4月2日(火)スタートの『からかい上手の高木さん』(TBS系 毎週火曜 午後11時56分~深夜0時26分/一部地域を除く)でW主演を務める月島琉衣さん、黒川想矢さんにインタビュー。オーディションに受かった時の心境や、全編にわたり香川県小豆島で行われた撮影の裏話などを聞きました。
本作は、月刊漫画雑誌「ゲッサン」(小学館)で連載された山本崇一朗による同名ラブコメ漫画を実写ドラマ化。とある島の中学校、隣同士に座る「からかい上手の高木さん」と「からかわれっぱなしの西片」、そんな2人の日常のやりとりを描く青春ラブコメディ。
西片をいつもからかって楽しんでいる高木さん役を月島さん、高木さんにいつもからかわれてしまう西片を黒川さんと10代のフレッシュなキャストが演じる。監督は恋愛映画の名手として映画ファンから絶大な支持を集める今泉力哉さんが務める。
◆オーディションで本作への出演が決まったということですが、受かった時の心境を教えてください。
月島:オーディションが3回あったのですが、特に最終オーディションではエチュードやゲームをしたのが楽しかったです。ただ、その場には女の子も男の子もすごい方たちが来ていたので、その中で選ばれたと聞いた時はすごくうれしかったですし、主演ドラマということが初めての経験でもあったので、台本も早めに覚えたりとか、今後の活動や将来のための第1歩にも大きくつながるなと思って、とにかく頑張ろうと思いました。
黒川:僕もオーディションが3回あって、1回目はたくさんの人がいる中、渡された台本から西片がどういう子なのか分からなかったので、「これはダメかも…」と思っていたのですが、2次の時に女の子が6人と僕1人だけだったんです。「これはまさか!」と思っていたら、3次では男の子3人と女の子3人でのオーディションだったので、受かった時はうれしかったです。
◆オーディション中の心境や、役を勝ち取るために意識していたことを教えてください。
月島:原作を読んで高木さんの声のトーンやちょっと大人っぽい表情といった特徴を学びながら、頂いた台本でせりふの練習をしていました。相手がいる想定で練習することは難しかったですが、高木さんのせりふだけでもすごく楽しい内容で、練習も楽しくできました。
黒川:オーディション中にコミュニケーションを取るために、いろんなゲームをしました。1から6までカードが用意されていて、1は一番弱く「好きです」、6は思いを強めて「好きです!」と番号を伏せて言って、その番号を当てるというゲームだったのですが、ゲームをしていくうちにだんだん緊張がほぐれて楽しくなって、演技中も楽しく会話をすることができました。
◆お2人が初めて会話したのはどの段階ですか?
月島:本読みでした。そこからリハーサルして撮影だったのですが、最初はお互い緊張していたので、ひと言も話せなかったりもしましたが、撮影を重ねていくうちに、最後は仲良くなれました。
◆撮影までに何か準備されたことはありますか?
黒川:今泉監督からのリクエストで、「ゆっくりなテンポで、リアクションを大きく演じてみよう」と言われました。今まで演じたことがなくて、むしろ反対の演技を同時にやらなければいけない気がして難しいなと。なので、「うわぁ!」など叫ぶ練習をたくさんしました。
◆月島さんはいかがですか?
月島:高木さんは、凛としていて、大人っぽい感じの子。でも、私は普段はすごくおしゃべりだし、元気なので真反対なのかなと。ただ高木さんは笑顔がすてきなので、そこは普段の私も生かせたらいいなと思いました。あと高木さんはゆっくりしゃべるのでリズム感も意識して練習しました。
◆全編、小豆島での撮影ということでしたが、いかがでしたか?
月島:主に中学校で撮影することが多かったのですが、そこから外を見るとすぐに海が広がっていて。海や空などの景色を見ることがすごく好きなので、その景色を見て、心が浄化されるといいますか、すごく明るい気持ちになれましたし、朝が早い撮影の時など小豆島の空気が気持ちよくて、朝日もきれいですてきな島でした。
黒川:僕は海なし県出身なので、海と触れ合うことは1年に1回ぐらいしかないんです。そんな中で、今回撮影が1か月間あったのですが、毎日朝起きてカーテンを開けると海が目の前に広がっていて感動がすごかったです。
◆グルメなども楽しみましたか?
黒川:一番好きだったのはジェラート。そのジェラートが本物のフルーツをそのまんま食べているみたいな感じで。
月島:いろんなフレーバーがあって、その色もそれぞれ違うんですよ。組み合わせも変えられたので、撮影終わりやお休みの日に行ったりしました。
◆そのほかに現場ではやっていたことはありましたか?
