テレビ情報誌「TV LIFE」で、今後さらなる活躍が期待されるネクストブレーク俳優の魅力を紹介する連載「#今旬コレクション」。WEB版では、本誌に収まりきらなかったエピソードをスペシャル動画も交えて紹介します。第98回はドラマ『あらばしり』(読売テレビほか)に出演中の大倉空人さんが登場です。
「#旬コレ 7seconds CHALLENGE」大倉空人
◆加茂錦は天真爛漫なキャラクターですが、ご自身との共通点や共感できるところはありますか?
天真爛漫なようで意外と物事を客観視している部分があり、何事も俯瞰で見られるところは自分と似ているんじゃないかなと思います。あるシーンでは、加茂錦が一歩引いてみんなをなだめる立ち回りをしているんですが、僕も時と場合によって、グイっといくところと引くところを意識して行動しているので、そこは加茂錦と共通していると思います。
◆大倉さんが所属するグループ、原因は自分にある。(以下、げんじぶ)のライブでは、それが顕著に出ていますよね。
ありがとうございます。特にMCの時は“ここは自分が前に出て話すけど、ここはほかのメンバーに振ろう”“ここはファンの皆さんの声を聞こう”“一つあおりを入れよう”などと押し引きを意識しています。
◆自身を押し殺すというわけではなく、相手を引き立てながら、その中で自己アピールもしっかりするバランスが絶妙だなと思いました。
昔からMCは自分が主体となってやらせていただいているのですが、最初の頃はちゃんと自分が回さないといけないというプレッシャーで、メンバーに振って話がまとまらなさそうだなと思ったら、すぐに切り上げて自分の話に変えたりしていたんです。それではいけないと思いながらも、どううまくやったらいいのか、すごく悩んでいた時期がありました。
◆そうだったんですね。
その時に応援してくださる方からいろんな意見を頂いて。そこでへこむこともありましたが、へこんだ分次はこうしよう、ああしようと試行錯誤して。僕は極端な性格なので、一切自分のことを話さない時と、ずっと自分のことを話す時と、極端にどっちもやってみたんですよ。両方試した結果、今のMCの形に落ち着きました。
◆ファンの方の意見が変わるきっかけとなったんですね。
はい。周りの意見をすごく聞きたいタイプで。もちろん自分の意見は持っているし、譲りたくないところは絶対譲らないんですけど(笑)。お芝居とはまた違う話になっちゃいますけど、ファンの皆さんがいてこその自分たちなので、皆さんの声を聞きつつ、自分が思ったことをやらせていただいてます。
◆大倉さんが思う音楽とお芝居の違いや、ステージをやっているからこそ感じられるお芝居の楽しさみたいなものはありますか? またその逆もありますか?
まず音楽は曲に乗っているのが違いますよね。しかも、僕たちの場合は全員歌うので、1曲の中で一人ずつ歌うパートが決まっているんです。歌では一人の主人公を7分割して表現するのが、お芝居では一つの作品の中で全部自分の物語として辿っていけるので、一人で表現できるとなると感情の高ぶり方も違いますし、そういう部分は歌とお芝居で全く違うなと思いますね。
◆お芝居をするにあたって意識していることや、スイッチの切り替えみたいなものはあるんですか?
スイッチの切り替えはあります。基本的に役にどっぷりつかるタイプではないので、自分の軸はしっかりと持った上で、お芝居では役になりきって、自分なりにしっかり演じさせていただいています。
◆具体的にどのようにスイッチの切り替えをしているんですか?
頭の中で次のシーンはこういう気持ちだからこうしようと一つの感情を決めて、ずっとそれを頭の中で唱えて本番に臨むという感じですね。
◆役が憑依して、ついステージで出てしまうということはないんですね。
ちゃんとアイドルはアイドルとしてやらせていただいています! ステージではカッコよく見せたいという思いがありますが、お芝居の時はむしろカッコよく見せようという気持ちは一切ないですね。
◆共演者の皆さんとはどのようにコミュニケーションをとっていますか?
一歩己役の西山潤さんは同じ事務所の先輩ということもあり、すごく仲良くさせてもらっていて。本作の共演をきっかけに二人でご飯にも行かせていただきました。僕にとって初めて事務所の中でできた俳優の先輩というのが何よりうれしくて。僕がずっとべったりで、潤君にかまってもらってました。あと、僕が別の作品で筋トレをしないといけなくて。筋トレと言えばLDHさんなので、屋守役の後藤拓磨君に「筋トレってどうやってやるのがベスト? ここまでにこうしたいんだけど」って撮影の合間に聞いていました(笑)。そうしたら「糖質はこれで、脂質はこれで、塩分はこのぐらいで…」「1日○○カロリーだったら大丈夫だよ」と細かくアドバイスをしてくださって。それから拓磨君に言われたとおりにして、筋トレに励んでいました。ほかの方も含め、皆さん本当に温かくて、最高の現場でした。
◆人見知りはしない?
いや、実は結構人見知りです。でもなんとなく雰囲気でこの人には話し掛けても大丈夫だなというのをつかめる人間ではあるので、自分の中で大丈夫と思ったら、話し掛けるようにしています。
◆大倉さんは相手の方にも話し掛けやすい雰囲気をまとっていますよね。
そうですかね? でも自分が分かるからこそ、自分は話し掛けやすい人でいたいなと思います。
◆撮影時のエピソードやここだけの裏話はありますか?
おじいちゃんのノート(日記)があるんですけど、あのノートの中身がめちゃくちゃ面白いんですよ。「〇月〇日、今日は大谷翔平がどんな活躍をした」とか「次の試合が楽しみである」とか「今日は台風のせいで体調が悪い」とか…実際にあったことが書かれていて。ほほほぼ全ページ埋まっているんです。僕たちがお芝居しやすいようにスタッフの方も頑張ってくださってうれしかったですし、何よりすごい読み応えのある内容で、みんなで笑って楽しんでました。
◆いよいよ最終回が間近に迫ってきましたが、注目ポイントを教えてください。
藤原樹さん演じる(伊藤)吟がどんどん成長していきます。それまですごくネガティブで「俺にはできないよ」と言っていた吟が、日本酒たちからの励ましの言葉を受けてお客さんに対して元気を与えているところを見て、自分もこの日本酒たちとならできるかもしれないと行動を起こすようになるんです。吟の成長に心を打たれてほしいなとも思いますし、まだまだこれから吟にとっても僕たち日本酒たちにとっても大きな壁が立ちはだかりますので、注目してみていただけたらと思います。
PROFILE
●おおくら・たかと…2002年4月12日生まれ。神奈川県出身。O型。原因は自分にある。のメンバーとしても活躍中。現在ドラマ『トーキョーカモフラージュアワー』(テレビ朝日ほか)、『熱愛プリンス』(MBSほか)に出演中。
●photo/中村 功 text/星野彩乃 hair&make/SUGA NAKATA(GLEAM) styling/TAKURO 衣装協力/THE JEAN PIERRE/アドナスト、その他スタイリスト私物