
◆本作の脚本を読んでの感想をお願いします。
森川:自分も知らなかったテレビ業界の裏側が描かれているのかなと思いながら読みました。本当にこの作品のような部分もあれば、きっとドラマとして盛っているところもあると思うんです。私はドラマなどの作品にいろいろ出演させていただいていますが、プロデューサーさんや脚本家さんが普段どんな話し合いをして、どのような作品にしようとしているのか全く知らなかったので、このドラマの脚本を読みながら、「へー、こうなっているのか!」と初めて知る部分が多かったです。
臼田:それぞれが抱えている“訳アリ”な事情など、すごくリアリティーがあって、それが物語が進むにつれて、「こういう展開をしちゃうの?」と面白おかしくできています。あり得ないようなことを笑うのではなくて、リアルで面白いなと。
吉住:オークラさんの脚本なのでテンポもいいですし、きっとここをこだわって作られたんだろうなみたいな部分も見えたりして、そこは丁寧にやりたいなと。先ほど言われていたみたいに、テレビ業界のあるあるが入っていたりするみたいで、スタッフさんたちが「これ、あるある!」みたいなことを言いながら撮影していたので、私たちも「えー!そうなんですね」と。なので、そこも楽しんでいただけたら。
◆印象的だったシーンを教えてください。
森川:吉住さんと2人っきりのシーン。台本を読んでいる時はそこまでけんかするという印象ではなかったのですが、実際に現場へ行ってやりとりをしてみたら、信じられないぐらいがっつりとしたけんかになりました(笑)。そこは読んでいた印象と全く違って、現場に行ったら変わるということを久々に味わったので印象的でした。
◆気づいたらヒートアップしていた?
森川:私も思ったより怒ってしまって、それに対して吉住さんも怒りだすという(笑)。
吉住:そっちがそう来るんだったら、こっちはこんな感じですけど?みたいな(笑)。
森川:現場の空気感とお互いのお芝居の感じで、ヒートアップしていって印象的でした。
◆臼田さんもおふたりのけんかシーンに立ち会われていますが、いかがでしたか?
臼田:本当に台本に書いてある以上に、増し増しにそのシーンを作ったので、リハーサルの時から、「え、お互いそんなワードが出てくる?」というような言葉が飛び出したりして、私はそれを止めなきゃいけないのに、もうちょっと見たいと思ってしまうようなシーンになっていました。
吉住:臼田さんが止めてくださっているのに、すごく盛り上がりすぎて、ずっとけんかをしているみたいなこともあって(笑)。人とけんかすることってなかなかないので、疑似けんかみたいな感じで、ちょっと楽しんでいる自分もいました。言い過ぎだろと思いながらも、すごく楽しかったです。
◆3人の関係性について、演じられていく中で感じたことはありますか?
臼田:私がリハーサルの時に感じたのは、私自身の性格もあると思うんですけど、一緒に物を作ることに対して一生懸命になって、垣根を超えるじゃないけど、役割も違うし、世代も違うけど、一緒に熱くなれる仲間という感じを自然に感じました。監督からは、一番上だし、「ちょっと先輩風を出して」と言われて、確かにちょっと寄り添いすぎたかなとも思いつつ、でも一緒にひとつのものを作ろうという気持ちにさせてくれる仲間だと感じます。
森川:確かに、年齢は違うけど同じものを作るために、プライベートで友達だったら突っ込んでいかないようなところまで、突っ込んでいきますよね。年齢は違うけれど、逆にこれをきっかけにプライベートでもすごく仲良くなりそうだなっていう印象を抱きました。実際にこういう関係性にお互いになれたら、言いたいことも言えるし、向こうも思っていることを言ってくれて、きっとすごくいいものも作れるだろうし、すてきな関係性だなと思いました。
吉住:そうですね。佳代はどちらかというと売れない脚本家の役なので、美知留、昭子さん、護間さん(岡部たかし)というテレビ局のお3方がいて、最初は部外者じゃないですけど、自分はちょっと外側にいるようなポジションだったのですが、だんだんものづくりに真剣になればなるほど、どんどん入っていくし、そうやって普段なら踏み越えないようなところまで踏み込む瞬間もあったりして。でも、それぐらいみんなが本気だから、いいものを作ることができるのかもと思います。きっとこういうことをみんなは普段やっているんだなって、ピンだと分からないので(笑)。こういうことって大事だよなと、あらためて芸人としても大事なものを持ち帰ることができたなと思いました。
◆それぞれ演じたキャラクターと1日過ごせるとしたら、何をして過ごしたいですか?