月島:クランクアップ前ぐらいに、オリーブ公園へ行きました。そこで、ちょうど桜が咲いている頃だったので、レジャーシートを敷いて、みんなでお花見したり。ハートのオリーブがあったので、そのハートのオリーブをみんなで探したりしました。最後に共演したみんなと外出ができて、すごく楽しかったです。
黒川:僕もそれが思い出に残っています。学校での撮影が多かったので、みんなで給食みたいに自分たちの席でケータリングを食べたのも楽しかったです。
◆お気に入りのシーンはありますか?
月島:西片が歩いているところに、高木さんが自転車で合流して、「西片、おはよう」という、日常のかけがえのないやりとりのところ。その最初のシーンがクランクインの日だったので、思い出に残っているし、天気も良くて良かったです。
◆クランクインのシーンが最初のシーンというのは、入りやすかったですか?
月島:いろいろと調整してくださったと思うんですけど、最初のシーンがクランクインというのは気持ち的にもやりやすかったですし、高木さんが始まるなという感じがしました。あと、原作でも有名な消しゴムのシーンを一緒にできたというのも思い出深くて。長いシーンでカット数は多かったですが、つなげて撮ってくださったので、やりやすかったし、思い出に残っています。
◆実際、その消しゴムの反対側を渡してしまったとかありましたか?
黒川:ありました。「本番!」で、あ、逆だったって(笑)。僕はお気に入りのシーンというか、先に完成した映像を見させてもらった時に、缶を開けたように、撮影をした小豆島の景色や、風や波の音など小豆島のすてきな雰囲気がドラマの中に詰まっていて、感動して初めて泣いてしまいました。
◆撮影の合間は、お二人はどんな感じだったのでしょうか?
月島:撮影の合間は、私が黒川君をからかうというか、ちょっといたずらして。
黒川:消しゴムを隠されたり。
月島:後ろからわー!とやったりしました(笑)。あと、黒川君から俳優としての活動経験も聞かせてもらって、私にとってとても深い話だったので、すごく良かったです。そういう役のことに対してとか深いお話から、笑えるたわいもない話もしました。
黒川:ホテルにある銅像に“ヘレンさん”という名前をつけたり、学校にあったガイコツに“キューカンバーくん”と名前をつけていましたよね。
月島:そうでした。不思議な銅像だったので、思い出として名前をつけました(笑)。ガイコツはドラマにも映っていると思います。
◆お互いの印象を教えてください。
月島:お芝居の経験が少ない中で、黒川君と出会って、高木さんと西片として演じている間のテンポ感がやりやすくて、すごく支えてもらったなと感じます。休憩時間や合間、本読みの練習も1シーン1シーンを大切にお互いやってきたので、それも黒川君含めて、関わってくれた皆さんと一緒に『からかい上手の高木さん』を作り上げられた気がします。
黒川:月島さんは、すごく明るくていろんな人と話していて、現場を明るくしてくれる人。すごく真面目で、役に対して、考えているんだなと思いました。
◆今泉監督からアドバイスを受けたことや、監督と一緒に仕事してみての感想を教えてください。
月島:監督はとにかく優しくて、穏やかな方。一つ一つ丁寧に細かく教えてくださるので、すごく分かりやすかったです。「暗いシーンでも中学生らしい明るさ、楽しさというのは常に保ってほしい」と言われていたので、そこは話し合って、常に意識できるように頑張りました。あとは私の演技を大切にしてくれたので、1シーン1シーンの感情を大切にできましたし、つながりも自然にできた気がして、撮影が終わるたびに、「今日もよくできた」「満足できた」という気持ちで終わることができました。クランクアップまで楽しかったですし、一緒にいい作品を作れてよかったです。
黒川:監督は本当に優しくて、すごく話しかけやすい方。ドラマだけどものすごくゆっくり撮影をしてくれて、僕らと向き合ってくださって。大好きな監督です。
◆本作を経験して、成長したなと思うところはどこでしょうか?
月島:毎日が本当に学びでした。撮影の雰囲気だったり、前のシーンとのつながりの大切さなどを学べたことで、自分にできることはやってみようという思考に変わりましたし、この作品を通して大きく成長できたなと思います。
黒川:今泉組のみんなで、家族みたいに、同じ場所に向かって、高木さんと西片の関係性を丁寧に作っていたので、すごく楽しかったです。毎回演技が変わるといけないから、なるべく同じ演技ができるようにということを言ってもらえて、すごく学びになりました。
月島:私はこんなに長いせりふをもらったことも初めてだったので、最初は覚え方も分からなかったのですが、早めに覚えてみたことで、意外とスムーズにできた気がしたので、これからも出来ることは続けていきたいです。
◆黒川さんは演技の引き出しが増えたなという感覚はありましたか?
