若月佑美主演『セレブ男子は手に負えません』松崎智宏Pインタビュー「全員で作り上げた結末に注目して」

特集・インタビュー
2024年03月23日
左から)若月佑美、井手上漠、本田響矢、鈴木康介、中尾暢樹 ©ABC・DLE

『セレブ男子は手に負えません』はWEBTOONとの連動で、漫画連載とともに物語が展開する新感覚のドラマ。ある大事件から立ち直るため二度と恋はしないと誓ったヒロインが、ひょんなことから誰もがうらやむセレブ男子たちと高級ペントハウスで共同生活をはじめ、恋模様を繰り広げるシンデレラストーリーだ。

そんなヒロイン・百瀬ひかる役を地上波連ドラ初主演となる若月佑美が演じ、個性あふれるセレブ男子役を鈴木康介、本田響矢、井手上漠、中尾暢樹という若手実力派俳優陣が体現している。

ついに今夜迎える最終回を前に、TV LIFE webでは松崎智宏Pにインタビューを敢行。本作の企画の経緯やお薦めの楽しみ方、キャスティング秘話や撮影時のエピソード、最終話の見どころなどを聞きました。


◆まず、今回WEBTOONとの連動という形でドラマを展開しようと思った理由は?

本作はドラマだけではなくマルチに展開していきたいという思いがあり、ストーリーコンテンツであれば可能性が広がるのでは、というところから企画が始まりました。そこからグループ会社のDLEとともに、ドラマと漫画で連動する作品の実現に至りました。

◆そこから、なぜジャンルをラブコメにしようと考えたのでしょうか。

WEBTOONでは不倫ものやサスペンス、内容も過激なものというのが人気ジャンルになりがちですが、私たちとしてはそこに一石を投じたいと思いました。そんな中、王道のラブストーリーって最近あまり深夜枠ではやっていないよね、というところで、胸がときめくようなラブコメ作品を作ろうと。僕自身、今までドラマ制作に携わってきた中でこういう王道ラブコメ作品はやったことがなかったのですが、求められているジャンルだと感じていますし、僕自身も純粋に楽しみでした。社内外から期待のかかった作品だということも感じていましたし、あらためて気合いが入ったことを覚えています。

若月佑美 ©ABC・DLE

◆その中でさらに推していきたいと思っていた要素は?

セレブ男子たちに翻弄されるヒロイン像です。この作品のメインターゲットとしてとらえていたのは、ドラマ好きな女性層。若月佑美さん演じるひかるに向けて、セレブ男子たちがどんなアプローチをしていくか、どうすればそれに一緒にドキドキしてもらえるか、というところは大切に練り上げた部分です。そして、そんなセレブ男子たちに対してひかるがどんな反応を見せるのか、ひかるから選ばれるようなアプローチを誰が仕掛けるのか…というのを最後まで楽しんでいただけたらいいな、と思っていました。

◆ドラマとWEBTOON、お薦めの楽しみ方は?

入り口は、どちらからでも楽しめる作品になっています。例えば、先にドラマを観てからWEBTOONを読んでいただくと、“実はこんなところまでセレブだったんだ!?”と漫画だからこそ表現できるとんでもないセレブ感みたいなものをドラマ以上に感じていただけるかなと。漫画だからこそ、純粋に面白く受け止められるエピソードも出てきます。実はこんな裏設定があったんだ、という新発見もたくさん登場するので、ぜひ交互に見返していただけたらうれしいです。

◆松崎Pが主人公・ひかるに感じる魅力は?

ひかるはもうみんな好きになっちゃいますよね(笑)。全部受け入れてくれて、何でも話を聞いてもらえそうで、つい話しかけに行きたくなるような。そのうえで、自然と人を惹きつける魅力がある。女性に対して不信感やトラウマを抱くセレブ男子たちにとっても、“あなたのことを受け入れています”というのを示してくれる存在を若月さんが見事に演じてくれました。

左から)若月佑美、中尾暢樹 ©ABC・DLE

◆これまでで印象深く残っているシーンは?

ペントハウスを出て行ったひかるをシオン(鈴木)が迎えに行き、マフラーをかけてあげたところです(8話)。誰がひかるを迎えに行き、誰のどのひと言でペントハウスへと戻ることを決意したのか…というのは、脚本を作る段階からクライマックスに向けてキーとなる大事なシーンにしたくて。脚本の岡田(真理)さんや監督とも相談しながら、かなり考えて作り上げたシーンのひとつです。

◆本作は食事のシーンも大切に描かれていますが、撮影はいかがでしたか?

もう、ただただ大変でした(笑)。これまでひかるは毎話1品ずつ料理を作ってきましたが、それが“セレブ男子4人のわがままに応えられうる料理であること”というのがとても難しくて。1人1品ずつ作り、4品出すという手もあったのですが、やはり1品に全てのわがままが詰まっているというのがいいじゃないですか。なので、フードコーディネーターさんにも大いにお力添えを頂き、どんな料理であればそれぞれのわがままに応えられるのか、そこでひかるがどう説明するのか、というのは監督を筆頭にギリギリまでみんなで考えていました。

◆主演の若月さんのキャスティング理由は?