臼田:岡部さんが演じた護間さんの少しカッコつけているようないないような芝居が絶妙で(笑)。「すごく嫌だけど、すごく好き」みたいな気持ちになったので、護間さんと飲みに行きたいです。
森川:私は、美知留に面白いドラマを教えてもらいたいです。本人もドラマが好きで、この会社に入っているという役なので、たぶん私よりも面白いドラマをたくさん知っているだろうから。家のシーンの時にDVDなどが置いてあったのを見て、自分が参加した作品という可能性もありますが、きっと自分の好きなドラマのDVDだろうから、そのDVDをちょっと貸してほしいです。
吉住:佳代は本当にうじうじしすぎて嫌だなと思っていて。プライベートであったことをそんなに顔に出します? というぐらい顔に出す役で、それは周りから心配されるだろうみたいなせりふもあったりして、大人なんだから気遣わせちゃダメだよと。
臼田:叱っている(笑)。
吉住:だから、佳代にスポーツとかさせたいです。
森川:え、佳代は絶対しないですよ(笑)。
臼田:できなくてへこみそう(笑)。
◆私生活で抱える“訳アリ”事情が仕事に影響するという場面もありますが、皆さんはどのように仕事とプライベートを両立されていますか?
吉住:私はプライベートがおろそかになってしまっているなと絶望しています。特に芸人は30歳を過ぎたくらいからテレビに出始められるイメージで。そうなると、そこからやっとキャリアをスタートできるようになるんです。でも、そうなってくると、同い年ぐらいの方たちはもう子供を産んでいたりするので、本当に悩んでいる最中です。そういう意味では、佳代には子供がいて、「こういう人生もあったのかな」と思いながら演じましたけど…。1日1日をしっかり生きていきたいなと思っています。
臼田:私も両立なんて程遠くて、日々仕事と、子供がいる生活とで、思うようにコントロールできないです。仕事はある程度スケジュールを組めますが、子供のこととなると、「今!?」というタイミングで熱を出したりとか、お迎えが必要になったりして、とても思うようにはいかないので、もう両立は正直諦めています(笑)。ただ、全て自分が好きで選んでやっていることだから、今何が大事か、今この瞬間どちらを選択するか、その今を生きるのに精いっぱいです。
森川:すごくすてきですね。諦めるところはきっぱり諦めるというのは素晴らしいです。私は人と会いたくないなという時があるんです。でも結局人と会わずに仕事だけしていると、視野が狭くなっていくというか、自分のことしか見えなくなってしまうんです。ただ人と会うといろんな気持ちが解放されてスッキリするので、どれだけ疲れきっていても、話を聞いてもらうわけではないですが、誰かと会ったりすることによって、それだけで気分が晴れることが多いので、仕事だけに集中しすぎないように、なるべく分散するようにと心がけています。
◆最後にメッセージをお願いします。
吉住:いろんな女性の悩みや、共感できる部分がすごくあると思うので、そこに共感してもらいつつ、最後はちょっとスカッとするようなコメディーにもなっているので、楽しんでご覧いただけると思います。
臼田:ドラマ作りの裏側ものぞき見したような気分が味わえるんじゃないかなと思うので、そこも楽しんで見ていただけたら。
森川:会話劇なので、なかなかシチュエーションが変わらないですが、そこにいろんなドラマが混ざっていって、見ていけばいくほど、面白くなっていくドラマになっていると思うので、最後まで見るのをやめずに見きっていただきたいです。そして、皆さんがどう感じたのかという感想を聞けたらいいなと思います。ぜひご覧ください。
PROFILE
森川葵
●もりかわ・あおい…1995年6月17日生まれ。愛知県出身。
臼田あさ美
●うすだ・あさみ…1984年10月17日生まれ。千葉県出身。
吉住
●よしずみ…1989年11月12日生まれ。福岡県出身。O型。
番組情報
土曜☆ブレイク『訳アリ女ダイアリー』
TBSほか(一部地域を除く)
2024年3月2日(土)午後2時~2時54分
©TBS