黒川:今回ラブコメディなのですが、今までやってきた演技と違って、演じる役によっていろいろな日常のテンポがあって楽しいなって感じました。もっとコメディをやりたいなと思いました。
◆今後挑戦したい役はありますか?
黒川:僕はヤンキー役をやってみたいです。ギラギラのネックレスとかして、けんかシーンもやってみたいです。これまで剣を振り回す役はやったことがありますが、拳を使う感じのものはないので。
月島:秘密を隠していそうなミステリアスな役や、私も体を動かすことが大好きなので、アクション系もやってみたいです。
◆この物語が中学生のお話ということで、月島さんはどんな中学時代を過ごされていましたか?
月島:特に中学3年生の時の文化祭や体育祭などの行事が思い出に残っていて。最高学年だから、1、2年生を引っ張っていく立場として、体育祭ではみんなに声がけしたりとか、練習のスケジュールを組んだりするポジションを任せてもらえて、放課後の学校に残ったりしながら、行事に参加できたのがすごく楽しかったです。
黒川:4月から中学3年生になるので、楽しみになりました。撮影中も月島さんから「中学3年生だけは違う」とずっと言われていたので(笑)。
月島: 3年生は1、2年と違ってクラスみんなで団結して、楽しく最後まで終われた気がしているので楽しんでほしいです。
◆黒川さんは実際に中学生ですが、学校生活はどのように過ごされていますか?
黒川:仲良い友達と絵を描いたり、理科室に行って、メダカの世話をするのが楽しいです。
◆4月から新年度を迎えるということで、仕事とプライベートのそれぞれの目標を教えてください。
月島:まだまだいろんなことに挑戦したいですし、もっとたくさんの作品や人と出合って、いろんなことを学んで頑張っていきたいです。学校は高校2年生になるという立場なので、変わらずお友達と仲良くして楽しみたいです。
黒川:これまでは学生役が多かったので、ちょっと不思議な宇宙人役とかやってみたいです。プライベートでは、最近カメラで写真を撮るのがすごく楽しいので、いろんな景色などを撮りつつ、来年は受験なので、勉強も頑張りたいです。宇宙が好きなので、そういうことも学べたらいいなと思っています。
◆小豆島にもカメラは持っていきましたか?
黒川:はい。自分が生きている中で出会ったことのない景色がいろいろ見えて、すごく幸せでしたし、月島さんも撮らせてもらいました。
月島:いっぱい撮ってもらいました。景色の写真ももらったのですが、色も好きで気に入っています。
◆最後にメッセージをお願いします。
月島:小豆島のきれいな自然と一緒に自由な演技ができましたし、小豆島のいろんなところに行っているので、景色も楽しんで見ていただけたら。中学生のそのかわいらしい日常の感じもすてきになっていると思います。
黒川:2人の掛け合いも見てほしいんですが、小豆島の雰囲気も見てくれたらすごくうれしいです。
月島:電話のシーンもあるのですが、そこが台本で11ページぐらいあって。お互いノーカットでつなげて撮ってくださったので、すごく感情も保ちやすかったですし、私にとっても大きな経験のひとつだったので、そこもぜひ見てほしいです。
PROFILE
月島琉衣
●つきしま・るい…2008年3月1日生まれ。神奈川県出身。AB型。
黒川想矢
●くろかわ・そうや…2009年12月5日生まれ。埼玉県出身。
番組情報
ドラマストリーム『からかい上手の高木さん』
TBS系
2024年4月2日(火)地上波放送スタート
毎週火曜 午後11時56分~深夜0時26分(※放送日によって放送時間が異なります)
地上波放送後、「TVer」「TBS FREE」にて無料1週間見逃し配信
先行配信:4月2日(火)の地上波放送開始に先行して「Netflix」にて3月26日(火)から毎週火曜配信
製作著作:TBS
制作協力:ファインエンターテイメント
原作:山本崇一朗「からかい上手の高木さん」(小学館「ゲッサン少年サンデーコミックス」刊)
脚本:金沢知樹、萩森淳、今泉力哉
主題歌:「遥か」Aimer(SACRA MUSIC/Sony Music Labels Inc.)
プロデューサー:大澤祐樹、森川真行(ファインエンターテイメント)
監督:今泉力哉
●hair&make/沼田真実(月島)、岩渕賀世(黒川) styling/船橋翔大(月島)、岩田友裕(黒川) 衣装協力/カーディガン33,000円(DRESS HIPPY/New name! TOKYO 03-6447-2199)シャツ18,700円(EGO TRIPPING/GARROT 03-4361-8562)(黒川)
©山本崇一朗/小学館 ©TBS