テレビ情報誌「TV LIFE」で、今後さらなる活躍が期待されるネクストブレーク俳優の魅力を紹介する連載「#今旬コレクション」。WEB版では、本誌に収まりきらなかったエピソードをスペシャル動画も交えて紹介します。第78回はドラマ『シンデレラ・コンプレックス』(MBSほか)に出演している森愁斗さんが登場です。
「#旬コレ 7seconds CHALLENGE」森愁斗
◆本作では、田中美久さん演じる由良と同じ高校に通う謎多き高校生・工藤要というこれまで演じられたことのない役柄を演じられていますが、要を演じる上で心掛けていたことはありますか?
まずお話を頂いたときに、高校生役が大丈夫なのか不安だったんです。でも、制服を着たときに、マネージャーさんから「まだまだいけるね!」と言ってもらえたので、何か特別作り込むというよりは、ナチュラルに学生としていったほうがいいなと思い、あまり型にはめずに台本を覚えていって。その場で監督や共演者の皆さんと擦り合わせていくというやり方をしていきました。要は、秘密を抱えていて、4話以降にそれがあかるみに出るのですが、それまでとの落差や変化がより強調されるように演じたのは、大きなポイントです。また由良に対する気持ちや秘密の関係、陽介先生(飯島寛騎)や舞先生(宇垣美里)と、どういう関わり方をしていくのか、想像を超えた面白い展開になっていくので、そこにも注目していただけたらと思います。
◆森さんが思う、要というキャラクターの魅力とは?
弱々しい表情やどこか助けてあげたくなるような雰囲気は、要ならではの魅力だと思います。本当は彼が抱えている秘密をここで言いたいんですけど、ネタバレになってしまうので…。(首を手で押さえて)ここまで出かかっているのですが、やめておきます(笑)。
◆今回田中さんとは初共演となりますが、共演した印象は?
作品や由良という役どころに対して、すごく熱意を感じました。覚悟を決めて演じられているのが伝わってきたので「要に対しても手加減せずに、思い切りぶつかってきてください」と言いました。由良が要に体当たりする、迫真のシーンも今作の見どころの一つだと思います。
◆由良は自分が欲しいものは絶対に手に入れたい人ですが、森さんも絶対に欲しいものは手に入れたいタイプですか?
まさにそうですね。物欲もありますし、コレクター気質で“これが欲しい”と思ったら、我慢できずにすぐ買ってしまいます。その結果、服とか物で部屋があふれかえっている状態です(笑)。
◆整理整頓は苦手?
(即答で)かなり苦手です(笑)。でも、いい加減やらなきゃって思ったのと、お正月のお休みが暇すぎて、掃除するついでに一気に模様替えしました。
◆思いついたら即行動タイプであると。
そうですね。逆に思いつかなければ、いつまでもそのまま放置しちゃうという。興味があれば、すぐに行動に移せるんですけど。
◆そうはいっても、なかなか行動に移すのは難しいですよね。
また残念なのが、それを維持できないんですよ。掃除して1週間も経たない間に汚れちゃいました(笑)。
◆よく言えば、10-0、中途半端にできない人なんですね。
何に対しても夢中になってしまったら、そっち側に思いきり偏ってしまって、ほかのことが疎かになってしまいますね。
◆ある意味、完璧主義者?
それはどうなんでしょう。周りからは、きれい好きだと思われがちなんですけど、バッグの中とかはぐちゃぐちゃですし(笑)。学生の時も、引き出しの裏側にプリントがたくさん挟まっていたり、裁縫道具の中が乱雑になっていたり…外見は汚れていないのに、中を開けたら“うわっ”みたいな(笑)。人に見えないところ、例えば自分の家の中とかは、誰も来ないし別にいいやって思ってしまうんですよね。
◆お兄さん(森英寿)とは正反対?
そうですね。お兄ちゃんの部屋はすごくきれいで、リモコンもちゃんと箱に入れたりしていて。逆に僕からしたら信じられなくて。こんなにキチっとしてたら疲れちゃうなって。基本僕は脱ぎっぱなしなので(笑)。
◆無理してこれをやらなくちゃと思うと、自分を追いつめることになりかねないですしね。
でも、自分でも意外でしたね。一人暮らしをする前は、絶対にキレイでオシャレな部屋になっていると思っていましたから。この前、レイアウトを変えてから、久々にふみ君(小川史記)が僕の家に遊びに来たんですけど、「こんぐらい散らかっているほうが逆にオシャレなんじゃない?」「ちょっと雑な感じが男くさくて、なんか実家っぽくっていいよ」って言ってくれて。「気を張らないでいられるから、友達とかも来やすくていいね」って言ってもらえたんです。なので、これからも自分のペースに合わせて片づけていこうと思います。
◆常に気を張っているなかで、息抜きできるスペースは大事ですからね。
そうですね。それが僕にとっては、ちょっと散らかった状態なのかも。まあ、言い訳ですけど(笑)。
◆ちなみに今一番手に入れたいものはありますか?
