婚約者に逃げられた佐藤ほこ美(奈緒)と“沼らせる男”葛谷海里(玉森裕太)の恋とボクシングに懸ける思いを描く火曜ドラマ『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系 毎週火曜 午後10時~10時57分)。ほこ美の妹でシングルマザーのさや美を演じている鳴海唯さんが、撮影エピソードや今後の見どころを語ってくれました。
◆演じるさや美をどのような人物だと捉えていますか?
母親の明美さん(斉藤由貴)譲りの恋愛体質で、今までクズ男に散々引っかかってきた経験のある人ですね(笑)。ただ、その経験を生かして、ほこ美(奈緒)を助けることもあるから、破天荒に見えるようで実はしっかり者なのかなと。シングルマザーらしく、子供に対する愛情深さも持ち併せている人だと感じています。
◆演じるうえで心掛けていることは?
最初、ルックスについてはかなり話し合いました。元ギャルだけど現役ではない、いいあんばいはどの辺りかなと。内面的にもギャル感は大事にしてますね。はしゃぐときは思いっきりはっちゃけて、海里さん(玉森裕太)を見て「まぶしい!」って叫んだり(笑)。そんなところはギャルっぽいかわいさのあるシーンだと思います。
でも、ギャルって自分の真ん中に太い幹が1本あるイメージもあるんです。だから時には鋭いことを言うし、曲がったことは嫌いで、愛情深くて。それがいわゆる「ギャルマインド」だと思うから、そんなギャルの心意気みたいなものも大事にしながらお芝居しています。
◆さや美に共感する部分はありますか?
明るくて家族思いなところですね。私も友達と「ギャルマインド持っとけば大丈夫!」みたいなことを言い合ってるから(笑)、そこも想像できなくないなと。何か悪いことが起きても、寝たらどうにかなるだろうって、割と気にしないところは私と違う気がします。
◆シングルマザーという一面はいかがですか?
26歳でお母さん役を任せていただけるなんて、すごく感謝しました。ただ同時に、私がママに見えるんだろうか、子役とガッツリお仕事するのもほぼ初めてだったから、不安な部分もあって。でも、娘の美々を演じる磯村アメリちゃんがクランクインしたときから「ママ」って呼んでくれて、そうやって関係性を作りに来てくれたおかげで、すぐ打ち解けることができたんです。私的には友達みたいなママが理想だったりするから、アメリちゃんと話すときは子供扱いせず、1人の人間として話すようにしてます。
◆アメリちゃんとはどのようなコミュニケーションを?
アメリちゃんはよく、はやっているものを教えてくれるんです。今ハマッてる映像や、好きな歌手を教えてくれて。それを見ながら、一緒に踊ったり歌ったりしてます。それを見た監督から、本当の親子みたいだと言われることも結構あります。
そんなアメリちゃんは、なぜか玉森さんのことを「エリザベス」って呼んでるんです。理由を聞いたら、王子様が乗ってる白馬みたいだからって。王子様ではなく(笑)。たぶん、金髪と肌の透明感からのイメージなんでしょうね。玉森さんもすっかり受け入れて、アメリがエリザベスって呼びかけると、「はーい」って返事してます(笑)。
◆ほこ美役の奈緒さんから刺激を受けている部分はありますか?
想像していた以上に柔らかくて穏やか、大らかな方でした。愛情深いオーラがダダ漏れで、この人を好きにならない人はいないんじゃないかと(笑)。対面してると、心が自然と大きく開いて、心がつながる瞬間が何回もあって。奈緒さん自身が持ってる温かみがそうさせてくれるんでしょうね。一緒にいてすごく心地いいです。意外だったのは笑い上戸なところで、私がたいしたことを言ってないのに大笑いしてくれるんです。面白い人になったのかなって、勘違いするぐらい(笑)。おかげで現場が明るくなってます。
◆明美役の斉藤由貴さんとは、現場でどのような話をされてますか?
斉藤さんはたくさんドラマや映画を見ているから、現場に行くとよく情報交換をしてるんです(笑)。スナックで歌うシーンがあるんですけど、斉藤さんの生歌唱を聞けるなんてぜいたくなシーンだなと。「狙いうち」とか、昭和のヒット歌謡を歌ってらっしゃるんですけど、チャーミングな体の動きもかわいくて。明美さんに群がる男たちと、それを冷めた目で見ているさや美の構図も面白いと思います(笑)。
◆これまで撮影して来た中で、印象深かったシーンはありますか?
クランクインの日に、明美さんとさや美が振られて泣いてるシーンを撮ったんです。そこにやって来たほこ美が助けてくれるっていう。一連の流れを見た監督がちゃんと家族に見えたみたいで、「これでいける」と言ってくださったのが印象的でした。
ほこ美とさや美は性格的に正反対ですけど、名前通り「ほこ」と「さや」の関係にあるんじゃないかと勝手に思っているんです。ほこ美に何があっても受け止める、帰って来たときはほっと一息つける関係であれたらいいなと。佐藤家のシーンはまさにそういう気持ちでやっていたのが良かったのかなと思うし、今となってはもう4人集まれば自然にそういう空気になるから、今後もいいシーンがたくさん生まれると思います。
◆ちなみにほこ美のボクシングのように、何かに打ち込み、成し遂げた経験は?
小学校のマラソン大会ですね。毎年10位内でしたけど、3位以内には入れなくて。あるとき、お金持ちの友達から「3位以内に入らないでね」って言われたんです。3位以内に入れたら、犬を買ってもらう約束をしていたみたいで。そこで火が付いて、猛練習しました(笑)。もう毎日、近所を走って走って、走りまくって。そしたら、2位になれたんです。うれしかったし、目標に向かって頑張ったのは初めてだったから、その後の自分にとって自信になってます。ちなみにお金持ちの子は結構後ろの方で、お母さんにめっちゃ怒られてました(笑)。
◆では、落ち込んだときに自分を奮い立たせる方法は?
昔、一緒にお芝居をした先輩の俳優さんやプロデューサーさんからいただいたメッセージを読み返すようにしてます。温かい言葉ばかりだから、それを読むと、「大丈夫、私にはこんな言葉をかけてくださる方がいる。不安にならず自信持ってやろう」と思えて。何か大事なことがあるときは、そうやって自分を奮い立たせてます。
◆最後に、視聴者の皆さんに向けてメッセージをお願いします。
ほこ美と海里さんの恋模様の一方でボクシングや家族愛などもあり、単なるラブコメの枠に収まらないドラマになっていると思います。ボクシングがどんどん本格的になっていくから、お好きな方は楽しみにしてほしいですね。ヒューマンとラブ、ファイティングが詰まったドラマになっているので、いろんな方に楽しんでいただきたいです。
PROFILE
鳴海唯
●なるみ・ゆい…1998年5月16日生まれ。兵庫県出身。A型。
番組情報
『あのクズを殴ってやりたいんだ』
TBS系
毎週火曜 午後10時~10時57分
番組公式サイト:https://www.tbs.co.jp/anokuzu_tbs/
番組公式X&Instagram&TikTok:@anokuzu_tbs
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