【#今旬コレクション】髙石あかり『アポロの歌』で複数人の演じ分けに挑戦「数字で表すと楽しさが9で、難しさが1。難しいのが楽しかったです」

特集・インタビュー
#今旬コレクション
2025年02月25日

【#今旬コレクション】髙石あかり

テレビ情報誌「TV LIFE」で、今後さらなる活躍が期待されるネクストブレーク俳優の魅力を紹介する連載「#今旬コレクション」。WEB版では、本誌に収まりきらなかったエピソードをスペシャル動画も交えて紹介します。第97回はドラマ『アポロの歌』(MBSほか)に出演中の髙石あかりさんが登場です。

「#旬コレ 7seconds CHALLENGE」髙石あかり

◆今回の役を演じられた率直な感想を教えてください。

一つの作品の中で複数人のキャラクターを演じるのは初めてだったので、演じ分けることができて楽しかったです。役に合わせて衣装やメークもガラっと変わりますし、視覚での面白さもあるなと感じました。物語の大筋は原作に沿っていますが、現代解釈でドラマならではの新たな世界を監督が作り上げてくださったので、原作からそのまま抽出したキャラクターというわけではなくて。原作を読んで感じた本質的な部分をお芝居に落とし込みつつ、台本で描かれたキャラクターを私なりに解釈して演じました。

◆本作で髙石さんは複数のキャラクターを演じられますが、それらを演じ分けるにあたって意識されたことはありますか?

見た目はもちろんですが、声色もキャラクターによって変えていきました。一つ目の世界のひろみは一番普通の女の子だったのですが、実は今回一番難しかったのがひろみでした。ひろみの場合は言葉で伝えるのではなく目線で伝えようと思っていたので、昭吾(佐藤勝利)に向けて誰よりも恋をしている目線を意識して演じました。シグマは歌手で、昭吾に対する愛は持っていても、表面上はさらっとしているクールなキャラクターなのですが、自分に一番近いキャラクターで一番やりやすかったです。彼女に関しては逆に今までの自分が持っていたやり方を覆して何もかも変えて、新たなキャラクター探しをしていきました。どのキャラクターも不器用なのですが、王は私の中で特に不器用で愛せるなと思ったキャラクターだったんです。確実に感情はあるのに、全部一辺倒になってしまう。だからこそ声色だけではなくて、それ以外の何かで昭吾への愛が伝わったらいいなと考えていました。こうして自分で作り上げていったイメージを本読みの時に現場に持っていったのですが、最初は強烈すぎて大丈夫かなと不安だったんです。でも二宮監督が「面白い、それでいこう!」と言ってくださって。そのおかげで、大きな挑戦の一歩を踏み出すことができたと思います。

【#今旬コレクション】髙石あかり

◆短い撮影期間の中でキャラクターを切り替えるのは大変だったのでは?

確かに役の演じ分けは楽しい中にも難しさがありました。でも、数字で表すと楽しさが9で、難しさが1でむしろ難しいのが楽しかったです。

◆役が憑依して、切り替えるのに戸惑うようなこともなかったと。

なかったです。憑依してしまうと、例えば一日に二役やるとなったら、もう一方ができなくなってしまうので、カットがかかった瞬間に自分に戻るように今回は特に意識しました。普段からそうやった方が自分には合っているというか。撮影以外ではちゃんと自分自身でいるということを守ると、アクションがかかったときにスイッチが入れやすいので、そのメリハリをしっかりさせることは私がお芝居をする上で重要なことの一つになっています。

◆昭吾役の佐藤さんの第一印象はいかがでしたか? 

目がすごく印象的で。本読みの時から真っすぐに相手のことを見る方だなと思っていたのですが、お芝居に入るとよりそれをより強く感じました。昭吾は振り向かないけど、ひろみが必死に愛を伝えるという、ひろみから昭吾に矢印が向かうことの方が多かったので、佐藤さんに対してもどう接していいのか最初は迷いましたが、無言で見つめ合うシーンでも何か通じ合えるところがある気がしました。

◆実際に佐藤さんとは、ひろみと昭吾との関係性についてお話されましたか?

お互いに監督と相談しながらキャラクターを作って、その上でお芝居をしていたので、逆にお互いのキャラクターには何も触れず、私はただただ佐藤さんが演じる昭吾と真剣に向き合うという形でした。

◆佐藤さんが作り上げてきた昭吾は、台本を読んだ時に髙石さんがイメージした昭吾と一致していましたか?

そのまんまだなと思いました。初日からそういう雰囲気を持ってこられていたので、“あっ昭吾だ!”と思いました(笑)。

【#今旬コレクション】髙石あかり

◆本作の見どころを教えてください。

今回自分の挑戦としては、キャラクターを演じ分けるというところでしたが、どのキャラクターにも昭吾を思う真っすぐな愛があって。そこをブレないように主軸として持っていればしっかり成立するのかなと信じてお芝居をしました。とても充実した現場で、佐藤さん、二宮監督をはじめ、この作品は誰一人欠けてしまったら作ることができなかったと思います。私自身、根底に愛というものを大切にしていて、その愛は家族や友人、応援してくださる方、支えてくださる方々に対してなのですが、本作を通してあらためて“愛っていいな”と感じました。全て違った愛の形ではありますが、それぞれの愛の物語をぜひ楽しんでいただけたらなと思います。

◆出演作が立て続く中、2025年度後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』のヒロインに決定されました。ご自身では今のこの勢いや環境をどんなふうにとらえていますか?

本当にありがたいなと思います。でも、まだまだ実感がなくて。私自身“まさか自分が…”と驚いています。周りの方から温かいコメントや言葉を頂いて、じわじわと実感が湧いてきているところです。

◆ファンの方のコメントやSNSを見ることはありますか?

見る方だと思います。いつも温かいコメントをくださる方が多いので、その度に励まされています。

◆今、まさにいろんなサイトの特集で“注目の女優”として名前が挙がっていますね。

え、本当ですか!? うれしいです。でも、自分はまだ何者でもないですし、今回の『アポロの歌』はもちろん、これから朝ドラのヒロインとして多くの人に知っていただける機会をいただけたので『ばけばけ』というタイトルにちなんで、私自身も俳優として “化けて”いけたらいいなと思います。

【#今旬コレクション】髙石あかり

PROFILE

●たかいし・あかり…2002年12月19日生まれ。宮崎県出身。主な出演作はドラマ『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』、映画「遺書、公開。」など。現在ドラマ『御上先生』(TBS系)に出演中。2025年後期放送の連続テレビ小説『ばけばけ』で主演を務める。

番組情報

ドラマイズム『アポロの歌』

MBS
毎週火曜 深夜0時59分~

TBS
毎週火曜 深夜1時28分~

TVer、MBS動画イズムで見逃し配信1週間あり
FODにて見放題独占配信中
出演:佐藤勝利(timelesz)、髙石あかり、西垣匠、森田想、河井青葉、ふかわりょう、池内博之

原作:手塚治虫「アポロの歌」
監督・脚本:二宮健
OP主題歌:Dragon Ash「The Lilly」(Victor/MOB SQUAD)
ED主題歌:家入レオ「No Control」(ビクターエンタテインメント)
制作プロダクション:ギークサイト
製作:「アポロの歌」製作委員会・MBS

©Tezuka Productions
©「アポロの歌」製作委員会・MBS

●photo/干川 修 text/星野彩乃

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