吉柳咲良「人知れず戦い続ける椎葉の心境は、私にも理解できるところがあります」『御上先生』

特集・インタビュー
2025年01月30日
『御上先生』吉柳咲良©TBS

日曜劇場『御上先生』(TBS系 毎週日曜 午後9時~9時54分)に、御上(松坂桃李)が担任を受け持つ3年2組の生徒・椎葉春乃役として出演中の吉柳咲良さん。本作では、文部科学省のエリート官僚・御上が、若手官僚を教師として派遣させる制度により県有数の進学校・隣徳学院に赴任。生徒たちと共に日本教育界の腐敗に立ち向かっていく。

吉柳さん演じる椎葉は責任感が強く、人にも自分にも厳しいタイプ。ある理由からふさぎ込むことが増えたのだが、心配してくれるクラスメイトに対して強がっている。吉柳さんが、現場の雰囲気や主演の松坂とのエピソードを語ってくれました。

◆日曜劇場には初出演となります。

気持ちが引き締まりましたし、しかも学園ドラマと聞いてうれしかったです。私にとって日曜劇場の『ごめんね青春』がまさに青春の1ページで、よく周りの友達とこのドラマの話をして盛り上がっていたんです。当時は満島ひかりさんのことをカッコいいなと思って見ていたんですけど、共演させていただいたときから尊敬する存在にもなりました。

◆演じる椎葉をどんな人物だと捉えていますか?

責任感が強く、自分にも他人にも厳しい人です。心の底には優しさがあるんですけど、その優しさゆえに頑張り、厳しくなってしまうというか。そんな椎葉の心境は私にも理解できる、知っている感覚だと思いました。

オーディション後、飯田(和孝)プロデューサーが私のことを「子供と大人のはざまにいるイメージ」と評してくださったんですけど、自分でもそう思うんです。昔から大人になり切れない悩み、張り詰めてパンパンになってしまうことがよくあって。ただ、その感覚はお芝居として生かせるところもあるし、実際に自分自身の何かと戦ってたり、思いを抱えているような役どころをいただくことも多いんです。そういう私はある意味、椎葉役に適しているかもしれないなと思っています。

◆そんな椎葉にとって転機となる出来事は訪れるんでしょうか?

結構、物語後半になりますね。それまでは御上先生により教室が一体化していく中、椎葉だけは何も打ち明けられず、ただ1人戦い続けていて。椎葉の悩みをどうしたらみんなが共有できるのか、御上先生がどう救うのか。その頃には御上先生自身にも大きな変化があるので、楽しみにしていただきたいです。

◆吉柳さん自身、悩んだときの自分なりの解決法はあるんですか?

基本的に悩みが解決するということはあまりなく、答えが出ないままそれを抱えて生きていく感じが多いんです。それもまた、等身大の今の自分だなと思っていて。悩むことが悪いことではないと、日々思うようにしてます。

◆教室シーンの雰囲気はいかがですか?

本当の学校みたいですね。写真を撮り合ったり、くだらないことで笑い合って、学校での高校生活を体感できてる気がして楽しいです。そんな中でも役者としていい刺激を受け合っているし、意見を言い合える関係性や現場での役割分担みたいなものも出来上がっていて。八村倫太郎君や影山優佳さんがみんなのまとめ役みたいな存在で、始業式イベントのときも積極的に動いてくれたんです。

◆その始業式イベントで、吉柳さんは特技の歌唱を披露しました。

作品の中と違って役ではなく私自身として歌う分、緊張感もありました。目の前で見てくださっている松坂桃李さんと吉岡里帆さんにいいものを届けたいという気持ちもありましたし。練習のときからどういう歌にしたいかを意見させてもらって。それでも本番は歌詞が飛びそうだったぐらい緊張してたんですけど、練習のときから一緒に頑張ってきたメンバーが横にいることで安心感もありました。

◆吉柳さんたちの歌唱を聴いて、吉岡さんの目に涙も見えました。

それを見て、私たちも泣きそうでした(笑)。吉岡さんは演じている是枝先生みたいに私たちのことを全部受け止めてくださるし、吉岡さんの存在に助けられることも多いんです。

『御上先生』吉柳咲良©TBS

◆教室シーンでの松坂さんはどのような雰囲気ですか?

まとってる空気感が柔らかく、生徒と同じ目線で語り掛けてくださります。たまに誰かがせりふに詰まったときも、「大丈夫、もう一回やろう」と優しく声をかけてくださって。松坂さんのときは笑顔でいることが多いんですが、本番になった途端、目つきや表情、声のトーンもすべて変わるところがすごいなと思っています。台本を読んでいて感じた御上先生のイメージがそのまま目の前に現れたことに、最初は驚きました。そんな松坂さんに引っ張られて、生徒役のみんなも本番に入ると全然違う空気感になっています。

◆松坂さんと交わした会話やエピソードで印象的だったことはありますか?

実は幼少期の頃、『侍戦隊シンケンジャー』が大好きだったんです。なので今もまだ松坂さんとお話しすると緊張してしまいます。

◆生徒役キャストの中で共演が楽しみだった人はいますか?

蒔田彩珠ちゃんのことは前から大好きで、よくSNSをチェックしていたんです。なので今回ご一緒出来ると聞いたときは、単純にファンとしてうれしかったです。

◆親友ポジションを演じている髙石あかりさんはいかがですか?

もう、圧倒されてますね。役の深め方がすごくて、せりふがなくても伝わるような繊細な表情を見ていると無意識に勝てないなと思わされるんです。そんなあかりちゃんがこちらのやりたいことを全部受け取ってくれるおかげで、私も自然と椎葉になれるというか。親友役で出演できていることは私にとって宝だと思います。

◆最後に、視聴者の方にメッセージをお願いします。

この『御上先生』は今までなかなか目が届かなかったことに焦点を当て、知らなかったことを言語化してくれる作品だと思うんです。そんな中でなるほどと思い、共感できるところもたくさんあるのではないかなと。毎回、御上先生は私たち生徒に「考えて」と言ってくれるんですね。答えをくれるのではなく、生徒たちに考え、話し合わせることで問題の根本へと導いていく。正解かどうかではなく、その作業自体がその人にとって一種の救いになると思うし、見ている方も自分の過去を思い出して、あのときああすればよかったかもしれないという気づきになると思います。ぜひ、救われに来てください。

『御上先生』吉柳咲良©TBS

PROFILE

吉柳咲良
●きりゅう・さくら…2004年4月22日生まれ。栃木県出身。B型。

番組情報

日曜劇場『御上先生』
TBS系
毎週日曜 午後9時~9時54分

<出演者>
松坂桃李、吉岡里帆/岡田将生/迫田孝也、臼田あさ美/及川光博/常盤貴子/北村一輝 ほか

■隣徳学院3年2組
奥平大兼、蒔田彩珠、窪塚愛流、吉柳咲良、豊田裕大、上坂樹里、髙石あかり、八村倫太郎、山下幸輝、夏生大湖、影山優佳、永瀬莉子、森愁斗、安斉星来、矢吹奈子、今井柊斗、真弓孟之、西本まりん、花岡すみれ、野内まる、山田健人、渡辺色、青山凌大、藤本一輝、唐木俊輔、大塚萌香、鈴川紗由、芹澤雛梨、白倉碧空

<スタッフ>
製作著作:TBS
脚本:詩森ろば
プロデューサー:飯田和孝、中西真央、中澤美波
演出:宮崎陽平、嶋田広野、小牧桜
音楽:鷺巣詩郎
脚本協力:畠山隼一、岡田真理
教育監修:西岡壱誠
学校教育監修:工藤勇一

©TBS

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