テレビ情報誌「TV LIFE」で、今後さらなる活躍が期待されるネクストブレーク俳優の魅力を紹介する連載「#今旬コレクション」。WEB版では、本誌に収まりきらなかったエピソードをスペシャル動画も交えて紹介します。第90回は映画「100秒の拳王 -ケンカバトルロワイアル-」の主演を務めた関哲汰さんが登場です。
「#旬コレ 7seconds CHALLENGE」関哲汰
◆本作で単独初主演となりましたが、どんな思いで臨まれましたか? 座長として心掛けたことはありますか?
最初はプレッシャーもあり緊張していたのですが、いざ現場に入ってみると僕よりもキャリアも年齢も上の方ばかりで。座長として何かをするというよりも、皆さんに引っ張ってもらいながら、必死についていきました。特に(本作の舞台となるケンカバトルロワイアルの主催者でもある)バン仲村さんと一緒のシーンが多かったのですが、バンさんはトークスキルもすごいですし、いろいろと不安がある中でご一緒出来た時は安心感が半端なかったです。
◆初主演が決まった時、ONE N’ ONLYのメンバーには伝えましたか?
格闘技系が好きなメンバーがいるので、内容を聞いてすごくうらやましがられました(笑)。「みんなで見に行くね」と言ってくれて、楽しみにしてくれているのがうれしかったです。あと、僕の父親も格闘技が好きなので、とても喜んでくれました。
◆本作のために本格的に格闘技を学んで、撮影に挑まれたそうですね。
そうなんです。K-1の元世界チャンピオンの方のジムに行って、直々に教えていただきました。また家に帰ってからもその時に撮った動画を見て、反復練習していました。僕ももともと格闘技を見るのは好きだったのですが、見るのと実際にやるのとでは全然違って想像以上に大変で。実際に経験してからは格闘技に対する見方が変わりました。
◆壮絶&衝撃のシーンの連続でしたが、演じる上で特に大変だったことやこだわった部分はありますか?
とにかくリアルさを出すことを意識していました。実は撮影前に、監督が気合を入れるために「俺の腹を思いきり殴れ」と言ってくださって、毎回監督のおなかを3発殴ってから撮影に臨んでいたんです。そのおかげで、躊躇することなく、まさに体当たりの演技をすることができました。
◆監督さんは大丈夫だったんですか?
鍛えられている方なので、100%の力で殴っても全然余裕なんです! 実際に劇中でも蹴りなどを当てているのですが、それこそ対戦相手のキャストの方は格闘家だったりするので、僕が当てても全く平気なんですよね。逆に相手からも当てていただいたのですが、僕は初心者なのでガードをつけた上で、いつもより軽めにやってもらっても、一打が重かったですね。
◆何テイクも重ねて撮影されたんでしょうか。
1テイクで終わる時もあれば、数テイクの時もありました。
◆テイクを重ねるごとに体が疲弊して、どんどんハードになっていったんじゃないですか?
グループ活動で普段からダンスをやっているので、体力的な面は問題なく撮影できました。でも、蹴りのトレーニングのときは、太ももの裏がつるぐらい痛くて。普段使わない筋肉だったので、3~4日ぐらい歩くのがつらかったですね(笑)。あと、当てる場所を間違えて、足の裏が赤く腫れたり、手首を痛めたりといろいろありましたが、大きなケガをすることなく無事撮影を終えることができました。
◆それはよかったです。ちなみに撮影はグループ活動と並行して行われていたんですか?
はい。でも、お芝居も音楽もどちらも好きですし、アクションとダンスとは別モノなので大丈夫でした。それよりもカメラの向きに対しての当て方を気にしながらアクションをしなければいけないのが大変でしたね。カメラの画角によって見え方が違うので、リアルに当たっているように見えるアングルを意識して微調整しながら、細かいところまで意識して撮影しました。正直大変でしたが、個人的に格闘技やアクションものが好きなので、好奇心が勝って楽しみながら撮影できましたし、そのぶん達成感も大きかったです。
◆では“ケンカバトルロワイアル”にちなんで、最近バトルしたことや白黒つけたいなと思っていることはありますか?
楽屋で僕のモノが散乱していて、いつの間にか隣のメンバーのところまで占領してしまい、結構しっかりめに怒られました(笑)。メンバーに「楽屋が汚い。ここお前んちじゃないんだぞ」って…(笑)。反省しているのですが、無意識のうちに自分のテリトリーが拡大しちゃっているんですよね…。
◆よく被害にあうメンバーはいるんですか?
NAOYAですね。“これ以上こっちにこないで”という仕切りを作られています(笑)。
◆それは良いアイディアですね(笑)。お芝居の楽しさはどんなところに感じますか?
普段の自分とは違う自分になれるところだと思います。役を通して全く違う考えを持てるし、その期間ずっとその役に没頭できるのは俳優業じゃないとできないことなので、そこもお芝居の楽しさを感じるところのひとつですね。
◆今後出演したい作品や演じてみたい役柄は?
ヒール役やサイコパスなど、ぶっ飛んだ役をやってみたいです。あと、見ている人から嫌われる役にも興味があります。「マジでこいつうざいわ、嫌いだわ」と思っていただけたら役者として勝ちだなと思いますし、視聴者の方に怖い印象をつけられるぐらいの迫力のある役をやりたいですね。音楽で培ったものが俳優業に、逆に俳優業で培ったものが音楽に活かされると思うので、経験を重ねながら両方の力を伸ばしていきたいです。
◆最後に本作の見どころや注目してほしいシーンを教えてください。
迫力のアクションシーンはもちろんですが、僕が演じる鷲田が変わっていく姿や板尾さんとのシーンに注目して見てほしいですね。板尾さんの空気感やオーラがものすごくて、異様な雰囲気が漂っていました。また一人一人のキャラクターの背景が見える作品になっているのですが、急に話が飛んだり、時間軸が変わったりするので、油断できないといいますか。頭を回転させながら、最後まで緊張感を持って見ていただけると思います。
◆そして、衝撃のラストが…。
いろんな意味でモヤモヤが残ると思います。思わず監督に「また続編あるんですよね?」って聞いちゃいました(笑)。本当に何も決まっていませんが、僕の妄想で2(の実現)に向けて、引き続き体を鍛えておきたいと思います。今回以上に強くありたいので(笑)。
PROFILE
●せき・てった…1997年11月24日生まれ。神奈川県出身。B型。ダンス&ボーカルユニット・ONE N’ ONLYとしても活動中。主な出演作は映画「バトルキング!!-We’ll rise again-」など。
作品情報
「100秒の拳王 -ケンカバトルロワイアル-」
シネマート新宿ほか全国公開中
●photo/干川 修 text/星野彩乃 styling/Masumi Yakuzawa(TRON)hair&make/Emiy(Three Gateee LLC.)衣装協力/COACH、VALAADO