「チャイナエステくらい充実していたのかもしれない」トンツカタン・森本晋太郎のネクストブレイク紀行【第49回】

特集・インタビュー
トンツカタン・森本晋太郎のネクストブレイク紀行
2025年03月13日

お笑いトリオ・トンツカタンの森本晋太郎さんがTV LIFEで連載中のコラム「トンツカタン・森本晋太郎のネクストブレイク紀行」。「今年売れる」と言われ続ける中での出来事や本音が綴られた“飛躍を夢見る芸人の備忘録”をwebでも公開します。今回は、三四郎さんのオールナイトニッポン0に出演した話。(TVLIFE 2025年2月26日発売号より転載)


チャイナエステくらい充実していたのかもしれない

先日、三四郎のオールナイトニッポン0にゲスト出演させていただいた。

今やメディアに引っ張りだこのおふたりだが、僕が養成所に通っていた12年前はライブシーンで猛威を奮っており、YouTubeに上がっている三四郎さんのネタ動画を作業用BGMとして流すくらいハマっていたのを今でも覚えている。当時の同期があまりに影響を受けすぎて日を追うごとにどんどん三四郎さんにスタイルを寄せていった結果、もちろんうまくいかずにそのままフォームを崩して辞めていったりもした。それくらい魅力的なコンビが売れないわけがないと思っていたらやはり一度のチャンスを見事に物にしてスターダムを駆け上がっていった。

僕が三四郎さんとご一緒するようになったのはおふたりが「著しく売れかけている」ころで、小宮さんには営業の空き時間にいろいろ連れていってもらったり、相田さんとはたくさん飲みに行かせてもらったり、コロナ禍には同じゲームで協力プレイをしたりして、その時のお話を面白おかしくラジオでしていただくことがたまらなく嬉しかった。

そんな三四郎さんのラジオに呼んでいただけたのはとても感慨深く、すこしでもお力になれるようしっかりと仮眠をとって27時前にニッポン放送へと赴いた。この日はド桜の村田と一緒に英語の先生として小宮さんにレッスンをしてほしいということだけ聞いていた。楽屋で村田にどれくらい喋れるのか尋ねると「チャイナエステで少々」と返ってきた。一筋縄じゃいかない回になる気がした。

番組が始まり、三四郎さんによるオープニングトークのあとに流れるCM中に僕と村田がブースへと案内された。ブースに入る直前、村田がスタッフさんに「チャイナエステって言っても大丈夫ですか?」と確認をしていた。おそらくそれが今日の彼が持つメインウェポンなのだろう。

CMが明け、我々が紹介されてしばらくトークしたあとに英語遍歴について喋るパートになった。僕がインターナショナルスクールに通っていた話をしたあとに英語を披露したあと、村田が満を辞して口を開く。

「僕はチャイナエステで…」

意気揚々と話すものの、どうやら村田に期待していた類のエピソードではなかったらしく、痺れを切らした小宮さんが「村田がうまく機能してないな…」と漏らしてそのまま頭を冷やすためにブースを退室させられた。

その後はゲストひとり不在の中、小宮さんと僕で英会話をするものの、すべて中学生下ネタで返され続けるという下品極まりない放送が続いた。最終的には喫煙所でタバコを複数本吸って戻ってきた村田にこめかみとズボンの股をベロベロ舐められて放送が終わった。終始想像と違う内容だったけど、帰りに相田さんが運転する車に乗せてもらって、白んでいく空を見ながら「バカで楽しかったなー」って話したのがどうしようもなく充実した時間だった。

帰宅後はすぐにズボンを洗濯カゴに入れ、入念に洗顔して寝た。


森本晋太郎
●もりもと・しんたろう…1990年1月9日生まれ、東京都出身。お笑いトリオ「トンツカタン」のツッコミ担当。プロダクション人力舎のお笑い養成所・スクールJCA21期を経て、現在はテレビやラジオで活躍中。趣味でもあるツッコミに特化したYouTubeチャンネル「タイマン森本」も好評。

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