今、手に入れたいものは身長(笑)。飯島さんがスラっとされていてカッコいいので、すごくうらやましいなと思いました。
◆ご自身の高校を振り返ってみて、どんな高校生活を送られていましたか?
僕は高校で私服だったので、皆さんが想像するような学校というよりは塾みたいな雰囲気だったんです。今回の撮影を通して、制服を着ることができてうれしかったですし、エキストラの方もいっぱいいて、当時思い描いていた高校生活に近い生活を送れているような気がしました。撮影していて新鮮で楽しかったです。
◆学生時代と今の自分と比べてみて、変わったなと思うところはありますか?
小学校のころは、1クラスだけだったのもあって、男女みんなとわりと仲良かったんですけど、中学にあがって人見知りが発動されてから、話し掛けられても「あっ、はい」みたいな素っ気ない返事をすることが多くなりましたね(笑)。そこから高校生になっても同じ感じで…。でも、芸能のお仕事、特にドラマをやるようになってから、人見知りはしなくなりましたね。
◆BUDDiiSでステージに立つようになってではなく?
ライブだと、パフォーマンスに対しての歓声やレスポンスなので、直接お客さんと会話をする機会はあまりないんです。一対一で直接深い話ができるようになったのは、グループのメンバー以外だと、8LOOM(ドラマ『君の花になる』内でのグループ)のメンバーとかの存在が大きかったです。
◆俳優としてはもちろん、ドラマ『君の花になる』は森さん自身にとってのターニングポイントとなったわけですね。
はい。『君の花になる』の出演をきっかけに、僕という存在をたくさんの人に知っていただけましたし、そこから個人のお仕事で関わる人の輪が広がって、友達も一気に増えました。僕はそれまで気にしいで、自分が周りからどう見られているのかを気にしたり、どこか心を閉ざしてしまうところがあったのですが、ある人のおかげで気にならなくなりましたね。
◆ある人とは?
綱啓永君。現場に一緒に行くときとか、僕はマスクをして帽子をかぶって、眼鏡をかけてがっつり変装しているのに、啓永は何もしないんですよ。「何でマスクとかしないの?」って聞いたら、「肌が荒れるから」って(笑)。こんな生き方ができたら、なんて楽なんだろうって、彼の行動に感銘を受けちゃって。確かに、変装していようが、服装とかでバレちゃうときはバレちゃうんですよ。だったら、気にしなきゃいいかって。自分がそういうことに対してストレスになるなら、タクシーに乗ってみるとか、人混みを避けるとか自分に合うスタイルを自分でコントロールし始めることができたというか。そういう余裕ができたのも、少しずつ仕事に慣れていったり、啓永や周りの人たちの影響が大きいと思いますね。
◆綱さんは、森さんにとって俳優仲間を超えた特別な存在であると。
もう、偉大すぎます。メンバー以外で、多分一番会っているんじゃないかな。頻繁に会っている分、影響されることも多いですし。いいなと思ったところを自分なりにくみ取っていけたらいいなと思っています。
◆あらためて本作の見どころや楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
出ているキャラクターみんな、誰かを思う愛があるんです。愛の形、在り方がそれぞれ違うだけに、いろんなトラブルがあったり、いろんな思いが行き交う作品になっています。世の中的にはダメなことかもしれないですけど、不思議なことではないといいますか。そうなってしまったのは仕方のないことなのかなと、僕的に理解できる部分もあるので、ぜひそれぞれの解釈で見てもらえたらいいんじゃないかなと思います。本当に目が離せない展開が盛りだくさんなので、最後まで楽しみにしていてほしいです。
PROFILE
●もり・しゅうと…2002年9月18日生まれ。東京都出身。O型。ダンスボーカルグループ・BUDDiiSのメンバー。主な出演作はドラマ『Maybe 恋が聴こえる』『ぼさにまる』『君の花になる』など。
●photo/中村 功 text/星野彩乃 styling/井上亮(PUNCH) hair&make/KANANE (PUNCH)