城桧吏が『おっパン』を通して伝えたいこと「自分の価値観や“好き”を大切に」

特集・インタビュー
2024年03月01日
『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』
『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』

毎週土曜に放送中の土ドラ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(東海テレビ・フジテレビ系 午後11時40分~深夜0時35分)で、原田泰造さん演じる主人公・沖田誠の息子・翔を演じる城桧吏さんにインタビュー。翔の印象や、ドラマから学んだこと、ドラマを通して伝えたいことなどを聞きました。

本作は、通称「おっパン」として知られる、LINEマンガで連載中の同名人気作をドラマ化。家族からも嫌がられる古い価値観を持った堅物のおっさん・沖田誠(原田泰造)が、ゲイの青年・五十嵐大地(中島颯太)との出会いによって、これまでの「自分の常識」をどんどんアップデート。全ての人の「好き」を肯定し、多様性を問うヒューマンコメディを送る。

◆オファーを受けた時の感想、また、原作・台本を読んでみて印象はいかがでしたか?

翔は今までに演じたことがない役柄で最初は不安もありましたが、新しい自分の発見がありそうで、楽しみな気持ちもありました。原作を読ませていただいて、いろいろなキャラクターの個性が面白かったですし、ドラマの台本を読んでみても流れが面白くて、撮影がとても楽しみでした。また、多様性について考えるきっかけにもなりました。

◆実際に翔を演じられてどのような発見がありましたか?

髪の毛を編み込みするシーンがあって、最初は難しかったんですけど、練習していくうちにけっこうできるようになったんです。自分は意外と手先が器用なんだなという発見がありました(笑)。

◆翔はメークもしていますが、実際にメークをされてみていかがでしたか?

グロスを塗るのが初めてだったんですけど、自分で言うのも変ですが、鏡を見て「あ、かわいくなってる」と思いました(笑)。

◆沖田翔という役の印象はいかがですか?

自分の好きなものがしっかりある、自分の好きを貫ける、芯の強い子だと思っています。とても応援したくなるキャラクターです。

◆ご自身に似ている部分や似ていない部分はありますか?

翔は同い年くらいの子が苦手なのですが、僕も同年代の方に自分から話しかけに行ったりするのがあまり得意ではなくて。かわいいものが好きというところも似ていて、僕自身も縫いぐるみが好きだったりするので、似ていると感じる部分が多いなと思います。

◆かわいいものが好きとのことですが、特にお気に入りのものはありますか?

昔から小さいペンギンの縫いぐるみを弟と一緒に集めていて。今家に10匹くらいいるんですけど、最初からいる子はロケや撮影に時々持って行っています(笑)。

『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』
『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』©Zim Nerima/LINE Digital Frontier ©TOKAI-TV, The icon

◆翔を演じる上で大事にしていること、意識していることはありますか?

翔はとても繊細な子なので、お父さんや友達など、相手から何かを言われたときに翔だったらどう思うんだろう、というのを普段から考えて、感情の入れ具合を調節しました。顔の表情や動きなどは、ドラマの回ごとに変化をつけるように意識しています。

◆ドラマの反響はいかがですか?

友達や親戚から「見たよ」と言われます。翔のお姉ちゃん(沖田萌/大原梓)のような知り合いがいて、その子はドラマを見ていてすごく共感できると言っていました。

◆共演者の皆さんの印象はいかがですか?

主演の原田泰造さんは、現場の雰囲気をすごく明るくしてくださいます。面白い表情や何とも言えない表情などがすごいなと感じていて、僕も泰造さんのような細かな表現ができるようになれたらいいなと思います。
中島颯太さんは、優しくて面白くて。僕がボケたら、颯太さんがツッコんでくれたりします(笑)。たくさん話しかけてくださいますし、お兄ちゃんみたいな存在です。
大原梓さんは、役の通りお姉ちゃんみたいな存在で、何かする時に手伝ってくれたり、すごく気遣ってくれます。
富田靖子さんは、ロケでたまたまその場にスタッフさんがいなかったときに、一般の方が道を通ろうとして迷っていたことがあったんですけど、自ら「全然通って大丈夫ですよ」と声をかけていて。周りが見えている方だなと思いましたし、尊敬しています。

◆作中で特に印象に残っているシーンはありますか?

1話の、翔が初めて反抗したシーンですね。翔にとってもすごく大事なシーンで、初めてお父さんに向かって本当の気持ちを言う、人のために怒れる、という翔の優しさが見えてくる場面でした。そのシーンは、撮影している時も、完成した映像を見た時も、特に印象に残っています。

◆2話では萌が二次創作に熱中しているシーンもありましたが、城さんご自身が熱中しているものはありますか?

昔から写真を撮ったり絵を描いたり、映画を見たりするのがとても好きで。日常で歩いている中で、「ここいいな」「ここをこうやって撮ったらきれいに見えるだろうな」というのを見つけたらすぐに写真を撮りたくなっちゃいます。なので、ちょっとお出かけしたりした時は大量に写真を撮って帰ってきちゃいます(笑)。今回の現場には写真を撮るのが好きな方がたくさんいたので、カメラの撮り方も教えていただきました。カメラは前から持っていたので、それからスマホよりカメラを使って撮ることも増えてきています。

◆このドラマは多様性が大きなテーマとしてありますが、城さんの中で考え方に変化はありましたか? また、ドラマを通して視聴者の方に伝えたいことはありますか?

昔から、人にはそれぞれいろんな考え方があると思っていましたが、あらためてこういう考え方もあるんだな、という学びになりました。このドラマを見てくださっている方には、自分の好きなものや価値観を大切にしてほしいなと思います。

◆最後に、ドラマの見どころや視聴者の方へのメッセージをお願いします。

翔のせりふで僕が好きなせりふがあって。「人に好きになってもらうには自分の根っこまで変えなきゃいけないのかな」という言葉がとても心に刺さりました。ドラマを見てくださる皆さんにも、自分のありのままの姿でいてもらいたいですし、自分の好きをちゃんと出してほしいということが伝わるとうれしいです。

PROFILE

城桧吏
●じょう・かいり…2006年9月6日生まれ。東京都出身。「万引き家族」「約束のネバーランド」などに出演。「都会のトム&ソーヤ」で映画・ドラマ初主演を務めた。

番組情報

『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(全11回)
東海テレビ・フジテレビ系全国ネット
毎週土曜 午後11時40分~深夜0時35分

企画:市野直親(東海テレビ)
原作:「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」練馬ジム (LINEマンガ)
脚本:藤井清美
音楽:鈴木ヤスヨシ
主題歌:「Dancing Dreamer」 4-CaraT(RISING RECORDS)
オープニング:「アプデライフ」 FANTASTICS from EXILE TRIBE(rhythm zone)
演出:二宮崇、室井岳人、加治屋彰人
プロデューサー:松本圭右(東海テレビ)、古林都子(The icon)、渋谷未来(The icon)
制作:東海テレビ The icon

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