「事実は漫画よりも奇なり」トンツカタン・森本晋太郎のネクストブレイク紀行【第38回】

特集・インタビュー
トンツカタン・森本晋太郎のネクストブレイク紀行
2024年10月02日

お笑いコンビ・トンツカタンの森本晋太郎さんがTV LIFEで連載中のコラム「トンツカタン・森本晋太郎のネクストブレイク紀行」。「今年売れる」と言われ続ける中での出来事や本音が綴られた“飛躍を夢見る芸人の備忘録”をwebでも公開します。今回は、『賭博黙示録カイジ』のあのゲームで対戦した話。(TVLIFE 2024年9月18日発売号より転載)


事実は漫画よりも奇なり

先日配信されたGoogle Playオリジナル作品『漫画遊戯者達の夜』に出させていただいた。タレントさんや配信者さんが入り混じって様々な漫画に登場するゲームをリアルでプレイし、真の主人公を決めるという非常にワクワクする内容だ。

最初に登場したゲームは『賭博黙示録カイジ』から『限定ジャンケン』。配布されたグーチョキパーのカードでプレイヤー同士がジャンケン勝負をして、それぞれが持っている星を奪い合うというシンプルゆえに戦略がものを言うゲームだ。

デスゲームのような雰囲気で幕を開けた『限定ジャンケン』は性質上、誰かが対戦を申し込まないと始まらないので最初は様子見をしたいプレイヤーたちはなかなか動き出せない。そんな中、QuizKnockメンバーのふくらPさんが僕の元に歩み寄り

「森本さん、対戦しませんか?」

と持ちかけてきた。予想外の出来事に慌てながらも対戦を承諾。カードを選んでいる時の会話や所作になにか仕掛けがありそうな雰囲気を感じるが、もちろん僕にそれを見抜く力はない。頭をフル回転して導き出した『なんとなく最初にチョキは出さなそう』というハリボテの戦略でパーのカードをセットした。

「両者、オープン!」

ディーラーの指示でカードをひっくり返す。最初の試合ということで他の全プレイヤーが見守る中、結果は僕のがむしゃらに出したパーがふくらPのグーを返り打ちにした。この感じで僕が勝つんかい。どうやらふくらPが仕掛けたメンタリズムや心理トリックを僕がことごとく見落としていたらしい。ずいぶんと買い被られたもんだよ。

その後ふくらPはというとそこからズルズルと負け込んでしまい、いち早く星を全て失って敗退してしまうという番狂せがのっけから起こってしまった。途中ではっきりと「理論上は僕の方が勝率高いのに…」と、頭脳タイプのキャラクターが負けた時に言うセリフをちゃんと口に出していた。

そして僕はその後奇跡的に運のみで星を増やし、あとはどうにか勝利条件である手札を使い切らなければならない段階で困っているとある人物が目の前に颯爽と現れた。

「森本さん、僕と手を組みませんか?」

本郷奏多さんだった。いくらなんでもかっこよすぎて映画のワンシーンを見ているようだった。僕が本郷さんに見惚れている間になぜ我々が手を組むべきかというメリットを理路整然と説明していただき、二つ返事で承諾した。

突如現れた頼もしすぎる味方のおかげでそのまま順調に手札を使い切って勝利することができた。その後のゲームでも共謀や騙し合いが幾度となく繰り広げられ、現場は阿鼻叫喚の連続だったのでぜひご覧いただきたい。そして今回『限定ジャンケン』での自分を振り返ってみて思うのが、徹頭徹尾主人公とは思えない振る舞いをしている。でもそういう漫画があってもいいよね。


森本晋太郎
●もりもと・しんたろう…1990年1月9日生まれ、東京都出身。お笑いトリオ「トンツカタン」のツッコミ担当。プロダクション人力舎のお笑い養成所・スクールJCA21期を経て、現在はテレビやラジオで活躍中。趣味でもあるツッコミに特化したYouTubeチャンネル「タイマン森本」も好評。

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