堀田真由「神崎君(奥平大兼)が発してくれた言葉に、私自身も大事なことに気づかされました」『御上先生』

特集・インタビュー
2025年03月13日
『御上先生』堀田真由©TBS

松坂桃李演じる文部科学省のエリート官僚・御上が、県有数の進学校である隣徳学院に教師として赴任し、生徒たちと共に日本教育界の腐敗に立ち向かっていく日曜劇場『御上先生』(TBS系 毎週日曜 午後9時~9時54分)。

そんな本作において物語冒頭、国家公務員採用総合職試験の会場で殺人事件を起こした真山弓弦を演じているのが堀田真由さん。終盤に向け、さまざまな人や事象がつながっていく中、弓弦は自らの罪や母・冴島悠子(常盤貴子)との関係にどんな答えを出していくのか。撮影エピソードとともに終盤の見どころを語ってくれました。

◆どんなことを意識して、弓弦を演じていますか?

当初の弓弦は周りを拒絶していましたが、御上先生や神崎君(奥平大兼)が面会に来てくれることで、少しずつ自分自身と向き合っていくんです。相手の言葉を拒絶しているように見えてビシビシ伝わっているキャラクターだったので、せりふがないときの表情は意識しながら演じていました。人をあやめてしまった弓弦のことは理解できないところもありましたが、『アンチヒーロー』でご一緒したスタッフさんが多かったので心強く、みんなで話し合いながら作っていけた気がします。

◆演じる上でこだわった部分はありますか?

最初の頃は接見室に入ったとき、椅子を引いていたんです。心の距離を取るように、実際の距離も少し空けるようにして。それが自分自身や社会と向き合うようになっていくと、椅子を引かなくなる。接見室という閉鎖された環境ですが、そういう細かな動きを考えながら演じていました。

◆撮影中、どんな思いを感じながら演じていましたか?

今回は基本的に順撮りで、試験会場や家に引き込もっているシーンから撮影したんです。なので単純に1人のことが多かったし、途中から御上先生や神崎君が面会に来てくれるのですが、集中力が切れてしまうのが怖くて、あえてコミュニケーションをとらないようにしていました。「君の戦いが孤独だったことをたぶん僕は知っている」という御上先生のせりふがあったんですけど、まさに孤独だなぁと思いながら撮影していました(笑)。

『御上先生』©TBS

◆松坂さんや奥平さんの印象はいかがでしたか?

松坂さんとは10代のときに、朝ドラ『わろてんか』でご一緒させていただいて。いつもフラットで、周りを気にかけてくださっている感じは当時から変わらないなと思いました。個人的には時を経てまたご一緒させていただけることが感慨深く、成長した姿を見せられたらいいなと思いながら、対峙させていただきました。

奥平さんはいろんな作品を拝見していて、いつかご一緒したいなと思っていました。演じている神崎君の役柄もあると思うのですが、大先輩の方々とも対等にコミュニケーションを取られている姿は、年齢以上に大人に見えて。でも生徒役の皆さんとお話されてると、年相応の男の子な感じなんです。少年と成人男性の間を行き来されているような、不思議な人だなと思いました。

◆物語を客観的に見て、お気に入りのキャラクターはいましたか?

個人的には、東雲さんを演じている上坂樹里さんのお顔がすごく好きで。登場するたびに、私もこんな透明感が欲しかったと思いながら見ていました(笑)。キャラクターの中では、永瀬莉子さんが演じている櫻井さんが好きです。御上先生に反発して、「授業を始めてください」とちょっと冷たく言うのですが、彼女がそうすることで御上先生の言葉が生きていると思います。あのクラスに欠かせない存在だと思いますし、途中でとても温かい一面も持ち併せていることも分かって。ちゃんと相手を知らないと分からないことがあるなと感じました。

『御上先生』©TBS

◆この作品のテーマに触れて、何か感じたことはありますか?

3月16日(日)放送の9話で神崎君が発するせりふには、はっとさせられるものがありました。弓弦が悪いことをしたのは事実ではあるけども、神崎君の言葉により、少し救われたような気がして。世の中には個人の力ではどうしようもないこともあるけど、自分で何かを考えて行動するだけで、もしかしたら隣の人の痛みや弱さに気付けたりするのかなと感じました。

◆今回、『御上先生』の現場で役者として得られたものはありますか?

実際の自分は人をあやめてしまう弓弦を受け入れてはいないけど、その役を演じ切るためには、受け入れないといけなかったんです。どこか理解はできなくもないけど、完全には理解できないし、そういう分からなさを抱えたまま現場にいて。でも、分からないことって悪いことじゃないなと、ふと思ったんです。お芝居に限らず、分かったつもりで物事を進めていくことの方が怖いこともあるって。物事をそういうふうに捉えられて、この仕事を続けていく上で大事な時間を過ごせたと思います。

『御上先生』©TBS

PROFILE

堀田真由
●ほった・まゆ…1998年4月2日生まれ。滋賀県出身。O型。近年の主な出演作に連ドラ『たとえあなたを忘れても』『アンチヒーロー』『若草物語-恋する姉妹と恋せぬ私-』、映画「バカ塗りの娘」など。

番組情報

日曜劇場『御上先生』
TBS系
毎週日曜 午後9時~9時54分

<出演者>
松坂桃李、吉岡里帆/岡田将生/迫田孝也、臼田あさ美/堀田真由、高橋恭平/及川光博/常盤貴子/北村一輝 ほか

■隣徳学院3年2組
奥平大兼、蒔田彩珠、窪塚愛流、吉柳咲良、豊田裕大、上坂樹里、髙石あかり、八村倫太郎、山下幸輝、夏生大湖、影山優佳、永瀬莉子、森愁斗、安斉星来、矢吹奈子、今井柊斗、真弓孟之、西本まりん、花岡すみれ、野内まる、山田健人、渡辺色、青山凌大、藤本一輝、唐木俊輔、大塚萌香、鈴川紗由、芹澤雛梨、白倉碧空

<スタッフ>
製作著作:TBS
脚本:詩森ろば
プロデューサー:飯田和孝、中西真央、中澤美波
演出:宮崎陽平、嶋田広野、小牧桜
音楽:鷺巣詩郎
脚本協力:畠山隼一、岡田真理
教育監修:西岡壱誠
学校教育監修:工藤勇一

©TBS

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