ひかるはセレブ男子たちからアプローチを受ける中で、それにときめく姿をかわいらしく魅せられる、いわゆる“受けのお芝居”が魅力的な方にご一緒いただきたいと思っていたんです。そうなると、若月さんはもうそのど真ん中といいますか。ご本人は“挑戦だった”ということをおっしゃっていたのですが、僕からしたらご一緒した作品をはじめ、他の作品を観ていても魅力的なひかるにしてくださるだろうなと。多彩な表情をお持ちでお芝居の振り幅も大きいですし、セレブ男子たちが自然とひかるに吸い寄せられていく、そういうイメージも若月さんにピッタリだと思い、お願いさせていただきました。

鈴木康介 ©ABC・DLE

◆セレブ男子役の皆さんについても教えてください。

僕が以前から鈴木さんとご一緒してみたいと思っていたのもあるのですが、シオンは有名ブランドの御曹司でイケメンで、自分にも相手にも厳しい…というところで鈴木さんがパッと思い浮かんで。ご本人は「イケメン役はあまりやったことがなく、3枚目キャラのほうがやりやすい」とおっしゃっていたのですが、すごくハマっていますよね。「イケメンってどうやったらいいんですか?」と聞かれたことがあるのですが、そこに関しては「もうそのままでいてください」と(笑)。

律役の本田さんは、実はピアノが弾けるかどうかは存じ上げていませんでした。でも、今までやってこられた役のイメージから勝手ながら弾けそうだなと思っていたのと、野菜も嫌いそうだなと(笑)。なにより、律ってやり方を間違えてしまうとめちゃくちゃ嫌われてしまうキャラクターに思われがちなのですが、本田さんであれば嫌味が出ないんじゃないかなと思ったんです。もしかしたら本田さんもそこを気にしてらっしゃったかもしれません。ただ、ご本人のキャラクターとお芝居の質も相まって、すてきな律を作り上げてくださいました。

漠さんが演じたルカはモデルとして性別がどうとかいう次元ではないキャラクターにしたかったので、ぜひ漠さんに演じていただきたいなと。今回、漠さんはキャスト陣の中でひとりだけ圧倒的に若かったのですが、みんなから人生相談をされるような頼られキャラで、そういう姿もルカに重なりましたね。劇中では描かれていないですが、僕としてはルカもきっとみんなから相談を受けるような頼られる存在と感じていて。漠さんだからこそ、ルカを表現していただく上での説得力が全く違うものになりました。

そして彰人に関しては、とにかく優しい人が良くて。他人に対してだけでなく、自分への優しさの使い方も考えてほしいなと思うような、優しさについて深く悩めるキャラクター像を作れたらと思っていました。中尾さんは、そういうお芝居がとにかく上手。それと、ご本人のキャラクターも大きかったですね。中尾さんは一見めちゃめちゃカッコ良くてクールなのですが、優しいだけでなく繊細な部分もあり、彰人と通ずる部分をより深く感じてくださいました。現場ではみんなを笑わせてくれるけど、周囲を支える芯としてはブレない。そういう意味でも本当に中尾さんにお願いして良かったです。

井手上漠 ©ABC・DLE

◆撮影現場の雰囲気も素晴らしかったことがうかがえます。

ええ。ただ、現場の雰囲気は…いい意味で毎日ワイワイとうるさかったです(笑)。結構タイトなスケジュールを組んでしまったのですが、5人がまったくつらさを感じさせず楽しく頑張ってくれる姿勢を見せてくれて…、僕らもその雰囲気に助けられた瞬間が多々ありました。毎日モチベーション高く現場に来てくださって、本当に感謝しかありません。

◆撮影時に苦労したシーンは?

食事のシーンでしょうか。実は食事のシーンは全部まとめて2日ぐらいで撮っていて、「いただきます」と「ごちそうさま」を繰り返しているんです。とてもタイトで苦労したのですが、撮影の合間はみんなでおしゃべりをして盛り上がっていましたね。その様子はメイキング動画でSNSにアップされているので、ぜひご覧いただければと思います(笑)。あと苦労したシーンでいえば、先程もお話したシオンがひかるを迎えに行った第8話のシーンは、光をきれいに反射させるべくみんなでバケツを持って地面に水を撒くなど、アナログな方法でキラキラを生み出しています(笑)。みんなで力を合わせて頑張った甲斐もあって、すてきなシーンになったと思います。

◆それでは最後に、最終話の見どころをお願います。

ペントハウスでの共同生活がどうなるのかというのはもちろん、それぞれが次のステップに進んでいくさまをしっかりと描いていきます。そこでの5人のキャラクターの描かれ方は大きな見どころです。そうした中で、“恋愛は二度としない”と誓ったひかるが何を思い、どんな選択をするのか…キャストとスタッフが全員で作り上げたドラマの結末にもぜひご注目ください。

左から)井手上漠、鈴木康介、若月佑美、本田響矢、中尾暢樹 ©ABC・DLE

 番組情報

『セレブ男子は手に負えません』
ABCテレビ
最終話:2024年324日(日)深夜025分~
テレビ朝日
最終話:2024年323日(土)深夜230分~

※ほか地域でも放送予定
ABCテレビでの放送後、TVerABEMAで見逃し配信あり

 番組公式HPhttps://www.asahi.co.jp/serebu_dansi/

連動WEBTOON情報

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●text/片岡聡恵

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