テレビ情報誌「TV LIFE」で、今後さらなる活躍が期待されるネクストブレーク俳優の魅力を紹介する連載「#今旬コレクション」。WEB版では、本誌に収まりきらなかったエピソードをスペシャル動画も交えて紹介します。第99回は間もなく最終回を迎えるドラマ『御上先生』（TBS系）に出演中の新原泰佑さんが登場です。
「#旬コレ 7seconds CHALLENGE」新原泰佑
◆ドラマ『御上先生』は、文科省の“官僚教師”の御上孝（松坂桃李）が日本教育にはびこる腐った権力に立ち向かう大逆転教育再生ストーリー。新原さんは孝が行動を起こすきっかけを作った孝の兄・宏太を演じています。宏太という役をどのようにとらえていますか？
宏太は世の中を正しい方へ導きたいという思いが人より強かったのだと思います。故に最後は自死という悲劇の決断をくだしてしまいますが、彼の中にあるヒストリーからすると、それももしかしたら必然だったのかなと。僕自身の中にも宏太の思いをくみ取りたい思いがあって、だからこそ宏太をしっかりと演じて彼の人生を全うしてあげたいという気持ちになりました。
◆松坂さんとはどんなコミュニケーションをとられましたか？
桃李さんは僕が次のシーンの段取りに悩みつつセットの中をうろうろしていると、にこやかに話し掛けてくださって。お芝居についての細かい話やカメラにしっかりと映り込むことの重要性についても話してくださいました。
◆現場での松坂さんはどんな様子だったのでしょうか。
僕が出演しないシーンもスタジオや楽屋のモニタ―で桃李さんのお芝居を拝見させていただいたんですが、授業のシーンはとにかくすごかったです。御上先生が長いせりふとせりふの間に生徒たちに視線を送るんですが、その瞬間とカメラが生徒たちの表情を抜くタイミングが絶妙で。あたり前かもしれませんが、このせりふは今、誰にかけるべきものなのかをしっかりと頭に入れていらっしゃる桃李さんの緻密な演技が、そのまま29人全員のことをしっかりと把握している御上先生と重なるようでした。長いせりふを言うだけでも難関なのに、そこにさらなる難関が重なって…。それらの壁を次々とクリアしていく様を見せていただいたような感覚がありました。授業のシーンは気持ちが切れないように長回しすることも多かったと思います。
◆ご自身の学生時代に御上先生のような先生がいたらどう思いますか？
うれしいでしょうね。特に僕は曲がったことが許せなくて時々突っ走ってしまうタイプなので、御上先生のような頼れる存在がいてくれたら暴走をフォローしてくれる気がします（笑）。
◆そんな新原さんのリフレッシュ方法といったらなんでしょう？
音楽を聴くことです。あとは小さい時からダンスを習っていたので、踊ることもリフレッシュになりますね。音楽ははやりのJ-POPからインディーズバンドなどを中心に、アニメも好きなのでアニメのサウンドトラックなど幅広いジャンルの楽曲を聴きます。アイドルっぽいかわいい曲も好きです。最近、ポエトリーリーディングというジャンルを知って、中でもMOROHAさんというアーティストの方の楽曲がお気に入りです。音楽以外では夜の海を見るのも好きですね。海を臨む広い空間で深呼吸すると、体内の空気を循環させられる感じがして気持ちがいいんです。海なし県（埼玉県）の出身なので、海に憧れがあるのかもしれません（笑）。
◆昼の海より夜の海がいいですか？
昼は人が多いので（笑）。静かで暗い空間を眺めながらイヤホンで音楽を流すと、外界から遮断されて自分だけの世界が出来上がりますから。目の前にある風景を何も考えずに眺めたり、時には音楽に合わせて踊ることもあります。そうすることで今一度自分に立ち戻れるというか、“自分は今ここにいるんだぞ”という思いになって、自分の居場所をしっかりと見つめ直せる感じがあります。
◆ドラマも間もなくクライマックスを迎えます。
御上先生のおかげで生徒たちはそれぞれ成長を見せたけれど、果たして御上先生自身にはどんな変化があったのか。何をもってこの作品を終わりとするのか最後までしっかりと見届けてほしいです。
PROFILE
●にいはら・たいすけ…2000年10月7日生まれ。埼玉県出身。B型。主な出演作はドラマ『25時、赤坂で』『アオハライド』など。6／9（月）からミュージカル「梨泰院クラス」に出演するほか、主演映画「YOUNG & FINE」が夏に公開予定。
●photo／干川 修 text／土屋華夏
